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平成23年度アジア情報関係機関懇談会概要報告: アジア情報室通報 第10巻第2号

アジア情報室通報 第10巻第2号(2012年6月)
齊藤まや

平成24年3月21日(水)に国立国会図書館関西館においてアジア情報関係機関との懇談会を実施した。第11回目の開催となる今回は、「図書館資料を"展示する"ということ」をテーマに、報告および懇談をおこなった。概要を以下に紹介する。

1 当館報告

初めに当館から平成24年1月の新システム稼働後の当館のアジア情報関連サービスについて報告した。新システムでは、これまで別々に検索しなければならなかったアジア言語OPACと国立国会図書館蔵書検索・申込システム(NDL-OPAC)が統合されたことにより、日本語・欧米言語資料とアジア言語資料が一度に検索可能になったほか、アジア言語資料の郵送複写申込みがオンラインで行えるようになったことを紹介した。また、平成24年1月に正式サービスとして稼働開始した国立国会図書館サーチでは、日中・日韓の翻訳検索・翻訳表示ができることを紹介した。一方、今後の課題としては、国立国会図書館サーチにおける多言語対応(入力文字の正規化やローマ字翻字形での検索の実現)などを挙げた。

3 テーマ報告・懇談

続いて、今回のテーマである「図書館資料を"展示する"ということ」に基づいて各機関が報告を行った。

(1) 国立国会図書館の展示について-関西館小展示を中心に

当館からは関西館で実施している展示会を中心に当館の展示活動について報告した。関西館では、東京本館で行った企画展示を巡回して開催するほか、近隣のイベントや講演会で関連資料を展示する出張展示、毎年3回資料を展示する関西館小展示を実施している。このうち、関西館小展示は2009年度から開始された展示で、平成23年度は辛亥革命100周年にちなんだ「書物にみる辛亥革命」などの展示を行った。今後はテーマ選定、展示の見せ方、広報などを工夫し、より多くの方に閲覧していただきたい。

(2) 「本のミュージアム」の開設~エデュテインメントを目指して~

東洋文庫から、2011年10月に開設した東洋文庫ミュージアムについて報告が行われた。東洋文庫では「より多くの人が所蔵資料にふれる場と機会をつくる」ことを目的に東洋文庫ミュージアムの開設を決定した。開設にあたっては、開放感のある建物設計、カフェやミュージアムショップの設置など設備上での工夫をしたほか、2万4千冊を配架した書棚をそのまま展示室とした「モリソン書庫」、貴重書と映像を重ね合わせて様々な演出を施すエンカウンタ・ビジョン、タッチパネル式デジタルブックの設置など、幅広い層に関心をもってもらえるような展示方法を心がけていることを紹介した。今後の課題として、さらに簡潔で分かりやすい解説、視覚情報が豊富な資料の展示、英文解説の充実などを挙げた。

(3) 各機関の報告

報告を行った機関は以下の11機関である。(五十音順)

アジア図書館、大阪大学外国学図書館、大阪府立中央図書館、九州大学附属図書館、京都大学人文科学研究所、京都大学地域研究統合情報センター、慶應義塾大学メディアセンター、国際交流基金関西国際センター、東京外国語大学附属図書館、東京都立中央図書館、日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館

九州大学附属図書館からは学生がおすすめの図書を紹介・展示している「BOOKLINK」、慶應義塾大学三田メディアセンターからは新たに開設された展示室、日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館からは近年行った実績のある展示会の概要や運営体制について報告があったほか、各機関から今年度の活動報告が行われた。

(4) 懇談

最後に、各機関の報告を受けて懇談を行った。懇談の場では、当館が果たす役割について、資料のデジタル化や出張展示の規模を拡大し、日本の図書館全体の活動においてさらに指導力を発揮してほしいという要望があった。また、アジア情報関係機関懇談の在り方について、各機関が報告を行うだけでなく、質疑応答や懇談の時間を充実させ、具体的なアジア情報関係機関の連携について話し合える場にするべきではないかという意見も寄せられた。

おわりに

今回は各機関で予算や人員の制約がある中で工夫しながら展示活動を行っていることが分かり、有意義な情報交換ができた。一方、懇談の場では当館の果たす役割やアジア情報関係機関懇談会の在り方について意見をいただいた。いただいた意見を参考とし、今後はアジア情報関係機関懇談会の場をさらに有意義なものとできるよう努めたい。

参加いただいた各機関には、この場を借りて改めてお礼を申し上げる。

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