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中国の現代の人物を調べる(レファレンスツール紹介34):アジア情報室通報 第12巻第2号

アジア情報室通報 第12巻2号(2014年6月)
水流添 真紀(国立国会図書館関西館アジア情報課)

中国の政治家や芸能人などの人名は、日本のメディアでも報じられる機会が多い。本稿では、中国(香港、マカオ、台湾を含む)の1949年以降の人物を調べるための情報源について、日本語と中国語に分けて紹介する。中国語の部分では、総合、分野別に事典類を紹介した後、インターネット上の情報源を紹介する。

*【 】内は当館請求記号、ウェブサイトの最終アクセス日は2014年5月13日である。

本稿で紹介した以上の情報が必要な場合や、近代以前の人物を調べる際には、下記をご参照いただきたい。

〇 中国の人物情報の調べ方(平成22年度アジア情報研修講義資料)

https://rnavi.ndl.go.jp/asia/tmp/3_H22_kensyu_jinbutu_kougi.pdf

1 日本語の情報源

日本語の情報については、人物名の表記に留意が必要である。漢字表記、日本語の音読みまたは中国語読みのルビ、カタカナのみなど、表記が多様である。例えば、映画監督の「チャン・イーモウ」(張芸謀)など、中国語読みのカタカナのみで表記[1]されることも多い。カタカナ表記から漢字表記を確実に特定する方法はないため、参考図書や検索エンジンなどで手がかりを得る必要がある。漢字とカタカナなど、複数の表記で検索するのも一つの方法である。

『中国要人名鑑. 2008年版』(時評社、2008)【GE12-J3】

政治・軍事、国営・民営企業などの重要人物約12,000名の経歴を組織別に収録。肖像写真も多く掲載する。筆画順の索引を付す。

『中国組織別人名簿 = CHINA DIRECTORY. 2014』(ジェイピーエムコーポレーション、2013)【A2-L11】

中国共産党、国務院、司法、軍、地方組織等の人名簿。組織名と人名について、漢字と英語名を対照し、約7,000名を収録。主要人物略歴、五十音順および拼音順の索引を付す。

『中国最高指導者who’s who. 2013-2018年版』(蒼蒼社、2013)【A2-L6】

中国共産党第十八次全国代表大会(2012年)委員を中心とした高級幹部272名を掲載。排列は五十音順。五十音順の索引と歴代指導者一覧を付す。

『中国重要人物事典』(蒼蒼社、2009)【A2-J15】

共産党中央、国家・行政部門、軍事部門、各地方政府などの重要人物計820名を掲載。排列は五十音順。主要役職別索引、拼音順の索引を付す。

『現代中国人名辞典』(霞山会、1972-1995)【GE12-6ほか】

1949年以後に活動した主要人物について、姓名、別名、生年、原籍、民族、家族、学歴、現職などを収録。基本的に編纂時に存命中、または没して間もない人物を収録する。排列は五十音順。姓名の拼音順、姓の五十音順および筆画順の索引を付す。

『中華電影データブック : 完全保存版』(キネマ旬報社、2010)【KD671-J30】

中国語圏の映画600本以上、俳優・スタッフ800名以上を収録。五十音順、筆画順の人名索引を付す。

2 中国語の情報源

中国語の表記が分かれば、日本語よりも詳細な情報が掲載されており、分野別の事典類も充実している中国語資料を参照できる。

ただし、筆画順の索引を利用する際には「邓小平」「鄧小平」など、簡体字と繁体字で画数が異なる場合があるので、注意が必要である。

なお、日本漢字を簡体字や繁体字に変換するには、次のサイトが有用である。

〇 漢字ピンインハングル読み変換(国立情報学研究所目録所在情報サービス)

http://cattools.nii.ac.jp/pinyin/pinyin_jsonp.html

(1) 総合的な事典類

『中国当代名人录』 (上海人民出版社、1991)【GE12-C47】

1990年までの中国の主要な人物7,564名を収録。排列は筆画順。筆画順の索引を付す。

『中国人名大词典 当代人物卷』(上海辞书出版社、1992)【GE12-C27】

1949年~1986年までの中央、地方の指導者、各分野の著名人など17,970名を収録。排列は筆画順。拼音順、筆画順の索引を付す。

『二十世纪中国人物传记资料索引』(上海辞书出版社、2010)【GE12-C142】

20世紀に活動した人物約48,000名について、伝記資料約20万件を収録。排列は筆画順。筆画順の索引を付す。

『中国人物年鉴 = Yearbook of who's who of China』(华艺出版社、年刊)【Z42-AC17】

中央、各地方の政治・軍事上の重要人物、各分野で優れた業績を挙げた人物などを毎年1,000名程度収録。肖像写真も多数掲載する。筆画順の索引を付す。

(2) 分野別の事典類

『中国共产党历史大辞典 : 1921-2011 : 总论・人物 = A dictionary of the history of the Chinese communist party.』(中共中央党校出版社、2011)【A2-C72】

1921年~2011年に活動した共産党に関係する人物約1,600名を筆画順に掲載する。筆画順の索引を付す。

『华侨华人百科全书. 人物卷』(中国华侨出版社、1999-2002)【DC851-C68】

1999年までに世界各国で活動した華僑・華人約3,500名を収録。国・地域別に分け、拼音順に排列。アルファベット順の外国語中国語人名対照表を付す。

『中国音乐家辞典』(人民出版社、2006)【KD9-C3】

中国、香港、マカオ、台湾および華僑の作曲家、歌手など音楽関係者3,968名について、姓名、生没年、職業、所属、経歴などを収録。排列は姓名の拼音順。筆画順の索引を付す。

『中国电影大辞典』(上海辞书出版社、1995)【KD2-C4】

中国の映画監督、出演者、映画作品、制作会社、映画祭など映画に関する事項6,139項目を拼音順に排列。収録する人物は約2,000名。拼音順の索引、分類別の筆画順の索引を付す。

『中國文學大辭典』(上海辞书出版社、2000)【KK62-C83】

約18,000項目を収録。「先秦両漢文学」「現代文学」「文学理論批評」など12に大別し、その中を「作家」「作品」「参考資料」などに分類して排列。筆画順の索引を付す。

『中国专家学者辞典』(中国大地出版社、2002)【UA11-C7】

中国の専門家のうち、専門分野に貢献した人物を正続計約9,000名収録。「高等院校」「自然科学」「工程技术」などに分類し、筆画順に排列する。当館では続集のみ所蔵する。

なお、美術や書道関係の人物を調べる資料については、下記をご参照いただきたい。

〇 リサーチ・ナビの調べ方案内「中国の絵画・書道を調べる」

http://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-asia-74.php

(3) インターネット情報

①公的機関等が運営する比較的信頼性の高いもの、②オンライン百科事典の2つに分けて紹介する。

②のオンライン百科事典は、政治経済、芸能、文学など幅広い分野の人物が取り上げられており、概要を手軽に知るには有用である。ただし、内容の真偽については複数の情報源を併用して判断する必要がある。

① 公的機関等が運営するサイト
China Vitae中國名人錄

http://www.chinavitae.com/
英文サイト。アメリカの非営利組織China Vitaeが運営する、政治、軍事、ビジネスなど各分野の著名な中国人5,000名以上の経歴を閲覧できるデータベース。名前は英語のほか、中国語(簡体字)でも表記。肖像写真も掲載する。

中国党政领导干部资料库(中国共产党新闻网)

http://cpc.people.com.cn/gbzl/index.html
中国語(簡体字)サイト。中国の共産党指導者のデータベース。人物の経歴や関連する報道を見られる。検索機能のほか、「分类查询」をクリックすると組織別、学歴別などの人物一覧を見ることができる。肖像写真も掲載する。

地方领导资料库(人民网)

http://ldzl.people.com.cn/dfzlk/front/firstPage.htm
中国語(簡体字)サイト。中国の地方の指導者のデータベース。省や市ごとに書記、人大常任委員会主任などの経歴を掲載。肖像や関連する報道も見られる。検索も可能である。

中共政治菁英資料庫(台灣國立政治大學)

http://ics.nccu.edu.tw/chinaleaders/index.htm
中国語(繁体字)サイト。中国政府および共産党、軍に関係する人物についてのデータベース。排列は姓名の拼音順。会員登録(無料)すると人名による検索も可能である。

中華民國政府官職資料庫(台灣國立政治大學)

http://gpost.ssic.nccu.edu.tw/
中国語(繁体字)サイト。中華民国建国(1912年)から現在までの政府の官職のデータベース。各時期の総統府公報で発布された人事情報をデータベース化している。姓名や時期から検索でき、職歴を閲覧できる。各公報の原文画像も収録する。

當代名人手稿典藏系統(台灣國家圖書館)

http://manu.ncl.edu.tw/
中国語(繁体字)サイト。台湾の現代の文学者、政治家、科学者、芸術家など社会に貢献した各分野の人物を収録。手稿だけでなく、その人物の経歴、著作、作品目録等も掲載する。文学者は約2,000名を収録する。

② オンライン百科事典

次のサイトのうち、「臺灣大百科全書」以外は簡体字、繁体字、日本漢字による検索が可能である。

維基百科

http://zh.wikipedia.org/
中国語版のWikipedia。簡体字と繁体字が混在する。全項目数は約76万件である。

百度百科(百度)

http://baike.baidu.com/
中国語(簡体字)サイト。中国の検索ポータル百度が運営する。全項目数は約800万件である。

互动百科(互动在线)

http://www.baike.com/
中国語(簡体字)サイト。全項目数は約820万件である。「名人百科」(http://mingren.baike.com/)に人物を収録する。

臺灣大百科全書(台灣行政院文化部)

http://taiwanpedia.culture.tw/web/classification
中国語(繁体字)サイト。繁体字でのみ検索できる。全項目数は約5万件。一部の項目は専門家が執筆している。

(つるぞえ まき)


[1]カタカナ表記のガイドライン(「中国語音節表記ガイドライン[平凡社版](2011年8月1日公開)」http://cn.heibonsha.co.jp/)も存在するが、すべてがガイドラインに沿って表記されるわけではない。

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