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『한국형 일·학습 듀얼 (Dual) 시스템 고용영향평가 연구』:アジア情報室の社会科学分野の資料紹介(8):アジア情報室通報 14巻1号

2.9.  한국노동연구원[編].(韓国労働研究院[編])『한국형 일•학습 듀얼 (Dual) 시스템 고용영향평가 연구(韓国型仕事・学習デュアルシステム雇用影響評価研究)』 서울(ソウル) : 한국노동연구원(韓国労働研究院), 2013.12, xxii, 349p. 【EL121-K12】

韓国では、家庭における教育費負担額と大学進学率が高い反面、企業が採用したい人材との間にミスマッチがあり、大学新卒者の就職率の低さや、就職後の企業における再教育費の負担が問題となっている[3]。

そのため韓国政府は、2013年6月に「雇用率70%ロードマップ」[4]を発表し、雇用創出を目指している。その中で、若年者雇用問題の解決策として「韓国型デュアルシステム」(現在の名称は「仕事・学習並行制」)の導入を進めている[5]。このシステムは、企業が若年者を訓練生として採用し、体系的な理論・実務教育を行い、教育訓練の結果を評価・認証し、学歴または資格を認定し、当該企業または同業他社で正式に採用する、というものである。対象者は、高校生から大学生及びその卒業者を想定している。

本書は、このような文脈の中で、政府系研究機関である韓国労働研究院が行った、同システムを実施する際の雇用影響評価をまとめた委託研究報告書である。8章からなり、第1章「序論」、第2章「事業概要と雇用連携性」、第3章「量的雇用評価測定」、第4章「質的雇用評価測定」、第5章「実態調査」、第6章「国内類似制度の分析及び示唆点」、第7章「海外類似制度の分析及び示唆点」、第8章「結論及び政策勧告案」の構成である。以下、企業及び学生を対象として行われたアンケート結果を中心に紹介する。

第3章は、企業が同システムを導入するか否かの調査結果である。参加する意向があるのは全体の41.6%で、業種別では、IT・デザイン、ロボット、ソフトウェア、電気・電子が半数以上、半導体、サービス・流通、機械が30%未満である。規模別では、100人以上の企業はそれ以下の規模の企業より参加する意向が低い。また、38.1%が、同システムの訓練の修了者を採用する意向がある。

第4章は、導入後の懸念点や課題である。企業側は、教育訓練担当トレーナーの不足、教育訓練終了後に離職する可能性が高いこと、見習生に対する人件費負担、訓練施設等の不足、制度に対する企業側の認識不足等を指摘している。また、政府の職業教育訓練支援制度について、訓練施設や設備、訓練費用にかかる支援水準の引き上げ等、訓練時の直接的な費用に対する支援の拡大を求めている。

第8章では、今後の課題として、編者の見解が3点述べられている。

  1. 現場実習及び事業を支援する雇用労働部、学校を中心とする既存の現場実習施設を所管している教育部及び産業通商資源部等との連携を強化するため、「生涯教育進路支援センター(仮称)」のような機関の設立が必要である。
  2. 制度普及の妨げになる事業主の理解不足を解消するため、導入初期にあっては業種別の成功事例やモデル事例の蓄積を通じて普及を図るべきである。
  3. 職業教育訓練に対するマイナスイメージを払しょくするため、訓練結果の公式の認定が必要である。また、国家が認定する資格や既存の学位との関係を整理する必要がある。
(アジア情報課 田中 福太郎)

[3] 『고용노동백서(雇用労働白書)』雇用労働部(韓国), 2014, p.134.
以下のURLで全文閲覧可能である。
https://www.moel.go.kr/view.jsp?cate=3&sec=3&smenu=4&smode=2&mode=view&seq=1420448960025&page=1&state=A&bbs_cd=117

[4] 2017年までに、雇用率(=就業者数/生産可能人口×100)70%を目指すというもの。
「고용률70%로드맵(雇用率70%ロードマップ)」雇用労働部ウェブサイト。
http://www.employment70.go.kr/

[5] 『e고용노동뉴스(e雇用労働ニュース)』雇用労働部ウェブサイト, 2013年9月11日号報道資料。
http://news.molab.go.kr/newshome/mtnmain.php?mtnkey=articleview&mkey=scatelist&mkey2=20&aid=3901

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