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『조선로동당제7차대회에서 한 중앙위원회사업총화보고』:アジア情報室の社会科学分野の資料紹介(14):アジア情報室通報 15巻3号

2.14. 김정은(金正恩)[著]『조선로동당제7차대회에서 한 중앙위원회사업총화보고 (朝鮮労働党第7次大会で行った中央委員会事業総括報告)』[平壌]:조선로동당출판사(朝鮮労働党出版社), 2016.5, 2, 125p.【A56-K3-K12】

2016年5月6日から9日まで、朝鮮労働党大会が36年ぶりに開催された(第7次大会)。ここで、金正恩氏が朝鮮労働党委員長に推戴され、党の最高指導者となった。

本書は、同氏が同大会で行った中央委員会事業総括報告の全文である[6]。5つの部に分かれている。

「1. 主体思想、先軍政治の偉大な勝利」では、前大会から今大会までを総括している。経済建設と核開発を同時に推し進める「並進路線」の恒久化に言及している。

「2. 社会主義偉業の完成のために」では、北朝鮮国内の課題を述べている。自らの力を信じて進むしかないとする「自強力第一主義」を提示したほか、衛星打ち上げをはじめとする「科学技術強国」の建設について述べている。「経済強国」の建設については、経済部門が相応の高みに達しておらず、「国家経済発展5か年戦略」に沿って生活向上を目指すべきだとした。また、対外貿易を拡大すべきこと、国家が統一的に指導しつつ各部門が主体的に経営・活動する旨の「ウリ式(我々式)経済管理方法」の確立を求めている。

第2章では、違法出版物について、出版許可を得ずに出版された「非法出版物」と、法律で禁止された内容を掲載する「違禁出版物」の2種類に分けて説明し、また、内容、出版情報、外見などから違法出版物を識別する方法も紹介している。

「3. 祖国の自主的統一のために」では、朝鮮半島統一問題を述べている。韓国に対し、北朝鮮を刺激する一切の敵対行為の中止と、軍事当局間の対話を求めている。米国には、休戦協定に代わる平和協定の締結及び在韓米軍の撤収を要求している。日本については、「朝鮮半島に対する再侵略の野望を捨て、朝鮮民族に対して犯した過去の罪悪を反省し、謝罪しなければならないと同時に、朝鮮の統一を妨害してはならない」と言及している。

「4. 世界の自主化のために」では、国際関係について、再び「並進路線」に触れつつ、責任ある核保有国として、核の先制不使用と核拡散防止の義務を履行すると述べている。

「5. 党の強化発展のために」では、党活動について述べている。張成沢派を指すとされる「現代版宗派分子」を適時に摘発・粛清したことを述べ、幹部らにある官僚主義・不正腐敗行為の根絶を目指すとした。また、「全党が偉大な人民のために滅私服務しよう」というスローガンを掲げ、人民の利益と便宜を最優先すべきだとしている。

この報告に対し、韓国・国防部は、2016年5月9日の記者会見で、「北朝鮮を決して核保有国として認めないということは、韓国と国際社会の一貫した態度」だとし、「韓国政府は、強力な制裁と圧力により、北朝鮮に核を放棄させるよう努める」とのコメントを出した。また、軍事会談の提案を一蹴したほか、「核・ミサイルの完成度を高めるための追加核実験、ミサイルの試験発射などを続けることが予想される」とした。[7]

パク・クネ大統領(当時)は、2016年5月10日の国務会議で、「南北関係改善のための真の変化を見せないまま、核保有国という強引な主張とともに核能力の強化を表明するなど、国際社会の警告を無視し、挑発行為を続けている」と批判する発言を行った。[8]

また、韓国の研究者は、以下のように論評している。

イ・スンヨル(国会立法調査処政治行政調査室外交安保チーム立法調査官)は、総括報告で核保有の公式化に言及していることについて、核保有が金正恩統治の死活にかかわるもので、経済政策について目新しいものを提示できず「自強力第一主義」を打ち出さざるを得なかったほか、朝鮮半島の非核化を望む中国との関係も難しくなるだろうとしている。[9]

チョン・ソンユン(統一研究院北韓研究室副研究委員)は、北朝鮮が米国を中心とする国際社会の制裁についての不満と、核保有および核能力の強化を表明したことで、制裁が長引くとする一方、中国とロシアに対する言及がなかったことから、両国の関わり方次第で局面の転換がありうると予想している。また、並進路線が行き詰った際には、核能力を頻繁に誇示することで、経済部門の損失を埋めようとすると展望している。[10]

イ・スソク(国家安保戦略研究院統一戦略研究室長)は、統一問題の言及の中に軍事境界線付近での対北朝鮮心理戦放送やビラ散布が含まれていることは、それほど体制が脆弱である証左だと指摘している。また、経済問題について、失敗を認定した以上、今後何らかの経済政策を打ち出さざるを得ないが、総括報告では「自強力第一主義」と「ウリ式経済管理方法」が提示されただけであり、今後、国民生活の統制が予想されるとしている。[11]

(アジア情報課 田中 福太郎)

[6] 本報告の全文は、以下で公開されている。
「김정은제1비서 조선로동당 제7차대회 당중앙위원회 사업총화보고(金正恩第1秘書朝鮮労働党第7次大会党中央委員会事業総括報告)」2016.5.7.
朝鮮通信ウェブサイト
http://www.kcna.co.jp/calendar/2016/05/05-07/2016-0507-022.html
本報告の日本語訳及びそれに対する論評は、『北朝鮮政策動向』2016年6号, 2016.5.25, pp.51-99(【Z39-106】)に掲載されている。

[7] 「국방부『북한 핵보유국으로 결코 인정 안해』『북 군사회담 제안, 전혀 진정성 없어...비핵화 의지 먼저 보여야』(国防部『北朝鮮核保有国とは決して認定せず』『北の軍事会談の提案、全く認められない...非核化の意思をまずみせねば』)」2016.5.9.
政策ブリーフィングウェブサイト
http://www.korea.kr/policy/diplomacyView.do?newsId=148814825

[8] 「박 대통령『이란 방문 계기로 제2의 중동붐 일어나길 기대』국무회의 주재...성과확산 위한 점검•부처 간 협력 등 당부(朴大統領『イラン訪問きっかけに第2の中東ブームが起きることを期待』国務会議主宰...成果拡大のための点検・部処間の協力等要請)」2016.5.10.
政策ブリーフィングウェブサイト
http://www.korea.kr/policy/diplomacyView.do?newsId=148814905

[9] 이승열「조선노동당 제7차 대회의 내용과 특징(朝鮮労働党第7次大会の内容と特徴)」
『이슈와 논점(イシューと論点)』1164호, 2016.5.16.
http://www.nars.go.kr/brdView.do?brd_Seq=18609&cmsCd=CM0018

[10] 정성윤「조선노동당 제7차 대회 분석(4) : 국제관계와 안보(朝鮮労働党第7次大会分析(4) : 国際関係と安保)」Online Series CO 16-15, 2016.5.18.
統一研究院ウェブサイト
http://lib.kinu.or.kr//wonmun/007/0001476768.pdf

[11] 이수석「김정은 대관식에 그친 7차 당대회 (金正恩戴冠式に終わった7次党大会)」
『北韓』2016.6월호, 2016.6, pp.52-58. (【Z23-AK24】)

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