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『ベトナムの海と島についての500の質問』ほか:アジア情報室の社会科学分野の資料紹介(16):アジア情報室通報 16巻1号

  南シナ海の領有権をめぐる問題について、関係国の一つであるベトナムで刊行された資料数点の概要を紹介する。

3.1. chủ biên GS. TS. Trần Ngọc Vương ; TS. Trần Công Trục, TS. Đinh Hoàng Thắng, Sự kiện giàn khoan Hải Dương 981 và tham vọng của Trung Quốc độc chiếm Biển Đông(石油リグHD-981事件と中国の東海(南シナ海)独占の野心), Hà Nội : Nhà xuất bản Thông tin và Truyền thông, 2015, 258p.【Y741-TS-477】

本書は、2014年5月の石油リグ(石油掘削装置)HD-981(HYSY-981)事件[13]から中国が占拠した岩礁の埋立てまで、中国の海洋領土獲得への動きを記している。75の一問一答形式で、「中国による南シナ海占領の野望を実現するためのロードマップ」、「南沙、西沙諸島におけるベトナムの主権を肯定する歴史的証拠及び法的根拠並びに国際法からみた中国の違法行為」、「中国の南シナ海占領の野心に対するベトナムと世界の見解」の3章に分かれている。

出版者の情報通信出版社は、情報通信省下の非営利部門であり、党及び国家・各省庁の情報や宣伝に関する出版物を刊行している。

3.2. Trần Đức Anh Sơn chủ biên, Hoàng Sa, Trường Sa : tư liệu và quan điểm của học giả quốc tế(南沙諸島、西沙諸島:資料と国際学者の見解), Hà Nội : Nhà xuất bản Hội nhà văn, 2014,  315p : illustrations, maps.【Y741-TS-478】

本書は、南シナ海及び西沙諸島、南沙諸島におけるベトナムの主権について、歴史的、法的根拠を明確にすることを目的としている。国内外のベトナム人による各分野の研究を基に、様々な情報やデータを示すとともに、南シナ海情勢及び国際法に詳しい学者の提言を紹介している。第1部は、ベトナムが両諸島の主権を有することを根拠づける外国の史資料に関する論文5本、第2部は、両諸島をめぐる紛争の解決法に関する論文7本を収録している。

編者は、ダナン社会経済開発研究所[14]副所長で、出版者のベトナム作家協会出版社は、ベトナムや各国の文学や作家を紹介することを目的とする機関である。

3.3. Nguyễn Nhã, chủ biên, Đặc khảo về Hoàng Sa, Trường Sa : biển Đông và chủ quyền Hoàng Sa, Trường Sa của Việt Nam (西沙諸島、南沙諸島に関する特別な研究:東海(南シナ海)とベトナムの西沙諸島、南沙諸島の主権),TP. Hồ Chí Minh : Phương Nam Book ; Hà Nội : Nhà xuất bản Hội nhà văn, 2015, 436p. 【Y741-TS-479】

本書は、「中国の南沙、西沙諸島の強奪及び、中国人研究者による領有権に関する歴史的背景や事実の歪曲」に対し、両諸島がベトナムの主権に属することを示す目的で、歴史・地理資料等を検証する論文集である。

編者であるNguyễn Nhã博士は、西沙諸島、南沙諸島を専門とする研究者であり、両諸島の主権に関する啓蒙活動も行っている。出版者は、ベトナム作家協会出版社である。

3.4. Biển Đông Việt Nam những ngày đấu tranh kiên cường, bất khuất và lập trường chính thức của Việt Nam(ベトナムの東海(南シナ海):断固として屈しない闘争の日々とベトナムの公式見解), Hà Nội : Nhà xuất bản Văn hóa-thông tin, 2014, 399p : color illustrations.【Y741-TS-480】

本書は、2014年5月の石油リグHD-981事件について、中国によるHD-981設置当時の概況、南シナ海情勢に関するベトナム外務省の見解、石油リグHD-981による中国の違法掘削に関するベトナムの公式見解、中国がHD-981を問題の海域から移動させた後のベトナム及び各国の反応等についてまとめている。

編集、出版を行う文化情報出版社は、情報通信省下の国有企業であり、国内外の文化に関する資料の他、ベトナム及び共産党の業績、方針、政策に関する資料を刊行している。

3.5. Hà Nguyễn, 500 câu hỏi đáp về biển, đảo Việt Nam (ベトナムの海と島についての500の質問), Hà Nội : Nhà xuất bản Thông tấn, 2015, 401p : illustrations. 【Y741-TS-481】

本書は、ベトナムの海と島について、基礎知識、興味深い事実、法律上の問題に関する情報等を、500の一問一答形式で解説している。第8章「ベトナムの海洋戦略と海洋法」、第13章「1975年から2010年の、南沙、西沙諸島及び同海域におけるベトナムの主権の実現と保護に対する数か国による侵害」等、南シナ海問題に関する情報も含まれている。

出版者のVNA出版社は、ベトナムニュースエージェンシー下の出版社であり、政治、経済、国防から文化関係に至る幅広い分野の資料を刊行している。

(アジア情報課 緒方 佑衣)

[13] 2014年5月に、CNOOC(英語名:China National Offshore Oil Corporation. 中国語名:中国海洋石油総公司)が、南シナ海のパラセル(西沙)諸島から17マイルの地点(ベトナムは自国の排他的経済水域(EEZ)内であると主張)で、石油リグHD-981を稼働させたことを契機として、両国に緊張状態が続いたことを指す。

[14] Viện nghiên cứu Phát triển Kinh tế - Xã hội Đà Nẵng Website.
http://www.dised.danang.gov.vn/

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