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ガンジー、ホー・チ・ミンが履いていたサンダル(レファレンス事例紹介): アジア情報室通報第2巻第3号

アジア情報室通報 第2巻第3号(2004年9月)

アジア情報室に寄せられる質問の中には、単にデータベースを検索しただけでは回答がみつからず、実際にあらゆる資料にあたった上で、ようやく解決するものがあります。

今回はそんな事例の一つを紹介します。

「ガンジーやホー・チ・ミンはサンダルを履いていたと聞いているが、どのようなサンダルだったか詳しく知りたい」という問い合わせがありました。

まず当館のNDL‐OPAC で、履物や人名をキーワードに資料を探してみました。しかし、一般的な履物に関する資料や個人の伝記などはあっても、今回のような特定の人物のサンダルのみを扱った資料は見あたりません。人名・歴史事典や服飾事典、さらには国立民族学博物館の「服装・身装文化(コスチューム)データベース」(http: //www.minpaku.ac.jp/database/外部サイトへのリンク)などにもあたってみましたが、目当ての資料は見あたりませんでした。

そこで人物やその活動をとりあげた資料の中から、サンダルが掲載されている箇所を探すことにしました。

ガンジーに関する資料は数多く出てきますが、今回は写真・図版入り資料に絞って探すことにしました。

NDL-OPAC の「一般資料の検索(拡張)/申込み」を選択し、件名:「Gandhi Mohandas Karamchand」と資料形式:「H」(写真集)でかけあわせ検索してみます。

和図書の件名がどのような形になっているかは、「件名検索」で「個人名」にチェックを入れ、「ガンジー」などのキーワードで検索すると調べることができます。また、書誌拡張検索画面で「各種コード」の▼ボタンをクリック、「資料形式」を選択し、さらにその右にある「リストから選択」で「H写真集」を選ぶことで、写真入りの資料を絞ることができます。

このようにして検索された資料の中から『アショカ、ガンジー、ネルー展カタログ : ガンジー生誕125 周年記念』(東京富士美術館、1994.10、当館請求記号 K233-E16 東京本館所蔵)と『マハトマ・ガンジー』(みすず書房、1983.2、当館請求記号HB171-9 東京本館、関西館所蔵)を見てみると、ガンジーが履いていたサンダルの写真がありました。ガンジーは一般庶民が使用していた、どこにでもあるサンダルを履いていたとのこと。この2 点の資料には、遺品である、親指と人差し指で突起を挟むだけの「鼻棒の下駄」が載っています。なお、インドで一般的に使用されていた同様の下駄が『世界の木製はきもの』(日本はきもの博物館、1983.3、当館請求記号 G185-55 東京本館所蔵)に掲載されています。

アジア言語資料の中にも該当するものがないか、調べてみました。「ヒンディー語図書目録」(『アジア資料通報』 1999 年3 月)、「思想・宗教」の中で「port.」(肖像)と書いてある書誌を探したところ、『Mahatma Gandhi』(当館請求記号Y751S56 関西館所蔵)と『Javahararu Nehru』(当館請求記号 Y751-S98 関西館所蔵)がありました。ネルーはガンジーと関係がある人物なので、後者も候補とし、2 つの資料にあたってみたところ、両方にサンダルを履いたガンジーが歩いている写真がありました。

また、東京本館、関西館ともに電子ジャーナルを提供しています。その1つ、「ProQuest 5000」は全分野の雑誌・新聞記事の検索ができ、本文も収録されています。「Gandhi Mohandas Karamchand」というキーワードと、本文に写真がある場合の「全文+画像」というアイコン表示を手がかりに探したところ「Gandhi: Man of peace」という記事にサンダルを履いたガンジーの写真がありました。

ホー・チ・ミンについては、NDL-OPACの雑誌記事索引を検索してみたところ、『高崎経済大学論集』(当館請求記号 Z3-437 東京本館所蔵)の第30巻 第3・4 合併号と第31 巻 第1 号に「ホー・チ・ミンの指導者像に関する一考察--『ホーチミニティー』のドラマトゥルギー」という、白石昌也氏の論文があることが分かりました。この論文の第1 節「視覚的イメージ:古ぼけたカーキ色の服とゴム製のサンダル」には、ホー・チ・ミンが普段着のスタイルを選択したことについての分析をはじめ、タイヤ製のサンダルを履いていたこと、ガラス製のホー・チ・ミンの棺に、ゴム製サンダルが保存されていることなどが書かれています。

この論文の注にあった『正伝・ホー・チ・ミン』(毎日新聞社、1970、当館請求記号GK444-5 東京本館、関西館所蔵)を見たところ、サンダル履きの写真が何点か掲載されていました。ベトナム労働党機関紙『Nhân Dân』(当館請求記号 Y741-SN-5関西館所蔵)にも同様の写真が、数多く載せられています。

また、『ホー・チ・ミン :ベトナム解放の父』(弘文堂、1966、当館請求記号289.2-cH68Oh)には、1954年の秋、8年ぶりでジャングルから首都ハノイに戻ってきたホー・チ・ミンが抗戦靴を履いており、「だれかがぶんどってきた、敵の自動車のタイヤを靴底にし、両横に四本のゴムひもを通してサンダル風の靴を考案したが、これが抗戦靴の名でよばれるようになった」「ホー・チ・ミンは抗戦の指導者だったから、抗戦靴はホー・チ・ミン・サンダルともよばれた」と書かれています。

以上、資料の探し方の一例を紹介しましたが、当館の目録は、整理した年代や言語より適用規則の違いがあり、件名の形も和書と洋書で異なるため、同一のデータベースであっても、一つの検索方法で、すべての資料が検索できるわけではありません。

また、東京本館、あるいは関西館のみ所蔵という場合があるため、資料を実際に利用する際には、所蔵館にも注意が必要です。資料の調べ方や当館の利用方法、書誌の作成などについては、当館ホームページ(http://www.ndl.go.jp/)に掲載されています。

アジア関係資料の所蔵、検索ツールについては、アジア情報室のホームページで詳しく紹介しています。そちらも参考にしてください。

(アジア情報室ホームページURL;http://www.ndl.go.jp/jp/service/kansai/asia/index.html

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