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言葉に関する資料と情報-朝鮮語(レファレンスツール紹介6): アジア情報室通報第5巻第1号

アジア情報室通報 第5巻第1号(2007年3月)
田中福太郎

お隣の国である韓国・北朝鮮の言葉を調べる際に利用できる資料を、関西館アジア情報室では、日本発行のものをはじめ、当地で出版されているものも多く所蔵しています。ここでは、辞書を中心に、インターネットを通じて入手できる情報も含めてご紹介します。

(< >内は当館請求記号、タイトルがハングル表記の場合は( )内に日本語訳タイトルを併記。インターネットサイトの最終接続日は2007年2月2日。)

1.国語辞典-韓国

韓国からは数多く国語辞典が発行されていますが、主なものを以下で紹介します。

・『큰 사전』(大辞典)(을유문화사, 1957-1958) <032.91-cH23K>(東京本館所蔵)

ハングル学会編。日本植民地期から編集作業を始め、「朝鮮語学会事件」や朝鮮戦争などの困難を経て、全6巻で刊行されたものです。

・『우리말 큰 사전』(朝鮮語大辞典)(어문각, 1991-1992)

上記辞典に改訂作業を加え、現代語3巻、古語1巻で刊行されました。http://nlpweb.kaist.ac.kr/Urimal/外部サイトへのリンクでも検索可能です。

・『연세한국어사전』(延世韓国語辞典)(두산동아, 1998)

出現頻度の高い語を見出し語にあげています。http://dic.yonsei.ac.kr/外部サイトへのリンクでも検索可能です 。

・『표준 국어 대사전』(標準国語大辞典)(두산동아, 1998)

国立国語院(旧国立国語研究院)編纂の、現在のところ韓国最大の国語辞典です。現代の標準語、各地の方言、古語にいたるまで収録しています。
同院は文化観光部傘下の言語政策を担当する機関です。ハングルからローマ字への翻字規則の作成や言語の調査・研究を行うほか、1年間の国語政策や国語学研究の動向をまとめた『국어연감』(国語年鑑)を発刊しています。ホームページ(http://www.korean.go.kr/外部サイトへのリンク)では『標準国語大辞典』が検索できるほか、ハングル正書法などの語文規定、韓国語に対する質問・回答集など、韓国語に関するさまざまな資料が公開されています。

2.国語辞典-北朝鮮

北朝鮮で話されている言葉は、韓国で話されているものと基本的に同じです。ただ、北朝鮮の辞書には独特の表現や語彙が収録されているほか、見出し語の排列にも韓国とは違いが見られます。以下では、北朝鮮で出版された国語辞典を紹介します。

・『조선말사전』(朝鮮語辞典)(학우서방, 1968)

科学院言語文化研究所編纂。17万語収録されています。

・『조선문화어사전』(朝鮮文化語辞典) (사회과학 출판사, 1973)

平壌の言葉を標準語として編纂されたものです。

・『조선말대사전』(朝鮮語大辞典)(사회과학출판 사, 1992)

方言や古語も収録されています。

・『조선말사전』(朝鮮語辞典)(과학백과사전출판 사, 2004)

「先軍政治」など新たな見出し語が収録されています。

3.日本発行学習者向け辞典

主なものは以下の通りです。

・『朝鮮語辞典』(小学館, 1993)

11万語を収録しています。

・『ポケットプログレッシブ韓日・日韓辞典』(小学館, 2004)

上記辞典をコンパクトにし、かつ日韓辞典を付したものです。

・『コスモス朝和辞典』(第2版 白水社, 1991)
例文や巻末の文法解説が充実しています。
・『朝鮮語大辞典』(角川書店, 1986)

収録語数約21万語で、上・下・補巻があります。

・『韓国語文法辞典』(三修社, 2004)

『외국어로서의 한국어문법 사전』(外国語としての韓国語文法辞典)(연세대학교출판부, 1999) の翻訳です。助詞や語尾、接続詞、文末表現の解説に重点を置いています。
なお、日本で一般学習者向けに出版されている朝日辞典について、厳基珠「日本における朝鮮語辞典の現況」(『専修大学外国語教育論集』34(2006.3))で詳細な検討を行っています(http://www.han-lab.gr.jp/~cham/eom/sajeon2006.3.html外部サイトへのリンク)。

4.さまざまな辞典

以下では、韓国発行の辞書を中心にご紹介していきます。

1)朝鮮語とその他の言語対応辞典

英語、フランス語、中国語、ロシア語、モンゴル語などと朝鮮語との対訳辞書を所蔵しています。

2)漢字辞典

朝鮮漢字音を調べるときなどに使用します。引き方は日本の漢和辞典と同じく、部首・画数・漢字音などから検索します。主なものは以下の通りです。

・『敎學漢韓辭典』(敎學社, 2001)

中型の漢字辞典です。巻末に人名用漢字一覧があります。

・『漢韓大辭典』(檀國大學校出版部, 1999-)

檀国大学校東洋学研究所編。1999年より全15巻の予定で、現在9巻まで刊行されています。

・『韓國漢字語辭典』(檀國大學校出版部, 1992-1996)

全4巻。韓国固有漢字を含んでいます。

3)古語辞典

・『이두자료 읽기 사전』(吏読資料読み方辞典) (한양대학교출판부, 2001)

吏読とは漢字の音や訓を用いて朝鮮語を記したものです。この辞典では新羅から19世紀末までの吏読が調べられます。

・『李朝語辭典』(延世大學校出版部, 1964)

ハングル表記の古語が調べられます。これの改訂版といえるのが『우리말 큰 사전』古語編です。

・『17세기 국어 사전』(17世紀国語辞典)(太學社, 1995) KJ42-K34>

約2万の見出し語と約20万の例文が掲載されています。

4)外来語辞典

・『외래어 사전』(外来語辞典)(韓國校閱記者會, 1987)

ハングル表記の外来語から原綴りが調べられます。

・『최신외래어사전・외래어표기용례집』 (最新外 来語辞典・外来語表記用例集)(『국어 사전』(国語 辞典)(省安堂, 1998) 別冊)

アルファベット表記から、それに対応するハングル表記が調べられます。

5)方言辞典

各地の方言形から標準語が調べられます。朝鮮半島東北部の咸鏡北道、南東部の慶尚北道、南西部の全羅道などの方言辞典を所蔵しています。

6)逆引き辞典

・『우리말 역순 사전』(朝鮮語逆順辞典)(정음사, 1985)

単語の最後の字から引く辞典です。37491語収録されています。排列はハングル字母の逆順(ㅎ,ㅍ,ㅌ…)で、品詞別になっています。

7)発音辞典

・『표준 한국어 발음 대사전』(標準韓国語発音大 辞典)(語文閣, 1999)

現代ソウル方言を調査して編纂された辞典で、見出し語のあとに、ハングルと国際音声記号(IPA)による発音表記が付されています。また、発音を表したハングル表記から、正書法によるハングル表記が引ける「발음-올림말 사전」(発音-見出し語辞典)も付されています。

8)分類辞典

・『우리말 분류 사전』(朝鮮語分類辞典)(성안당, 1994)

生活場面を大きく9つに分けて、分類ごとに単語を収録しています。巻末にすべての見出し語の索引を付しています。

・『의미로 분류한 현대 한국어 학습사전』(意味で分類した現代韓国語学習辞典)(한국문화사, 2000)

43のカテゴリーに単語を分類して収録しています。

・『意味分類による韓国語・日本語学習辞典』(韓國文化社, 2001)

見出し語に日本語の対訳を付したものです。

9)分かち書き辞典

分かち書きとは、単語ごとに分けて記すことです。南北それぞれにおいて、その方法は決められています。韓国の規定に従って編纂された辞典として以下のものがあります。

・『띄어쓰기사전』(分かち書き辞典)(국어닷컴, 2004)
・『한글 띄어쓰기 큰 사전』(ハングル分かち書き大辞典)(휘닉스, 2004)

10)その他

・『국어 비속어 사전』(国語卑俗語辞典)(프리미 엄북스, 1999)

語感がよくないものや標準語ではない言葉で、開化期(19世紀末)以降の小説に登場する言葉が見出し語になっています。

・『單位語辭典』(民衆書林, 1998)

助数詞を調べられるものです。

・『현대시사용어사전』(現代時事用語辞典) (동아 일보사, 2000-)

時事用語・新語・造語など8,300語以上のほか、アルファベットの略語も収録されています。

5.日本語で解説のあるホームページ

日本語で朝鮮語について解説したホームページが、近年大変多く公開されています。例えば以下のようなものがあります。

・「かじりたてのハングル」(http://kajiritate-no-hangul.com/外部サイトへのリンク)

各種検定情報を網羅しています。

・「MEMORANDUM-コンピュータと朝鮮語のための覚え書き」(http://porocise.hp.infoseek.co.jp/index.html外部サイトへのリンク)

コンピュータで朝鮮語を扱う際の注意点についてまとめています。

・「ようこそ油谷研究室へ」(http://www1.doshisha.ac.jp/~yyutani/外部サイトへのリンク)

各種語学教材を公開しています。

・「趙義成の朝鮮語研究室」(http://www.tufs.ac.jp/ts/personal/choes/外部サイトへのリンク)

朝鮮語学習のポイントや朝鮮語の歴史、「朝鮮語学関係論文」データベースを公開しています。
なお、当室ホームページ内の「AsiaLinks-アジア関係リンク集」(http://www.ndl.go.jp/jp/service/ kansai/asia/link/asia_05link.html)では、ここで紹介した以外のサイトへもリンクが張ってあります。お役に立てば幸いです。

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