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中国の映画について調べる(レファレンスツール紹介16): アジア情報室通報 第7巻第3号

アジア情報室通報 第7巻第3号(2009年9月)
齊藤まや

中国で最初の映画『定軍山』が製作されたのは、1905年のことです。それから100周年を迎えた2005年には中国で多くの映画関係の書籍が出版されました。また、最近では中国の映画が国際的な映画賞を受賞することが増え、2008年には『赤壁』(邦題:『レッドクリフ』)が世界的なヒットを記録するなど、中国映画の国際化も進んでいます。今回は、中国語資料を中心に、中国の映画を調べるためのツールをご紹介します。

インターネットサイトの最終接続日は2009年7月29日です。< >内は当館請求記号、<( )>内は関西館請求記号です。特に記述のないものはすべて中国語資料です。

1.中国映画界の動向・ニュース

新しい情報を探すには、雑誌やインターネットサイトが有用です。

『中国电影年鉴 = China film yearbook』(中国电影出版社 年刊)

中国映画界の動向をまとめた年鑑です。その年に公開された中国、香港、台湾の映画の概要や映画評論、国内外の映画賞情報などを収録しています。映画産業の動向も掲載しており、たとえば2007年の中国国内における映画の興行収入が約33億元に上り、402本の映画(テレビ映画やアニメーションを除く)が製作されたことが分かります(2008年版による)。

『大众电影 = Popular cinema』(中国电影出版社 月2回刊行)

一般向けの中国映画雑誌で、話題の映画紹介や映画界のニュースなどを掲載しています。ホームページ「大众电影」(http://dzdy.qikan.com/)では、2001年以降刊行の号に掲載された記事のタイトルと本文の一部が閲覧可能です(全文閲覧には登録が必要)。

『电影艺术』(中国电影出版社 隔月刊)

中国映画業界の専門誌で、映画界の動向や人物紹介、映画評論、海外の動向などを掲載しています。

中国电影博物馆(http://www.cnfm.org.cn/index.shtml)

北京にある映画博物館のホームページです。展示品紹介や新作映画に関するニュースなどを掲載しています。

2.辞典類

『中国电影大辞典』(上海辞书出版社 1995)

約8,000項目を収録する辞典です。中国の映画監督、キャスト、スタッフなどの人名、代表的な映画作品のほか、映画制作会社、映画に関する事件、映画祭など、映画に関する項目も収録しています。人物については写真を掲載しています。巻末に拼音順の索引を付しています。

中国語資料としてほかに、『电影艺术词典』(中国电影出版社 2005)、『电影电视辞典』(四川科学技术出版社 1988)などがあります。

『Encyclopedia of Chinese Film』(Routledge 1998)<(KD1-P7)>

英語資料です。2部構成の辞典です。PartⅠでは'Chinese cinema''HongKong cinema'などテーマ別で映画の歴史を解説しています。PartⅡでは映画界の主要な人名、作品名、映画用語などをアルファベット順に排列し、解説しています。

3.作品の解説

特定の作品についての情報を探したい場合には以下の資料が有用です。

『百年中国电影精选』(中國社会科学出版社 2005)  全8巻

2004年までに中国で製作された6,000本以上の映画作品の中から、各年代を代表する映画約800本について紹介しています。キャストやスタッフなどの基本情報、写真やストーリー紹介のほか、映画の背景なども記載しています。

『中国百年艺术影片』(河北人民出版社 2005)

1905~2004年の100年間に中国で製作された映画6,841作品を収録しています。1905~1949年の作品については制作会社、キャスト、スタッフを収録。1949年以降の作品については、ストーリーも紹介しています。

『电影百年佳片赏析』(中国长安出版社 2005)  全2巻

中国映画史を代表する120本を収録しています。収録数は少ないですが、1本の映画につき、3~6ページを割いて解説を付しています。

『The Chinese filmography : the 2444 feature films produced by studios in the People's Republic of China from 1949 through 1995』(McFarland & Co. c1997)<(KD1-P3)>

英語資料です。2,444本の映画を収録しています。排列は英語タイトルのアルファベット順です。たとえば、『秋菊打官司』(邦題:『秋菊の物語』)は英語タイトル"The Story of Qiu Ju"で探します。

4.映画史

『中国映画の100年』(二玄社 2006)

日本語資料です。上海で最初に映画(フランス製実写フィルム)が上映された1896年から現在までの中国映画の歴史を、代表的な約120本の映画とともに紹介しています。巻末には五十音順の映画人索引を付しています。

『新中国电影史 = A history of Chinese cinema : 1949-2000』(湖南美术出版社 2002.11)

中国映画の歴史を概観し、映画の製作時の時代背景や各年代の映画の特徴を解説しており、代表的な映画の写真も多く掲載しています。巻末に映画界の重大な出来事をまとめた年表を付しています。

『中国电影文化史 = History of Chinese film culture : 1905-2004』(北京大学出版社 2005)

中国の映画史を文化的側面から解説しており、張芸謀(チャン・イーモウ)や王家衛(ウォン・カーウァイ)など、著名な中国人映画監督についても詳しく論述しています。巻末に人名・映画タイトル索引を付しています。

上海は1896年に中国で初めて映画が上映された場所であり、それ以降も中国映画文化の中心地でした。中国映画史を調べる際、上海映画史に関する以下の3点の資料も有用です。

『上海电影百年图志』(文匯出版社 2006)

『上海电影100年』(上海文化出版社 2007)

『上海電影志』(上海社会科学院出版社 1999)

中国电影百年(http://huodong.ndcnc.gov.cn/huodong/film/index.html#)

中国映画の歴史を紹介しているサイトです。中国の映画史について、年代を追って解説しています。「电影明星」では中国を代表する映画スターの写真やプロフィールを閲覧することができます。そのほか、映画監督や映画音楽についても紹介しています。

上海年华-电影记忆-(http://memoire.digilib.sh.cn/SHNH/index.htm)

上海図書館が作成しているサイトです。「中国影星录」では、1949年以前の映画スターの写真やプロフィールを閲覧できます。「中国电影期刊全目书志」では映画関連の雑誌を検索することができます。

5.香港映画

香港では、カンフーアクションを始め、中国本土とは異なる映画ジャンルが発展しました。近年では、 呉宇森(ジョン・ウー)など国際的に有名な映画監督を輩出しています。香港映画に関する資料には以下のようなものがあります。

香港电影图志 : 1913-1997 = Records of the Hong Kong cinema』(浙江摄影出版社 1998)

『圖説香港電影史 : 1920〜1970』(三聯書店 1997) 

上記2点はいずれも香港映画史の図録で、カラーのポスターやスチール写真を多く収録しています。古い年代の映画のポスターなどの画像も多く掲載しています。

『香港影片大全 = Hong Kong filmography』(香港電影資料館 1997-) 全6巻

香港映画のあらすじ、キャスト、スタッフなどを収録しています。当館では第二~五巻を所蔵しています。

資料としてほかに、『回顧香港電影三十年』(三聯書店 1989)などがあります。

6.台湾映画

台湾映画は1980年代以降の台湾ニューウェーブと呼ばれる映画など、独特の作品を生み出してきました。台湾映画に関する資料をご紹介します。

『台灣電影百年史話』(中華影評人協會 2004)  全2巻

1900年から2000年までの台湾映画の歴史を解説しています。全21章からなり、第1章は総論、第2~9章では5~15年ごとの年代区分で台湾映画界の動向を解説、第11~21章では「台湾映画教育」などのテーマ別で台湾映画史を解説しています。

『跨世紀台灣電影實録 = The chronicle of Taiwan cinema : 1898-2000』(行政院文化建設委員會, 國家電影資料館 2005)  全3巻

映画の公開や映画賞、映画界における出来事など、台湾映画の歴史を詳細な年表で紹介しています。映画に関するイベントが行われた日付とその内容も詳しく知ることができます。たとえば、下巻p.1167をみると、1994年9月1日に「第39屆亞太影展」(第39回アジア映画祭)が開催され、『飲食男女』(邦題:『恋人たちの食卓』)が最優秀作品に選ばれたことなどが分かります。

台灣電影資料庫(http://cinema.nccu.edu.tw/cinemaV2/

台湾の映画、映画関係の書籍、映画に関するニュースなどを検索することができるデータベースです。

7.その他の映画関係資料

今回ご紹介した資料は、当館で所蔵している中国映画関係資料のごく一部です。このほかにも、「武侠映画」や「戦争映画」など、特定ジャンルに限定した資料も多く所蔵しています。日本語および英語の資料はNDL-OPAC (https://ndlopac.ndl.go.jp/)で、中国語などアジア言語の資料についてはアジア言語OPAC (http://asiaopac.ndl.go.jp/)で探すことができます。その際、「中国」「映画(アジア言語OPACで中国語資料を検索するときは「电影」)」などのキーワードでタイトル検索するほか、アジア諸国の映画を表す分類記号「KD671」で検索すると、効率よく資料を絞り込むことができます。

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