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台湾の図書館が所蔵する1945年以前刊行の日本語資料(レファレンスツール紹介19): アジア情報室通報 第8巻第2号

アジア情報室通報 第8巻第2号(2010年6月)
湯野基生

戦前の台湾、朝鮮や旧満洲などで発行された日本語資料は、アジア経済研究所デジタルアーカイブ「近現代アジアのなかの日本」http://opac.ide.go.jp/asia_archive/index.html)としてまとめられているように、日本国内の所蔵機関での整理公開が進み、所蔵目録の検索や全文画像の閲覧が容易になっています。同様に台湾でも、大量に保存する当時の日本語資料のデジタル化が急速に進んでいます。以下では、台湾で所蔵する1945年以前刊行の日本語資料を調べるための所蔵目録や全文画像データベースについて、台湾の主要な所蔵機関を中心にご紹介します。

< >内は当館請求記号です。すべてのインターネットサイトの最終接続日は2010年6月3日です。

総合目録

まず、台湾各地の図書館における所蔵をまとめて調べるための総合目録をご紹介します。

「全國圖書書目資訊網」(http://nbinet2.ncl.edu.tw/

戦前期日本語資料に特化したものではありませんが、国立図書館や大学図書館を中心とする台湾全土の76の図書館の所蔵目録をまとめて検索できます。ただし、中央研究院や台南市立圖書館などのように、この目録収録対象外の図書館にも、戦前期の日本語資料を多数所蔵しているところがあります。

「日文舊籍臺灣文獻聯合目錄」(http://192.192.13.206/cgi-bin/gs/wgsweb.cgi?o=dccw

國立中央圖書館臺灣分館、中央研究院の各研究所図書館を含む20以上の機関が所蔵する1949年以前に刊行された日本語資料約44,000件を収録しています。「臺灣文獻」とあるように、主題が台湾に関係のある資料を対象としています。

主要な所蔵機関

1. 國立中央圖書館臺灣分館(http://www.ntl.edu.tw/)

台湾で最も主要な日本語資料の所蔵機関の一つで、約16万冊の戦前期日本語資料を所蔵しています。1914年創立の台湾総督府図書館を前身とし、終戦後に台北帝国大学の日本人教員の日本語蔵書約4万冊を購入しました。現在、台湾関係以外の資料を中心とする一部の資料を中央研究院に寄託しています。

同館の所蔵目録「書目資料庫」http://cis.ntl.edu.tw/F?RN=582075960)により戦前期日本語資料約5万件を検索できます。冊子体目録では『日文舊籍目録』(國立中央圖書館臺灣分館 1984)が台北帝大の日本人教員の旧蔵書を主とする日本語資料約1万件を、『館藏南洋資料目録 : 原南方資料館日文圖書』(國立中央圖書館臺湾分館 1994)が戦前期設立の「南方資料館」旧蔵の日本語資料6,338件をそれぞれ収録しています。この両目録に収録された日本語資料は現在多くが中央研究院臺灣史研究所に寄託されています。

また、同館は所蔵する戦前期日本語資料の大規模なデジタル化を行い、以下のデータベースとして公開しています。同館へ来館して登録すれば、以後来館せずに全文画像を閲覧できます。「日治時期圖書全文影像系統」http://stfb.ntl.edu.tw/cgi-bin/gs32/gsweb.cgi/)は図書、年鑑類約17,000件を収録しています。登録しなくても目次情報までは閲覧できます。「日治時期期刊全文影像系統」http://stfj.ntl.edu.tw/cgi-bin/gs32/gsweb.cgi/)は370種の雑誌を収録しています。雑誌記事単位での検索が可能で、記事件数は約28万件です。そのほか地図約750件を収録しています。

2. 臺灣大學圖書館(http://www.lib.ntu.edu.tw/

國立臺灣大學は1928年創立の台北帝国大学を前身とし、台湾や東南アジア関係の研究、調査報告や台湾総督府の出版物を中心とする豊富な日本語資料のコレクションを図書館に所蔵しています。

同館の所蔵目録「國立臺灣大學圖書館館藏目錄(TULIPS)」http://tulips.ntu.edu.tw/search*cht)では、戦前期の日本語資料約55,000件を検索できます。冊子体目録には『臺灣大學圖書館藏珍本東亞文獻目録. 日文臺灣資料篇』(國立臺灣大學出版中心 2005)があり、同館および各資料室に所蔵する1945年以前刊行の台湾に関する日本語資料(図書6,531種、雑誌219種、新聞23種)を収録しています。

同館による「深化臺灣研究核心文獻典藏數位化計畫」http://dtrap.lib.ntu.edu.tw/)では、台湾をフィールドとした人類学者伊能嘉矩(1867-1925)の手稿などの全文画像を公開しています。また、臺灣大學法律學院による「臺灣日治時期統計資料庫」http://tcsd.lib.ntu.edu.tw/)は、同館および國立中央圖書館臺灣分館所蔵の統計資料101種684冊の全文画像を公開しています。収録記事単位での検索が可能で、キーワード検索のほか、主題別、年代別などの絞りこみ検索もできます。

3. 中央研究院圖書館(http://aslib.sinica.edu.tw/

1928年の創立以来、中華民国最高の学術研究機関である中央研究院の各研究所図書館には、國立中央圖書館臺灣分館の寄託資料をはじめとする戦前期日本語資料を所蔵しています。

同院の所蔵目録「中研院圖書館館藏目錄」http://las.sinica.edu.tw:1085/*cht)では、約65,000件の戦前期の日本語資料を検索できます。

また、中央研究院臺灣史研究所の「臺灣歷史檔案資源網」http://ithda.ith.sinica.edu.tw/)で公開する「日治時期臺灣研究古籍資料庫查詢系統」は、台湾総督府図書館の旧蔵書を中心とする戦前期日本語資料(図書約2,400件、雑誌84件)を収録しています。登録することで全文を閲覧できます。

4. 國史館臺灣文獻館(http://www.th.gov.tw/

臺灣省文獻委員會を前身とする同館は、総督府文書や台湾拓殖会社などの関連資料を所蔵しています。総督府公文類纂については『台湾総督府文書目録』(ゆまに書房 1993-)が刊行されています。そのほか、多数の日本語資料を「日文圖書室」に所蔵しています。同館の所蔵目録「圖書線上查詢系統」http://163.29.208.35/webpac/)により、約5,700件の戦前期日本語資料を検索できます。

同館が所蔵するコレクションのうち「日治時期與光復初期檔案整合查詢系統」http://db1n.sinica.edu.tw/textdb/twhistBrowse/index.php)で「臺灣總督府檔案」「臺灣總督府專賣局檔案」などを検索できます。後者については全文画像も閲覧できます。また、台湾総督府の官報「臺灣總督府府報」もデジタル化されていて全文を閲覧できます。

5. 國立臺中圖書館(http://www.ntl.gov.tw/

1923年創立の台中州立図書館を前身とする国立図書館です。國立中央圖書館臺灣分館や臺灣大學圖書館に次ぐ規模の約23,000冊の戦前期日本語資料を所蔵しています。「日文舊籍館藏目錄」http://www.ntl.gov.tw/Public/Digitize/2007911103387055.pdf)に約17,000件の戦前期日本語資料を収録しています。

同館作成のデータベース「日文舊籍數位典藏資料庫檢索系統」http://jdlib.ntl.gov.tw/)は、同館および國立臺北教育大學所蔵の戦前期日本語資料2,624件について、全文画像を閲覧できます。

6. 台南市立圖書館(http://www.tnml.tn.edu.tw/

1919年に台湾第2の公共図書館として創設された同館では、1945年までの間に約17,800冊の日本語資料を収集しています。「日文舊籍館藏清單」http://www.tnml.tn.edu.tw/book_search_3.htm)に約13,500件の戦前期日本語資料を収録しています。

そのうちの2,194件は、國家圖書館による台湾関係のデータベースを集めた「臺灣記憶」http://memory.ncl.edu.tw/)に「台南市立圖書館館藏日文舊籍」として収録しています。目次情報を閲覧できますが、全文画像は館内でのみ閲覧できます。なお「臺灣記憶」にはほかに國家圖書館所蔵の602件を収録した「館藏日治時期出版圖書目錄」もあります。

7. 國立臺北教育大學圖書館(http://www.lib.ntue.edu.tw/

1896年に芝山巖學堂として創設された同大学は、臺灣總督府國語學校、國立臺北師範學院などの名称を経て現在に至ります。所蔵する戦前期日本語資料は約15,000冊で、教科書コレクションが特色です。

同館の所蔵目録「館藏目錄查詢」http://aleph18.lib.ntue.edu.tw/)により戦前期日本語資料を検索できます。中田敏夫「国立台北師範学院蔵戦前国語(日本語)教育関係文献目録」(『国語国文学報』56 1998年 pp.72-64)(http://repository.aichi-edu.ac.jp/dspace/bitstream/10424/714/1/kokugokokubun567264.pdf)、同「国立台北師範学院蔵日文図書の歴史 附同学院蔵戦前台湾関係文献目録」(『国語国文学報』57 1999年 pp.88-68)(http://repository.aichi-edu.ac.jp/dspace/bitstream/10424/715/1/kokugokokubun578868.pdf)にも目録を掲載しています。

また、同館蔵書のうち約300件は國立臺中圖書館の「日文舊籍數位典藏資料庫檢索系統」http://jdlib.ntl.gov.tw/)で全文画像を閲覧できます。

その他の全文画像データベース

台湾の仏教研究機関である法鼓佛教學院http://www.ddbc.edu.tw/zh/)は、充実した仏教関係のデータベースを構築しています。そのうち「日據時期臺灣佛教資料」http://buddhistinformatics.ddbc.edu.tw/taiwanbuddhism/tb/)では、以下の仏教関係の戦前期日本語資料の全文画像を閲覧できます。

「南瀛佛教會會報」http://buddhistinformatics.ddbc.edu.tw/taiwanbuddhism/tb/ny_new.html)では、植民地期台湾の主要な仏教団体の機関誌『南瀛佛教會會報』(のち『臺灣佛教』と改題)のほぼ全号を収録しています。「台中佛教會館・圓光佛學院館藏」http://buddhistinformatics.ddbc.edu.tw/taiwanbuddhism/tb/collections.html)では、両館所蔵の戦前期日本語資料(図書約150種、雑誌約100種)を収録しています。


このほかにも、台湾各地の大学や研究機関で日本語資料のデジタル化が進められています。それらの成果は「數位典藏與數位學習成果入口網」http://digitalarchives.tw/)から検索することができます。

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