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平成22年度アジア情報関係機関懇談会概要報告: アジア情報室通報 第9巻第2号

アジア情報室通報 第9巻第2号(2011年6月)
阿部健太郎

平成23年3月11日(金)に国立国会図書館関西館においてアジア情報関係機関との懇談会を実施した。第10回目の開催となる今回は、「当館アジア情報関連サービスの国内主要関係機関における利用実態と今後の課題」をテーマに、報告および懇談をおこなった。概要を以下に紹介する。

1 当館からの報告

まず当館から、アジア情報関連サービスの現況について、および日中韓電子図書館イニシアチブについて、それぞれ報告した。

「国立国会図書館のアジア情報関連サービスの現況と最近の新たな動き」

まずはじめに、関西館アジア情報室の蔵書の概況、アジア言語資料の収集状況、次期業務基盤システム、利用者サービス、研修事業、職員在外研究など、国立国会図書館関西館アジア情報課の業務概況について報告した。平成24年1月、次期業務基盤システムが稼働し、アジア言語OPACがNDL-OPACに統合される予定であること、平成22年9月から11月までの約6週間、職員がトルコ語研修及びトルコ図書館事情調査をおこなってきたことなどを中心に、今年度の活動報告をおこなった。

次に、国立国会図書館サーチ(http://iss.ndl.go.jp)の多言語対応・翻訳機能について報告した。国立国会図書館サーチとは、当館の蔵書のほか、都道府県立・政令指定都市立図書館の蔵書や国立国会図書館デジタルアーカイブポータル(PORTA)のデジタル情報も検索可能な、当館の新しい検索サービスである。まだ開発版で、本格稼働は、次期業務基盤システムの稼働と同じ平成24年1月を予定している。英語・中国語・韓国語版画面が公開され、翻訳機能が充実したことや、日中韓機械翻訳機能について、詳細に説明した。

「日中韓電子図書館イニシアチブ(CJKDLI)」

日中韓電子図書館イニシアチブの経緯、目的、組織、主な協力の領域などについて報告した。同イニシアチブは、当館からの提案に始まり、韓国国立中央図書館が「アジアデジタル情報ポータル」提案書を提示、3か国がそれぞれ協定案を提示し、内容を調整した結果合意、協定の締結に至った。目的は、電子図書館の発展の促進および連携の強化、インターネット上の3か国の文化・学術遺産へのアクセスを容易にすること、アジアの文化的多様性を促進することなどである。組織は、プロジェクトの最高機関であるプロジェクト委員会が意思決定及びワーキング・グループ(WG)の設置・廃止をおこない、そのもとに総合WG、技術WG、資源WGの3つがある。3館は、メタデータ・スキーマの標準化、ポータルの統合および電子情報への長期のアクセスを可能にするための開発のほか、各ポータルの相互運用性の向上などにおいて、協力する。

2 事前アンケートの集計結果

今回は、参加機関に対し当館アジア情報関連サービスの利用状況等についての事前アンケートをおこない、その集計結果を当館が報告、それをもとに意見交換をおこなった。事前アンケートにご回答いただいた参加機関は、以下の13機関である。

五十音順)アジア図書館、大阪大学外国学図書館、大阪府立中央図書館、九州大学附属図書館、京都大学人文科学研究所、京都大学東南アジア研究所、慶應義塾大学三田メディアセンター、国際交流基金関西国際センター、東京外国語大学附属図書館、東京大学東洋文化研究所、東京都立中央図書館、東洋文庫、日本貿易振興機構アジア経済研究所図書館

まず当館から、懇談会の開催趣旨と事前アンケート実施について説明し、集計結果を報告した。総じて、AsiaLinksや調べ方案内など、ホームページのコンテンツの利用度・満足度が高く、遠隔複写サービスや資料の図書館間貸出、文書レファレンスなどの利用者サービスの利用度が低かった。その理由として、ホームページのコンテンツがレファレンスに有用であること、これらの利用者サービスの各機関への依頼が少ないこと、また各機関である程度その依頼に応えられること、といったものが挙げられた。そのほか、アジア言語OPACについては、NDL-OPACと統合検索ができないことによる不便、『アジア情報室通報』については、冊子体を利用することが多いなどの状況が報告された。研修については、より入門的な講義内容や、東京での開催を望む意見などが寄せられた。

3 懇談・意見交換

次期OPACにおける資料の言語を指定した検索の方法、次期OPACと国立国会図書館サーチとの関係などについて質問が相次ぐなど、次期OPACへの関心が高かった。

また、各機関が所蔵していない資料の当館での収集を望む意見や、アジア情報研修の開催時期を考慮してほしいという意見が寄せられた。

その他、リンク集やレファレンスなど、各機関が実施している利用者サービスの紹介、他機関との利用者サービスの連携などについて意見交換した。

おわりに

とくに研修や蔵書構築に関して、当館に対する要望が多かった。各機関のニーズを把握することができ、当館の今後のサービス改善に大変参考になるご意見をいただくことができた。これらのご意見をぜひ生かしていきたい。

参加いただいた各機関および事前アンケートにご回答いただいた各機関には、この場を借りて改めてお礼を申し上げる。

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