はじめに
平成一三年度に開始した上海新華書店旧蔵書の遡及入力が一七年度末で一部を除きすべて終了した。 一四万三三八件一五万八〇三冊について、 遡及入力データをアジア言語ОPACに搭載し、 資料の検索と利用が可能になった。 一五万冊のデータ数はアジア言語ОPAC搭載の関西館アジア情報課所管中国語図書全体の約七割を占めている (四六ページ 「関西館の資料紹介」 参照)。
このコレクションは、 平成八年度から九年度にかけて購入したもので、 上海新華書店が保管していた中国書の見本約一七万冊からなる。 一九三〇年代から九〇年代初めまでの上海を中心とする華東地区の出版物を多く含み、 内容は、 文芸書、 マルクス・エンゲルス、 レーニン、 毛沢東などの著作集、 啓蒙書、 実用書、 古典、 連環画など多岐にわたる。
上海新華書店とその沿革、 コレクションの蔵書構成については、 すでに本誌第五〇四号 (二〇〇三年三月) で紹介しているので、 ここでは遡及入力の作業工程、 入力データ項目、 利用提供について述べたい。
作業工程
遡及入力を開始した平成一三年度は、 約一万五千冊を整理したが、 初年度ということで、 まずは資料の状態により入力の優先順位を決めることにした。 資料はダンボール箱で二、一三七箱あり、 箱には暫置されていた倉庫の場所により大阪№一~九五七、 横浜№一~一一八〇の箱番号が付されている。 購入と同時に納品された電子データとその打出しリストには、 簡易な書誌と箱ごとの通し番号が記載されており、 この箱番号が現物 (資料) とデータを照合する際の手がかりとなる。 作業はまず箱から取り出した資料をリストと照合し、 整理可能なもの、 破損本、 綫装本、 洋書、 逐次刊行物、 児童書、 現物はあるがデータがないもの、 データはあるが現物がないものに分けることから始めた。
資料の保存状態は同じ箱の中でもさまざまだったが、 ここではまず整理可能なものを多く含む箱を優先して抽出することにした。 保管場所は空調の行き届かない東京本館地下一階の倉庫で、 二千箱を収容するには狭く、 積み上げたダンボール箱を開梱しては積み直す作業を、 選定作業中は何度も繰り返すことになった。
翌一四年度は約三万冊を準備し、 これを整理した。 この年は一〇月に関西館開館を控えていたので、 東京本館から関西館に資料を移送し、 また同時に、 多言語対応図書館システムのアジア言語ОPACを導入した。 別途カード目録から遡及入力していた既存の中国語・朝鮮語資料の書誌データに、 前年度入力した上海新華書店旧蔵書約一万五千冊の書誌データを加えアジア言語ОPACに搭載し、 インターネットでの検索を可能にした。 アジア情報室開室と同時にアジア言語ОPACの利用提供を開始した。
その後、 前年度整理分の書誌データをアジア言語ОPACに搭載するとともに、 別途一五年度は約四万冊、 一六年度は約五万五千冊を整理、 そして一七年度に保存状態の良くない資料を補修、 または保存箱に入れる作業をした上で、 それら約一万冊を整理し、 データを搭載した。
入力データ項目
データ入力は外部委託により、 当館が提供する電子的な簡易書誌データを元に、 現物と照合し、 データの修正および新規作成を行った。 データ項目は〈タイトルおよび責任表示〉〈本タイトルのピンイン読み〉〈巻次・年次〉〈出版地〉〈出版者〉〈出版年〉〈ページ数〉〈大きさ〉〈叢書名〉〈請求記号〉の一〇項目である。
タイトルの読みについては〈本タイトルのピンイン読み〉のみを付与している。 当館の他の中国語書誌データに必須である 「日本語読み」 はなく、 また 「日本語読み」 の分かちを反映した漢字の分かち (漢字形キーワードの切り分け) もしていない。 漢字形キーワードの生成はシステムの自動付与によるため単語単位で区切られていないことが多い。
〈請求記号〉の 「ⅩP」 は 「上海新華書店旧蔵書」 を表す当館の分類記号で、 続くA~Dは大きさを表している。 Aは小型 (縦二〇㎝未満)、 Bは中型 (縦二〇㎝以上二七㎝未満)、 Cは大型 (縦二七㎝以上三二㎝未満)、 Dは規格外 (縦三二㎝以上または横二四㎝以上の資料) である。
主題分析はしておらず、 また、 著者名典拠についても作成していないため、 前述のキーワードの問題もあわせ、 アクセスポイントは他の中国語書誌データに比べて少なくなっており、 検索には注意を要する。
利用提供
請求記号 「XP」 が付与された上海新華書店旧蔵書については、 関西館アジア情報室で利用できる。 東京での取り寄せ利用も可能であるが、 一部、 破損・劣化が激しく移送に耐えないため取り寄せに応じられない資料もある。
一七万冊の残り約二万冊には、 綫装本約四千冊、 逐次刊行物約五千冊、 中国語以外の図書約六百冊のほかに、 児童書約八千冊が含まれており、 今後の作業を予定している。
このうち児童書については、 すでに約二千冊を国際子ども図書館に移管し、 同館で整理を終え、 利用に供している。 書誌データはアジア言語OPACに搭載され、 検索できる。 残り約六千冊について近日中の移管を予定している。







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