農業団体統合法案要綱

昭和17年?月?日 閣議決定

収載資料:産業組合発達史 第5巻 産業組合史編纂会編 産業組合史刊行会 1966.6 pp.426-428 当館請求記号:335.6-Sa594

第一 本法により設立する農業団体は中央農業会、全国農業経済会、道府県農業会及び市町村農業会とすること
第二 目的及事業。農業団体は農業に関する国策の協力機関とし、中央農業会は農業の整備発達を図るため、必要なる指導事業を全国農業経済会は経済事業を行ひ、道府県農業会及市町村農業会は指導事業及経済事業を併せ行ふものとすること
第三 組織
(一)団体は農会、産業組合、畜産組合、養蚕業組合、茶業組合の各系統団体を統合整備して組織すること、但し特殊団体はこれを除くこと。
(二)団体の区域は原則として、全国、道府県または市町村区域によること
(三)中央農業会は道府県農業会及全国農業経済会を以て、全国農業経済会は道府県農業会及市町村農業会を以て、道府県農業会は、その地区内の市町村農業会を以て、市町村農業会は農業者を以て組織すること。
(四)道府県農業会は原則として、郡または特別なる市の区域に支部を設置することを得るものとすること
(五)団体は原則として当然加入すること
第四 経理
中央農業会は経費団体、全国農業経済会は出資団体とし、道府県農業会及市町村農業会は経費及出資の両制度を併せ採り得るものとすること
第五 機関
(一)団体の役員は原則として当該団体の推せんしたる者につき行政官庁之を任命し、又は認可する制度を採ること
(二)団体に総会又は之に代るべき総代会を置くこと
中央農業会の総会は諮問機関とし、其の他の団体の総会又は総代会は議決機関とすること
第六 監督
行政官庁は農業の特質及団体の使命に鑑み事業等の施行命令役員の解任、業務の停止解散等の命令、会員以外の者に対する農業統制施設の服従命令、協力命令、その他必要なる指導監督を行い、もってその適正なる運営をなさしむるに遺憾なきを期すること
第七 その他
(一)本法施行に関し、必要なる罰則の規定及既存諸団体を農業団体とするに必要なる規定等を設けること
(二)農業団体の統合に伴い関係法律の必要なる改正等をなすこと