農地調整法の一部を改正する法律案要綱

昭和21年8月1日 閣議決定

収載資料:農地改革資料集成 第3巻 農地改革資料編纂委員会編 農政調査会 1975 p.232 当館請求記号:DM125-17

第一 農地の賃貸借の合意解約も市町村農地委員会の承認(当分の間は都道府県知事の許可)を要することを明瞭にし且つ都道府県知事が許可をする場合は、都道府県農地委員会の意見を聴くことを要すること(第九条及附則第五条)。
第二 小作料の金納化を徹底するため、代物弁済の規定を削除すること(第九条ノ二第一項但書削除)。
第三 新憲法の施行に伴う民法の応急的措置に関する法律に対応して戸主又は家族の称呼を親族又はその配偶者に改めること(第十五条ノ二及第十五条ノ三改正)。
第四 都道府県農地委員会の選任委員は、五人以内とし、互選による総委員の同意がある場合に限つて農林大臣がこれを選任すること(第十五条ノ十五及第十五条ノ十六改正)。
第五 都道府県農地委員会の委員の選挙は、市町村農地委員会の委員の互選でなく直接選挙とすること(第十五条ノ十四第三項削除、第十五条ノ十六改正)。
第六 都道府県農地委員会又は市町村農地委員会の議決が法令に違反し又は著しく不当と認められるときは、地方長官は、これを再議に付することができること。再議の結果が尚法令に違反し又は著しく不当と認められるときは、地方長官は中央農地委員会、都道府県農地委員会にその議決の取消を請求することができること(第十五条ノ十七)。
第七 昭和二十年十一月二十三日以後における不当な土地取上について旧小作人の請求により市町村農地委員会が救済することができること(附則第二条乃至第四条)。