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昭和21年度第4四半期基礎物資需給計画策定並に実施要領

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第17巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1981 pp.317-319 当館請求記号:DG15-19
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昭和21年度第4四半期基礎物資需給計画策定並に実施要領
昭和21年12月27日 閣議決定

一、国内経済諸般の情勢を考慮し、今期第四・四半期の物資需給計画の策定並に遂行を以て、日本経済再建への決定的なる転機とし、経済危機突破のために重大な施策転換を断行するものとする。尚今第四・四半期に於て遂行する諸施策の基本的方向は当分之を継統実施する。
二、国内施策の一切を石炭の増産に集中する。
これが為に石炭の増産に必要なる所要物資は一括最優先的に之を確保する。
三、次に進駐軍用物資は優先的に之を確保する。
四、鉄道輸送に関しては貨物輸送の枠は最低十二月上旬に於ける実績程度の列車粁数を確保するも不要不急の貨物は強力に之を削除の上、重点的計画輸送の徹底を図り、米石炭等は完全に之を輸送する。
旅客に関しては復員及進駐軍専用列車を除き特に一月に於て強度の旅客輸送制限を行ひ、之が為通勤、通学をも相当規正する。但し予定以上に現実に石炭の余裕を生じた際は最優先に鉄道に次に肥料部門に増配する。
五、石炭の配分に関しては石炭の増産に必要なる諸資材の確保を最重点に施行し次に進駐軍用資材を確保するを主眼とする。尚二二年度石炭三、〇〇〇万屯を確保するため一月に於てその所要資材(特に鉄鋼)を繰上げ確保し得る様に措置し且つ化学肥料、電力、重要輸出産業等の基本産業は極力之を保持するに努める。
六、鉄鋼、セメント等基礎資材の配分に関しては可及的に以上の趣旨の徹底に努めると共に鉄道、電力、重要港湾、通信、化学肥料、林産の保持に重点を指向する。
七、右に伴い国民生活は日本経済再建のため当分更に窮乏の生活を耐え忍ばなければならないが、食糧等基本的生活物資の確保についてはその万全を期する。
八、以上の重点配給の結果、官需等を除き他の一般産業に対する石炭以外の物資の割当は極めて僅少になるので経済安定本部に於て現実に即し適時有効に配当する。
九、産業部門内の各企業間に於ても徹底的な重点配当主義を採用する。
一〇、重点主義の実施による犠牲企業に対しては国家補償は行はないが之による過剰労務者に付ては就職の斡旋、生活の保障等特別の措置を講ずる。
一一、第四・四半期の配炭計画は一応別紙の通り定むるも右枠外に石炭の緊急増産を図る為一月及二月を限り速急に左の措置を講じ計画出炭量の確保の外特に北海道及九州に於て毎月最低十万屯の増産を実現する。
(一)労働組合側と折衝し(左の優遇条件を以て暫定的に所定作業時間を延長し)計画量の完遂と右特別増産十万屯の実現を期する。
(イ)(給与を改善する。)
(ロ)賃銀中の新円払部分の増額に付ては十二月二十日附閣議決定「炭鉱労務者に対する住宅の建設促進及賃銀の新円払に関する件」の措置による。
(ハ)主食は米麦のみとし中央直轄の優先配給を一段と強化し絶対に遅配しない。
(ニ)坑内労務者に対し出稼一日に付現場給食(米一合相当のパン食)の追加を断行する。
(ホ)特配酒及煙草を増配し増産に報いる。
(ヘ)早急に衣料、石鹸、縫糸、殺虫用DDTを炭鉱に放出する。
(二)坑木其他炭鉱向資材輸送を確実に実行する様末端に徹底せしめること。
(三)貨車及船繰り計画を適時適切ならしめ苟も生産阻害の原因とならぬ様特別に措置すること。
一二、以上の今第四・四半期基礎物資需給計画の遂行に際し之と併行して本計画の趣旨達成を確保する為の総合的各種諸施策を急速に実施するものとする。
(備考)
(1)四、二項但書の適用は左に依ること。
明年一月二十日頃の情勢にもとづぎ再検討を加へ、鉄道用炭及肥料用炭につき所要の増配を行ふこと。
(2)本件に関連し関係各庁に於て公表等を行ふ場合に於ては予め経済安定本部に連絡すること。

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