石炭鉱業離職者に対する応急措置について

昭和34年9月15日 閣議了解

収載資料:外務省公開外交記録(マイクロフィルム) 当館請求記号:憲政資料室請求記号:GAI-1 No. J'0052

石炭鉱業合理化臨時措置法の実施に伴う離職者の対策については、本年二月二十七日閣議了解による「石炭鉱業の合理化に伴う失業対策について」および四月二十三日事務次官会議申合せによる「失業者多発地域における公共事業等による失業者吸収対策について」に基づき措置してきたが、その後の関係地域における失業情勢はさらに悪化の度を加えつつある状況にかんがみ、とりあえず本年度下期において左記の応急措置を追加して講ずることより、離職者の当面の生活安定に資するものとする。
なお今後における石炭鉱業合理化の進展に伴う恒久的な離職者対策については、別途早急に検討の上その措置を決定するものとする。

一、関係地域における離職者の雇用吸収を促進するため、鉱害復旧事業の追加施行を行う。
二、公共事業等による離職者の吸収をさらに高めるよう行政指導を強化する。
三、職業紹介、とくに広域職業紹介の機能を強化して離職者の就職あつ旋に一段の努力を払う。
四、離職者のための特別職業訓練を実施して、就職の促進をはかる。
五、以上の措置と併行して、失業対策の重点的かつ弾力的運営をはかり、離職者の雇用吸収にいかんなきを期する。
備 考
(一)以上の措置の実施に必要な経費については別紙(一)のとおり予備費より支出するものとする。
(二)本応急措置の実施に伴う離職者の吸収目標は概ね別表(二)のとおりとする。
別表(一)
石炭鉱業離職者に対する応急措置に伴う予備費支出の内訳
一、鉱害復旧事業
二、広域職業紹介
三、特別職業訓練

別表(二)
石炭鉱業離職者に対する応急措置による対象人員数(本年度下期一日平均)
一、鉱害復旧事業    二、五〇〇人
二、広域職業紹介    二、〇〇〇人
三、特別職業訓練    七〇〇人
計       五、二〇〇人
備考
右のほか公共事業等による吸収強化、失業対策事業の弾力的運営により相当数の雇用吸収をはかるものとする。