有機化合物について調べる

ここでは、有機化合物や有機金属化合物について、物質ごとに性質、各種データや合成法などを掲載している参考図書・データ集やその探し方を紹介します。
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『資料名』(書誌情報)*は目次・索引が画面下方にある資料です。スクロールしてご覧ください。

1. 参考図書・データ集

  • 『化合物の辞典』(普及版 朝倉書店 2010.4 【PA2-J37】)*

  • 『化合物の辞典』(朝倉書店 1997.11 【PA2-G31】)*
    無機および有機化合物について物性データなどの基礎的な情報を掲載した辞典です。化学を専門としない人を対象に、簡潔に説明されています。巻末に和文索引と欧文索引があります。

  • 『有機化合物辞典』(講談社 1985.11 【PA2-181】)(国立国会図書館デジタルコレクション:国立国会図書館内限定
    約8,000件の有機化合物のデータを掲載した辞典です。化合物名、物性データ(融点、沸点など)、製法などが掲載されています。巻末に索引があり、英語名、CA名、商品名、略号から検索することができます。

  • 『錯体化合物事典 = Encyclopedia of Coordination Compounds』(錯体化学会編集 朝倉書店 2019.9 【PA2-M3】)
    主な金属錯体1,000個について、無機金属錯体、有機金属錯体、クラスター錯体、高分子錯体などに分類し、その名称・調製法・構造・性質・機能・関連物質などを参考文献とともに記載した資料です。

  • 『有機金属化学事典 : 遷移金属』(朝倉書店 1996.1 【PA325-G1】)*
    有機金属化合物とその関連分野について、物質の合成法を中心に、物性データ、反応などに関する情報を詳しく解説した資料です。巻末に日本語索引と化学式索引があります。
    なお、本書は下記"Comprehensive organometallic chemistry : the synthesis, reactions, and structures of organometallic compounds"(1st ed. Pergamon Press 1982 【PA325-212】)の遷移金属に関する部分の邦訳版です。

  • "Dictionary of organic compounds"(6th ed. Chapman and Hall 1996-1998 【PA2-A119】)
    有機化合物の基本的な性質やデータを掲載した全11巻の事典です。化合物名、化学式、物性データ、危険性データ、参考文献などのほか、立体異性体や誘導体の情報も掲載されています。第7巻が名称索引、第8巻が化学式索引、第9巻がCAS番号索引です。第10巻、第11巻は追補(supplement)です。

  • "Dictionary of natural products"(Chapman & Hall 1994- 【PA2-B71】)
    有機化合物を含む天然物の基本的な性質やデータについて、物質名称のアルファベット順に掲載した全11巻の事典です。天然物名、構造、物性データ、危険性、参考文献などのほか、立体異性体や誘導体の情報が掲載されています。第6巻にアルファベット順名称、化学式、CAS番号の索引が、第7巻に化合物の種類、化学種の索引があります。第8巻から第10巻は追補(supplement)です。

  • "Dictionary of common names"(2nd, extensively enl. ed. Wiley-VCH 2001 【PA2-A144】)
    慣用名から有機化合物を引くことができる全5巻の事典です。約4万件の物質について、英独の化合物名、化学式、立体化学情報、参考文献などが掲載されています。第5巻にアルファベット順索引があります。

  • "Handbook of physical-chemical properties and environmental fate for organic chemicals"(2nd ed. CRC/Taylor & Francis 2006 【NA2-B10】)
    約1,250件の有機化合物の物理化学的性質や環境動態(生物濃縮係数など)を掲載した全4巻の資料です。図表が豊富に掲載されています。第4巻の巻末に記号と略号のリスト、アルファベット順名称索引、CAS番号索引があります。

  • "Dictionary of organometallic compounds"(2nd ed. Chapman and Hall 1995- 【PA2-A117】)
    有機金属化合物に関する全6巻の事典です。本文は金属元素のアルファベット順に章立てされ、化合物ごとに項目立てされています。各章の始めに、その章の金属元素の性質やデータなどがまとめられています。その後に、各化合物の化学式、名称、構造、合成法、用途、物性データ、参考文献などが掲載されています。第5巻が合成試薬、分子式、CAS番号の索引です。第6巻は追補(supplement)です。

  • "Comprehensive organometallic chemistry : the synthesis, reactions, and structures of organometallic compounds"(Pergamon Press 1982 【PA325-212】)
    ※下記の解題では、便宜上[I]と表記します。

  • "Comprehensive organometallic chemistry II : a review of the literature 1982-1994"(Pergamon 1995 【PA325-A102】)

  • "Comprehensive organometallic chemistry III"(Elsevier 2007 【PA325-B26】)
    有機金属化合物とその関連分野について、物質の合成法を中心に、物性データ、反応性、用途などに関する情報を詳しく解説した資料です。それぞれ、Iが全9巻(第9巻が主題、分子式、著者、構造、出版物の索引。)、IIが全14巻(第13巻が構造の索引、第14巻が分子式、主題の索引。)、IIIが全13巻(第13巻が主題索引。)あります。

  • "Comprehensive heterocyclic chemistry : the structure, reactions, synthesis, and uses of heterocyclic compounds"(Pergamon Press 1984 【PA325-A22】)
    ※下記の解題では、便宜上[I]と表記します。

  • "Comprehensive heterocyclic chemistry II : a review of the literature 1982-1995 : the structure, reactions, synthesis, and uses of heterocyclic compounds"(Pergamon 1996 【PA325-A103】)

  • "Comprehensive heterocyclic chemistry III : a review of the literature 1995-2007"(Elsevier 2008 【PA325-B29】)
    複素環式化合物について網羅的に解説した資料です。構造、反応、合成、用途などに関する情報が掲載されています。[I]が全8巻(1982年まで。第8巻がデータ、著者名、主題、環の各索引)、IIが全11巻(1982年から1995年。第10巻が著者名、環の各索引、第11巻が主題索引。)、IIIが全15巻(1996年から2007年。第15巻が主題索引。)です。

2. 抄録集・データベース

  • "Chemical Abstracts"(Chemical Abstracts Service 1907-2009 【Z53-A495】)
    米国化学会(American Chemical Society: ACS)の下部組織であるChemical Abstracts Service(CAS)が発行する、化学関係の代表的な抄録誌・抄録データベースです。収録対象範囲は広義の化学・化学工学分野で、有機化学・生化学・高分子化学などの関連分野も含んでいます。著者、キーワード、特許番号、化学物質、分子式の索引があります。
  • Reaxys外部サイト(当館契約データベース:館内限定)
    物質名、CAS番号(Chemical Abstracts Serviceが付与する化学物質の識別番号)、構造式などから、物性データ、薬物類似性、スペクトル、反応などを調べることができます。
  • Springer Materials外部サイト(当館契約データベース:館内限定)
    "Landolt-Bornstein"などのデータを収録した物性情報データベースです。物質名や構造式などから、物性値や状態図などを調べることができます。

3. 国立国会図書館サーチで検索するには

ここに紹介する以外の資料は、国立国会図書館サーチで検索できます。タイトルや編者・出版者名に含まれるキーワードから探してください。
科学技術振興機構が提供するJ-GLOBAL外部サイトにて別名や同義語を調べ、キーワードを広げることも有用です。

国立国会図書館サーチの検索結果を所蔵場所「科学技術・経済情報室」で絞り込むと、科学技術・経済情報室で開架している参考図書類を検索できます。

ここでは、国立国会図書館分類表(NDLC)による分類や国立国会図書館件名標目表(NDLSH)による件名から検索する代表的な方法を紹介します。

分類

以下のような分類記号に、キーワードとして「有機化合物」、「有機金属化合物」、「有機合成」などを掛け合わせて検索します。

  • 化学・化学工業(辞典・便覧類) PA2
  • 有機化学一般 PA312
  • 実験・合成・分析 PA322
  • 有機化合物 PA325

件名

「有機化合物」、「有機金属化合物」、「有機合成」、「有機分析」、「有機化学」、「炭素化合物」、「脂肪族化合物」などが普通件名として挙げられます。

また、Web NDL Authorities(国立国会図書館典拠データ検索・提供サービス)の分類記号検索において「NDLC」を選択し、「PA322」や「PA325」などで検索すると、有機化合物に関連するほかの普通件名を探すことができます。

4. インターネット情報源

  • 有機化合物のスペクトルデータベース SDBS外部サイト
    産業技術総合研究所が提供しているデータベースです。有機化合物のさまざまなスペクトルが掲載されています。化合物名やCAS登録番号、元素数などから検索できます。
  • Materials Data Repository外部サイト
    物質・材料研究機構が提供するデータリポジトリです。X線吸収微細構造(XAFS)スペクトルなどのデータや、物質・材料研究に関する文献を閲覧、ダウンロードできます。

関連情報