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漢字の一覧表(字種、字体の変遷)

 教育や業務などで日常使用する漢字を一定の基本的な字種・字体・音訓だけに定めようとする「漢字の制限」については、明治以降現在まで様々に検討され、各種の漢字表が発表されてきました。
 ここでは、国の国語調査機関から発表された各種漢字表のうち、字種、字体を対象としたものをご紹介します。「現行の漢字が、以前はどのような形で書かれていたか」や、「旧字体から現在の平易な字体に変わったのはいつごろか」などを調べることができます。
 収録資料は、なるべく発表時に近いものやその複製をあげていますが、一部再編集されたものがあります。

( )内は当館請求記号です。
請求記号の後に「人文」とあるものは、東京本館人文総合情報室に開架されています。

【I】戦後の漢字表
【II】戦前の漢字表
【III】複数の漢字表を合成編集したもの
【IV】参考資料・ウェブサイト

 

【I】戦後の漢字表

 明治維新後、日本語の表記をどうするかという問題が検討されてきましたが、戦後あらためて検討が再開されました。漢字の制限については、昭和21年~26年にかけて、「当用漢字表」「当用漢字別表」「人名用漢字別表」などが次々と内閣告示・訓令として発表されます。これにより、教育、公文書、人名の名付け等において、実際に漢字の制限が実施されていくことになりました。
(昭和56年の常用漢字表以降は「制限」ではなく、「目安」とされています。)

  • 「当用漢字表」(1946)
    ・昭和21(1946)年11月、国語審議会議決・答申、内閣告示第32号・訓令第7号
    ・1850字、簡易字体131字
    ・日常使用する漢字の範囲を制限するもの
    ・昭和56(1981)年「常用漢字表」の制定に伴い廃止
    【収録資料】1、2
    1. 『漢字字体資料集: 諸案集成2』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文化庁文化部国語課 編  文化庁 1996.12 (国語施策沿革資料 ; 12) (KF45-G31)
    2. 『国語審議会答申・建議集』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク  文化庁文化部国語課 2001.3 (KF32-G23)
  • 「当用漢字別表」(1948)
    ・昭和22(1947)年9月、国語審議会議決・答申。昭和23(1948)年2月、内閣告示第1号・訓令第1号
    ・義務教育用漢字881字
    ・当用漢字表の中で、義務教育の期間に必修とする漢字の範囲を定めた。
    ・昭和56(1981)年「常用漢字表」の制定に伴い廃止
    【収録資料】2、3
    2. 『国語審議会答申・建議集』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク  文化庁文化部国語課 2001.3 (KF32-G23)
    3. 「当用漢字表の中で義務教育の期間に読み書きともにできるように指導すべき漢字の範囲」 『官報』 昭和23.2.16 号外p1-2 デジタル化資料(4~5コマ目)
  • 「当用漢字字体表」(1949)
    ・昭和23(1948)年6月、国語審議会議決・答申。昭和24(1949)年4月、内閣告示第1号・訓令第1号
    ・約500字について簡易字体を採用。新たに標準として採用されたものが新字体
    ・昭和56(1981)年「常用漢字表」の制定に伴い廃止
    【収録資料】1、2、4、5
    1. 『漢字字体資料集: 諸案集成2』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文化庁文化部国語課 編  文化庁 1996.12 (国語施策沿革資料 ; 12) (KF45-G31)
    2. 『国語審議会答申・建議集』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク  文化庁文化部国語課 2001.3 (KF32-G23)
    4. 「現代國語を書きあらわすために日常使用する漢字の字体の標準を定める件」 『官報』 昭和24.4.28 号外p1 デジタル化資料(10~11コマ目)
    5. 『当用漢字字体表』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文部省調査普及局国語課  [1949] (Y994-J1014)
  • 「人名用漢字別表」(1951)
    ・昭和26(1951)年5月、国語審議会議決・建議、内閣告示第1号・訓令第1号
    ・92字
    ・昭和56(1981)年「常用漢字表」の制定に伴い廃止
    【収録資料】2、6
    2. 『国語審議会答申・建議集』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク  文化庁文化部国語課 2001.3 (KF32-G23)
    6. 「「当用漢字表」に揭げる漢字以外に人名に用いてさしつかえない漢字」 『官報』 昭和26.5.25 p402 デジタル化資料(2コマ目)
  • 「人名用漢字追加表」(1976)
    ・昭和51年(1976)7月、法務省人名用漢字問題懇談会審議の同表を、国語審議会了承、内閣告示第1号・訓令第1号
    ・28字(合計120字)
    ・昭和56(1981)年「常用漢字表」の制定に伴い廃止
    【収録資料】2
    2.  『国語審議会答申・建議集』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク  文化庁文化部国語課 2001.3 (KF32-G23)
  • 「常用漢字表」(1981)
    ・昭和56(1981)年3月、国語審議会議決・答申。10月、内閣告示第1号・訓令第1号
    ・1945字
    ・それまでの「当用漢字表」「当用漢字別表」「当用漢字字体表」を引き継ぐ。
    ・漢字使用の制限ではなく目安を示すもの
    ・これ以降、人名用漢字は法務省令「戸籍法施行規則」の定めるところによる。
    ・平成22(2010)年11月廃止
    【収録資料】7
    7. 『常用漢字表 : 内閣告示・内閣訓令』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 大蔵省印刷局 編 1982.4 (KF45-65)
  • 「表外漢字字体表」(2000)
    ・平成12(2000)年12月、国語審議会議決・答申
    ・常用漢字表にない漢字1022字について、字体選択のよりどころを示す。
    【収録資料】8、9
    8. 『表外漢字字体表 : 国語審議会答申』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク [国語審議会] 2000.12 (KF45-G105)
    9. 「表外字体表」(文化庁 国語施策情報>内閣告示・内閣訓令>常用漢字表)
    http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/sanko/hyogai/index.html外部サイトへのリンク
  • 「常用漢字表(改定)」(2010):現行の漢字表
    ・平成22(2010)年6月、文化審議会答申。11月、内閣告示第2号・訓令第1号
    ・2136字(196字追加)
    【収録資料】10、11、12
    10. 『改定常用漢字表 : 文化審議会答申』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 2010.6. 23 (KF45-J84) 人文
    11. 『常用漢字表. 平成22年11月30日内閣告示』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文化庁 [著] 2011.3 (KF45-J103)
    12. 「常用漢字表」(文化庁 国語施策情報>参考資料>表外漢字字体表)
    http://www.bunka.go.jp/kokugo_nihongo/joho/kijun/naikaku/kanji/index.html外部サイトへのリンク

【II】戦前の漢字表

 戦前の漢字表は、臨時国語調査会や国語審議会により検討・発表されたものの、社会的拘束力はなく、関東大震災の影響で制限案が見送られたり、日中戦争が拡大するに及び中国の固有名詞表記の問題が出てきたりと、漢字制限を実施するにはいたりませんでした。しかし、戦前の漢字表は戦後の漢字表に大きな影響を与えました。

  • 「漢字整理案」(1919)
    ・大正8(1919)年12月、文部省普通学務局国語調査室発表
    ・尋常小学校教科書所載2600余字の字体整理
    ・最初の体系的字体整理案。実行上十分な成果を上げなかったが、その後の漢字字体整理案に大きな影響を与えた。
    【収録資料】13、14
    13. 『漢字整理案』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文部省普通学務局 編 大正8 (331-144) デジタル化資料
    14. 『漢字字体資料集 : 諸案集成1』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文化庁文化部国語課 編  文化庁 1997.1 (国語施策沿革資料 ; 11) (KF45-G31)
  • 「常用漢字表」(1923)
    ・大正12(1923)年5月、臨時国語調査会発表
    ・1962字(発表時は1963字)、略字表154字
    ・国家機関による最初の本格的漢字制限案
    ・東京、大阪の20新聞社で、この常用漢字表を基礎とした漢字制限を実行する予定であったが、関東大震災のため実現しなかった。
    【収録資料】15、16(略字表)、17
    15. 「決定された常用漢字」 『官報』 大正12.5.9  付録雑報6 p3-4 デジタル化資料(17~18コマ目)
    16.  「決定された常用漢字及び略字について」 『官報』 大正12.5.12 付録雑報7 p2-3 デジタル化資料(21コマ目)
    17. 『常用漢字表・仮名遣改定案・漢語整理案』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 臨時国語調査会 [1929] (810.9-R57z)
  • 「字体整理案」(1926)
    ・大正15(1926)年7月、臨時国語調査会発表
    ・「常用漢字表」のうち約1020字の字体を整理
    【収録資料】18
    18. 「漢字の字体整理について」 『官報』 大正15.7.7 付録雑報154 p1-8 デジタル化資料(14~18コマ目)
  • 「常用漢字表(修正)」(1931)
    ・昭和6(1931)年6月、臨時国語調査会発表
    ・1858字(大正12年5月に発表した「常用漢字表」から147字を削除、45字を追加)
    【収録資料】14、19
    14. 『漢字字体資料集 : 諸案集成1』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文化庁文化部国語課 編  文化庁 1997.1 (国語施策沿革資料 ; 11) (KF45-G31)
    19. 『常用漢字表』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 臨時国語調査会 編 昭和6 (684-7)
  • 「漢字字体整理案」(1938)
    ・昭和13年(1938)7月、国語審議会議決・答申
    ・「常用漢字表」のうち1032字を、第一種743字と第二種289字に分けて字体整理
    ・反対意見が多く実施に至らなかったが、戦後の「当用漢字字体表」に大きな影響を与えた。
    【収録資料】14、20
    14. 『漢字字体資料集 : 諸案集成1』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文化庁文化部国語課 編  文化庁 1997.1 (国語施策沿革資料 ; 11) (KF45-G31)
    20. 『国語審議会発表漢字字体整理案』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 国語協会 編 昭13 (752-340)
  • 「標準漢字表」(1942)
    ・昭和17(1942)年6月、国語審議会議決・答申
    ・2528字(常用1134字、準常用1320字、特別74字)、簡易字体142字
    ・約半数の省庁や社会方面から種々の意見があり、思想問題化したため同年12月に修正
    【収録資料】14
    14. 『漢字字体資料集 : 諸案集成1』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文化庁文化部国語課 編  文化庁 1997.1 (国語施策沿革資料 ; 11) (KF45-G31)
  • 「標準漢字表(修正)」(1942)
    ・昭和17(1942)年12月、文部省修正、閣議申し合わせ事項として公布
    ・2669字(3種の区別を廃し、141字追加)、簡易字体81字
    ・各官庁の公用文書に使用する漢字に適用
    【収録資料】21
    21. 『標準漢字便覧』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 文部省 [編] 昭和18 (特265-591) デジタル化資料

【III】複数の漢字表を合成編集したもの

  • 「五十音順各種漢字表字種比較一覧」 『明治以後の漢字政策』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 井之口有一. -- 日本学術振興会, 1982.2 (KF32-24) pp.275-392
    *常用漢字表、当用漢字表、標準漢字表など8種
  • 「綜合漢字表」 『国語国字教育史料総覧』国立国会図書館の所蔵情報へのリンク 国語教育研究会 1969 (KF32-3) pp.831-878
    *常用漢字表、当用漢字表、標準漢字表のほか、民間で作成された漢字表など10種

 

【IV】参考資料・ウェブサイト

 [last access: 2014.2.26]

  • 国立国会図書館
  • 国立国会図書館オンライン
  • 国立国会図書館サーチ
  • 国立国会図書館デジタルコレクション
  • ひなぎく
  • レファレンス協同データベース
  • 本の万華鏡
  • 参考書誌研究