アメリカ合衆国-選挙結果(大統領、連邦議会)

ここでは、アメリカ合衆国の大統領選挙及び連邦議会選挙の結果を調べる際に有用な情報源をご紹介します。【 】内は当館請求記号、ウェブサイトの最終アクセス日は2015年1月6日です。

1. 選挙制度の概要

1-1. 大統領選挙

大統領選挙は4年に一度行われます。通常、各党公認の候補者を決める予備選挙(primary election)の後、各党公認候補者から大統領を選ぶ本選挙(general election)が行われます。
 予備選挙での候補者の選び方としては、話し合いや挙手による党員集会(caucus)と、秘密投票による予備選挙(primary)の2種類があり、いずれを採用するか、又は併用するかは州によって異なります。
 続く本選挙では、有権者は大統領候補者に直接投票するのではなく、どの候補者に投票するかを事前に表明している選挙人(elector)を選ぶことによって間接的に大統領を選びます。そのため、まず各州で選挙人を選ぶ一般投票(popular vote)が行われ、その後、選挙人が大統領候補者に投票する選挙人投票(electoral vote)が行われます。

1-2. 連邦議会選挙

上院議員の任期は6年で、定員100名(各州2名)のうち2年ごとに3分の1ずつ改選されます。また、下院議員の任期は2年で、定員435名(人口比率に応じて各州に配分)全員が選挙のたびに改選されます。
 上下両院ともに小選挙区制を採用しており、同一政党から二人以上の候補者が出馬を求めた場合は、本選挙(general election)に先立ち、党内候補者を1人に絞るための予備選挙(primary election)が行われます。

1-3. 選挙制度の概要に関する参考文献・インターネット情報

  • 『早わかり「米国の選挙」』(米国大使館レファレンス資料室 2008 【Y133-J5】)
    大統領選挙と連邦議会選挙の制度概要に加え、選挙における政党の役割、世論調査の活用のされ方、選挙資金等の関連事項がまとめられています。アメリカンセンターJAPANのウェブサイトでは、本書のPDF版外部サイト を閲覧できます。

  • 三輪和宏 佐藤令「アメリカ大統領選挙の手続」(『調査と情報』456号 2004年10月 pp. 1-11 【Z1-403】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
    大統領選挙の制度及び手続について、予備選挙・党員集会の開始から就任に至るまで、詳細かつ簡潔にまとめられています。

  • Dave Tarr, Bob Benenson "Elections A to Z"(4th ed. CQ Press 2012 【X】)
    選挙運動と本選挙の過程、投票結果、選挙権、政治コンサルタント・メディア・政党の役割、選挙人・選挙運動・投票のあり方を形成する修正条項・立法・判例、過去の主要な大統領選挙等についてまとめられています。

  • "Guide to U.S. elections"(6th ed. CQ Press 2010 【AU-251-B159】)
    選挙制度、参政権・選挙権、選挙運動資金、政党発展の歴史、特定の政治的課題や期間についての詳細な分析がわかる2巻からなる参考図書です。選挙結果の 統計データも掲載されています。統計データの収録範囲については、後述の「2. 選挙結果の調べ方」における同書の説明をご参照ください。

  • Kenneth F. Warren, general editor "Encyclopedia of U.S. campaigns, elections, and electoral behavior"(Sage 2008 【A112-B225】)
    選挙運動及び選挙に関連して、法令・汚職・メディアの役割・政党・利益団体・世論調査等、多数のテーマを扱った2巻からなる参考図書です。

  • 米国政府―選挙外部サイト (アメリカンセンターJAPAN)
    大統領選挙と連邦議会選挙について、制度概要やプロセスが簡潔に説明されています。また、日米の関連ウェブサイトへのリンク集も掲載されています。

2. 選挙結果の調べ方

2000年代の大統領選挙、連邦議会選挙の結果が掲載されている資料を中心にご紹介します。

2-1. 紙資料

  • アメリカ合衆国商務省センサス局 編; 鳥居泰彦 監訳 『現代アメリカデータ総覧』(年刊 【DT191-U-*】 版によって請求記号が異なります。国立国会図書館サーチでお調べください。)
    アメリカ合衆国商務省統計局が刊行している後掲の"Statistical Abstract of the United States: the national data book"の日本語版で、1988年以降毎年刊行されています。選挙に関する章があり、大統領選挙、連邦議会選挙関連の主な基本統計を日本語で入手できます。ただし、刊行されるまでに数年のタイムラグがあるため、最新情報は原典を参照する必要があります。

  • "Statistical abstract of the United States: the national data book"(U.S. Dept. of Commerce, Economics and Statistics Administration, U.S. Census Bureau 年刊 【Z61-A239】)(1986-2012)
    "ProQuest statistical abstract of the United States: the national data book"(Bernan Press 年刊 【Z61-J836】)(2013-)
    上掲『現代アメリカデータ総覧』の原典です。毎年刊行されており、選挙を扱った章に大統領選挙、連邦議会選挙関連の主な基本統計が収録されています。

  • "America votes"(Elections Research Center, Congressional Quarterly 隔年 【AU-251-169】)(1956-1982)
    "America votes"(Congressional Quarterly 隔年 【Z61-A127】)(1984-)
    1956年から現在までの大統領選挙、連邦議会選挙について、州公認の選挙結果と主なデータを、郡・選挙区(district)別に掲載しています。

  • "The almanac of American politics; the Senators, the Representatives - their records, States and districts"(Gambit 隔年 【A112-145】)(1972-1978)
    "The almanac of American politics"(National Journal 隔年 【Z61-A425】)(1986-)
    1972年から現在までの全下院議員と選挙区の概要がまとめられています。各選挙区の概要には、直近1-2回の大統領選挙の投票総数と投票率も併せて収録されています。

  • Curtis Gans; with Matthew Mulling "Voter turnout in the United States, 1788-2009"(CQ Press 2011 【AU-251-B204】)
    1788年から2009年までの大統領選挙、連邦議会選挙につき、予備選挙及び本選挙の投票結果がわかります。

  • "Guide to U.S. elections" (6th ed. CQ Press 2010 【AU-251-B159】)
    上掲の「1-3. 選挙制度の概要に関する参考文献・インターネット情報」でもご紹介した、2巻からなる参考図書です。
    第1巻には大統領選挙の結果が掲載されています。具体的には、1912年から2008年までの予備選挙、1835年から2008年までの主要な党大会、1824年から2008年までの一般投票、1789年から2008年までの選挙人投票について、州別の結果がわかります。
    第2巻は連邦議会の選挙結果が掲載されています。下院は、1824年から2008年までの本選挙について、選挙区別の結果がわかります。上院は、1913年から2008年までの本選挙は選挙区別、1920年から2008年までの予備選挙は州別の結果がわかります。

  • "Presidential elections: 1789-2008"(CQ Press 2010 【AU-251-B164】)
    1789年から2008年までの大統領選挙につき、選挙人投票及び1824年から2008年までの一般投票の結果が州別でわかります。

  • Rhodes Cook "United States presidential primary elections, 2000-2004: a handbook of election statistics"(CQ Press 2007 【AU-251-B86】)
    2000年から2004年の全ての大統領予備選挙と党員集会の公式結果を収録しています。

  • J. Clark Archer ... [et al.] "Historical atlas of U.S. presidential elections, 1788-2004"(CQ Press 2006 【YQ51-B123】)
    1788年から2004年までの大統領選挙について、各回の時代背景に加え、一般投票率、選挙人投票率及び投票数を州・郡別の地図情報とともに示しています。第1回から第55回の大統領選挙結果についても郡レベルの地図を掲載している点が特徴です。

  • McGillivray, Alice V., Richard M. Scammon, and Rhodes Cook, comps. "America at the polls, 1960-2004 John F. Kennedy to George W. Bush: a handbook of American presidential election statistics"(CQ Press 2005 【AU-251-B77】)
    1960年から2004年までの大統領選挙について、投票総数と投票率を州・郡別に示しています。また、国勢調査のデータも郡別で収録されています。

  • Jerrold G. Rusk"A statistical history of the American electorate"(CQ Press 2001 【AU-251-B8】)
    1788年から1999年の大統領、連邦議会の結果を収録するとともに、過去の投票パターンも検証しています。各章内の資料にはデータとその重要性についての解説が付与されており、時代背景とともに理解できます。選挙法、選挙権、投票数、国・地域・州別の政党得票数及び得票率を掲載しています。

  • Rhodes Cook "United States presidential primary elections, 1968-1996: a handbook of election statistics"(CQ Press 2000 【AU-251-A240】)
    1968年から1996年の全ての大統領予備選挙と党員集会の公式結果を収録しています。

2-2. インターネット情報

  • Election Results外部サイト (Federal Election Commission)
    連邦選挙管理委員会提供。同委員会は、各州選挙事務所等の公式機関から得た正式な選挙結果であるFederal Electionsを2年ごとに公表しています。本ウェブサイトでは、1982年から現在までの大統領選挙及び連邦議会選挙について、予備選挙、本選挙、決選投票の結果を得られます。

  • Election Statistics外部サイト (Office of the Clerk of the U.S. House of Representatives)
    連邦議会下院事務局提供。1920年から現在までの大統領選挙及び連邦議会選挙の公式開票記録が掲載されています。

  • Historical Election Results外部サイト (National Archives)
    国立公文書記録管理局提供。1789年から現在までの大統領選挙について、選挙人投票及び一般投票の結果を掲載しています。

  • American Presidency Project > Statistics > Elections外部サイト (University of California, Santa Barbara)(https://www.presidency.ucsb.edu/statistics/elections外部サイト
    カリフォルニア大学サンタバーバラ校によるAmerican Presidency Projectのウェブサイト。1789年から現在までの大統領選挙につき、一般投票及び選挙人投票の結果が掲載されています。その他、Data Archive外部サイト (https://www.presidency.ucsb.edu/statistics/data)のページでは、大統領選挙期間中における各候補者の支持率の推移、大統領の支持率、与党の獲得議席等、様々な情報が記載されています。

  • A New Nation Votes: American Election Returns 1787-1825外部サイト (American Antiquarian Society, Tufts University Digital Collections and Archives)
    全米人文科学基金の資金により、アメリカ古書協会(American Antiquarian Society)とタフツ大学が提供するウェブサイト。同協会のPhilip Lampi氏が編纂した、1787年から1825年までの連邦議会の選挙結果を検索できます。