日本-旧外地官庁資料の調べ方:朝鮮・台湾・関東州

第二次世界大戦以前の日本において、大日本帝国憲法施行以降に日本の統治下に置かれた朝鮮、台湾、樺太(南樺太)、関東州、南洋群島の地域は、外地と称されていました。ここでは、外地を統治するために現地に置かれた官庁のうち、朝鮮総督府、台湾総督府、関東州(関東都督府、関東庁、関東局および関東州庁)の資料を調べる方法についてご紹介します。ただし、外地官庁の公報・法規集についてはここでは省略し、「日本-旧外地法令の調べ方」で法令の調べ方とあわせてご紹介します。【 】内は当館請求記号、インターネットの最終アクセス日は2016年3月25日です。

1. 外地官庁資料の所在

戦前の日本には現在の官庁資料の納本制度に相当する制度がなく、当館の源流である貴族院・衆議院の図書館と帝国図書館は主に寄贈により官庁資料を収集していました。朝鮮総督府等の外地統治機関の資料の収集状況も同様で、当館には網羅的な外地官庁資料のコレクションは受け継がれていません。また、外地行政機関が設置していた官立図書館の蔵書は当該地域の各国図書館に引き継がれており、当館を含めて日本の図書館に戦前から残存する資料の大部分は、寄贈などの経緯により内地にもたらされた出版物です。外地の行政文書も同様に現地の文書館などに引き継がれています。

旧外地の現地に所在する官庁資料の調査方法については下記をご覧ください。

韓国所在植民地期日本語文献の調べ方
台湾所在の植民地期日本関係資料の調べ方

2. 日本国内に所在する外地官庁資料のデータベース

3. 国立国会図書館所蔵の主要外地官庁資料(公報・法規集以外)

3-1. 朝鮮総督府

刊行物目録

年史・総覧

機関誌

年報・要覧

職員録

統計

公文書

  • 『조선총독부 공문서 종합목록집』(朝鮮総督府公文書総合目録集)(한울 2005 【A111-K9】)(議会官庁資料室、関西館アジア情報室開架)
    韓国の国家記録院、国史編纂委員会等が所蔵している朝鮮総督府公文書の総合目録です。本文はすべてハングル表記です。
  • 『조선총독부 공문서 다계층 상세목록집』(朝鮮総督府公文書多階層詳細目録集)(한울 2005 【A111-K8】)(議会官庁資料室、関西館アジア情報室開架)
    韓国の国家記録院が所蔵する朝鮮総督府公文書のうち、宗教・社会事業および教化事業に関する簿冊に収録された文書の件単位目録です。本文はすべてハングル表記です。

3-2. 台湾総督府

年史・総覧

機関誌

  • 『台湾時報』(台湾時報発行所 1919-1943 【YA5-1030】)
    マイクロフィッシュでの利用となります。なお、欠号が多くあり、昭和19(1944)年から昭和20(1945)年までの号は所蔵していません。『「台湾時報」総目録』(中島利郎編 緑蔭書房 1997 【GE2-G5】)(関西館アジア情報室開架)も所蔵しています。

年報・要覧

職員録

統計

公文書

  • 『台湾総督府文書目録』(ゆまに書房 1993- 【A111-E91】ほか)(議会官庁資料室、関西館アジア情報室開架)
    台湾の国史館台湾文献館(旧・台湾省文献委員会)が所蔵する「台湾総督府文書」のうち、台湾総督府が重要文書を分類して綴じた「公文類纂」の詳細な目録です。
    台湾総督府の公文書については、「台湾の公文書(档案)を調べる(1)明清~日本統治期」もご覧ください。

3-3. 関東州

刊行物目録

年史・総覧

年報・要覧

職員録

統計