アジア言語の翻字(ローマ字化)について

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1.中国

漢字→ピンイン

基本的には漢和辞典の使い方と同じです。

各種日中辞典の巻頭か巻末にある部首索引や音訓索引から当てはまる漢字を探し、指定されたページを開くと、親字(調べたい漢字)にローマ字でピンインがふってあります。
一例として『講談社中日辞典』(相原茂編、講談社、2010年 【YU7-J2032】)があります。

ピンイン→漢字

ピンインとは中国語の発音をローマ字表記したものですが、中国語の音声を正確に表すには声調(発音の抑揚)が分かっていなければなりません。

声調が分からない場合は、意味などから当たりをつけて、同じピンインの漢字の中から探すことになります。

方法としては、上記『講談社中日辞典』など、各種中日辞典にはピンイン表記で表された漢字がアルファベット順に排列されていますので、この中から意味などを考慮しつつ、あてはまる漢字を探すことになります。

ウェード式→漢字

  • 『中日大辭典』(愛知大学中日大辞典編纂所 2010.3 【KK12-J21】)
    巻末の「漢語拼音字母、トーマス・ウェード式ローマ字、注音字母対照表」から、目的のウェード式ローマ字にピンインをあてはめ、ピンインから漢字に直すことができます。

注音字母→漢字

注音字母とは、ピンインの代わりに漢字に良く似た記号を使って発音を表記したものです。

上記『中日大辞典』巻末の「漢語拼音字母、トーマス・ウェード式ローマ字、注音字母対照表」から目的の注音字母にピンインをあてはめ、ピンインから漢字に直すことができます。

2.コリア

ハングルから翻字(ローマ字化)する方法として、以下のような方式が挙げられます。

マッキューン・ライシャワー式

マッキューン・ライシャワー式(M-R式)とは、G.M.McCuneと E.O.Reischauer が考案した方式です。 以下の資料に、翻字法の説明があります。

M-R式は、アメリカ議会図書館でも採用されています(ALA-LC方式)。以下でその方法が公開されています。

국어의 로마자 표기법(国語のローマ字表記法)による表記

韓国の文化体育観光部が制定したものです。最新版は以下で閲覧できます。

조선어의 라틴문자 표기법(朝鮮語のラテン文字表記法)による表記法

北朝鮮で1992年に定められた方式のものです。以下で英語の翻訳が閲覧できます。

なお、北朝鮮におけるローマ字表記の変遷については以下の文献に紹介があります

3.中国・コリア以外のアジア諸言語

ここでは当館で採用しているALA-LC Romanization Tablesについて説明します。

ALA-LC Romanization Tablesとはアメリカ議会図書館によってさだめられた、ローマ字以外の文字をローマ字に翻字する規則を言語ごとに定めた表です。

ALA-LC以外の翻字法については、各国語辞典などをご覧ください。

  1. ALA-LC方式翻字→各言語
  2. 各言語→ALA-LC方式翻字

ALA-LC翻字表1997年版以降の改訂、拡充版は、アメリカ議会図書館のサイトで公開されています。最新の情報についてはこちらをご覧ください。