台湾の公文書(档案)を調べる(2)第二次大戦後

台湾では、アーカイブの対象となる文書を一般に「檔案(档案)」と呼んでいます。ここでは、台湾に関係する公文書を中心とする档案資料のうち第二次大戦後(1945年~現在)のものについて、検索や資料画像が閲覧できるデータベースおよび主な当館所蔵資料を中心に紹介します。【 】内は当館請求記号です。

なお、明清期から日本統治期の台湾の档案については台湾の公文書(档案)を調べる(1)明清~日本統治期を、档案を含む資料のデジタルアーカイブについてはアジアの文化機関のデジタルアーカイブ(中国・台湾・韓国)を、台湾の官庁出版物についてはAsiaLinks「政府刊行物 : 中国・香港・マカオ・台湾」などをご参照ください。

1. 台湾の档案資料の横断検索

求める档案がどの機関で利用できるか見当がつかない場合は、各種档案を統合的に検索できる以下のウェブサイトで調べることができます。

  • 檔案資源整合查詢平台外部サイト(國家發展委員會檔案管理局)
    後述の國史館、中央研究院などを含む30機関が運営する94のデータベースを横断検索できます。全文画像を閲覧できるものもありますが、画像の閲覧に際しては、個別に登録が必要となるものもあります。以下に紹介するウェブサイトは、特に断りの無い限り、このウェブサイトからも検索できるものです。

2. 各機関の所蔵の検索

台湾の档案資料は永久保存される「國家檔案」とそれ以外の「機關檔案」とに区別され、前者は國家發展委員會檔案管理局などで、後者は各作成機関などでそれぞれ所蔵されています。

國家發展委員會檔案管理局のほか、國史館、中央研究院近代史研究所などにも所蔵が分散しており、これらは上記「檔案資源整合查詢平台」外部サイトで横断検索することができます。

  • 中央研究院近代史研究所檔案館館藏檢索外部サイト
    清代から中華民国期の中国に関する档案のほか、戦後台湾の外交部や経済部などの档案も所蔵しています。経済関係の一部の档案は登録して審査を通過すれば、全文画像が閲覧できます(exeファイルのダウンロードが必要)。
  • 國史館檔案史料文物查詢系統外部サイト(國史館)
    中華民国の国史編纂を目的とする國史館外部サイトのアーカイブポータルです。戦後台湾に関する資料群には歴代総統・副総統の関連文書および「外交部檔案」などがあり、画面上部の「訪客」を押してゲスト登録すると目録検索できます。

また、中国国民党の党史館では、同党の党史に関する档案資料を所蔵しています。

  • 館藏檔案目錄檢索系統外部サイト(中國國民黨文化傳播委員會黨史館)
    辛亥革命後の中国に関する档案のほか、「一般檔案」「蔣中正總裁批簽檔案」など戦後台湾に関する档案も含まれています。本文の閲覧には来館する必要がありますが、登録して審査を通過すれば、オンラインで閲覧申込みができます。
    ※上記「檔案資源整合查詢平台」からは横断検索できないデータベースです。

3. 台湾省議会・政府の档案のデジタルアーカイブ

3-1. 省議会の档案

省級行政区である台湾省に設置された台湾省参議会、臨時省議会、省議会などの議会に関する档案資料については、中央研究院臺灣史研究所などで全文画像を閲覧できるデータベースを公開しています。

  • 臺灣史檔案資源系統外部サイト(中央研究院臺灣史研究所)
    中央研究院臺灣史研究所檔案館外部サイトのアーカイブポータルです。個人文書、民間文書、機関档案からなる100種以上の資料群を収録しています。議会関係では、「臺灣省參議會檔案」「臺灣省臨時省議會檔案」「臺灣省議會檔案」などがあり、登録して審査を通過すれば、全文画像が閲覧できます(一部は当該機関内での閲覧のみ可能)。
  • 中華民國地方議會議事錄總庫外部サイト(臺灣省諮議會, 國立臺灣大學數位人文研究中心)
    1950年以降の台湾省の議会のほか、各市、県議会の議事録を内容や発言議員から検索でき、全文デジタル画像を閲覧することができます。
    ※上記「檔案資源整合查詢平台」からは横断検索できないデータベースです。

なお、関連する冊子体の資料には、以下のものがあります。

3-2. 省政府の档案

1945年以降に設置された台湾省行政長官公署、台湾省政府など台湾省の行政機構については、前掲の臺灣史檔案資源系統外部サイトで「臺灣省行政長官公署時期林業檔案」「臺灣省政府時期林業檔案」「臺灣省政府樟腦局檔案」を公開するほか、國史館台灣文獻館でも全文画像を閲覧できる以下のデータベースを公開しています。

また、関連する冊子体の資料には、以下のものがあります。

4. 公刊された档案資料

4-1. 国史館

戦後台湾に関する主な档案資料に関しては、國史館などにより資料集が多数刊行されており、その一部は以下のウェブサイトで検索し、全文を閲覧することができます:

  • 國家歷史資料庫外部サイト(國史館)
    登録すると、『政府接收臺灣史料彙編』【GE461-C41】、『中華民國與聯合國史料彙編』【A99-C8-C29】などの公刊資料や「外交部檔案」「行政院檔案」などに収録された、戦後台湾に関する約30,000点の档案の全文テキストと約1,500点の写真画像を検索、閲覧できます。
    ※上記「檔案資源整合查詢平台」からは横断検索できないデータベースです。

当館関西館では、國史館が刊行する「臺灣史料叢書」「戰後臺灣政治案件」「中華民國政府遷臺初期重要史料彙編」などのシリーズのほか、以下のような档案資料を所蔵しています。

  • 侯坤宏編『國史館藏二二八檔案史料』(國史館, 1997.2【GE461-C131】)
    1947年に起こった二・二八事件に関して、国史館が所蔵する関連档案を収録しています。
  • 張炎憲總主編 ; 簡笙簧主編『二二八事件檔案彙編』(國史館, 2002.3【GE461-C120】)
    同じく立法院、國家安全局、各級法院、政府などの機関で所蔵する関連档案を収録しています。

4-2. 中国第二歴史档案館(中国大陸)

  • 陈云林总主编 ; 中国第二历史档案馆, 海峡两岸出版交流中心[編]『馆藏民国台湾档案汇编』(九州出版社, 2007.1【GE461-C139】)
    中国第二歴史档案館が所蔵する、日本統治期から1949年までの時期の台湾に関する档案を収録しています。全300冊で、最終巻が目録巻です。

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