社会保障統計は、社会保障に関係する収支状況などを取り上げたものが中心ですが、広く年金保険から社会福祉までの社会保障制度全般に関連します(【】内は当館請求記号。なお、請求記号が記載されていないものは、版によってそれが異なるものであることを示しています。そのようなものの請求記号については、NDL-OPAC
でタイトル等による検索を行ってお調べください)。
1.総合・社会保障一般
●『社会保障統計年報』(国立社会保障・人口問題研究所編 年刊 【Z41-775】
)
昭和33年創刊の社会保障に関する基本的な統計資料です。社会保障給付費(※1)、国民負担率(※2)などのほか、2.以降で取り上げる各項目に係る多くの統計の概要は、本書で把握することができます。主要な統計表については、国際比較も収載しています。最新の統計表の一部は国立社会保障・人口問題研究所ホームページ内の社会保障統計年報
でご覧いただけます。
*1 社会保障給付費については、国際比較のための指標として、国際労働機関(ILO)が定めた社会保障給付費の範囲
が用いられることが多く、ここでご紹介する資料も特に記載のない限り、その基準を採用しています。ILOが取りまとめた各国の社会保障給付費の最新の数値は、Cost of Social Security
から得ることができます。社会保障給付費の将来推計は、厚生労働省ホームページ内の社会保障の給付と負担の見通し−平成18年5月推計−
でご覧いただけます。なお、『国民経済計算年報』(内閣府経済社会総合研究所 年刊 【Z41-496】
)に記載されている「一般政府から家計への移転の明細表」も社会保障関係費用の一種といえます。
*2 国民負担率とは、租税負担と社会保障負担を合わせた総負担額の対国民所得比を指し、国際指標というよりは日本独自の概念です。財務省ホームページ内の国民負担率
で年次推移を見ることができます。
●『社会保障給付費』(国立社会保障・人口問題研究所 年刊 【Z6-4229】
)
社会保障給付費について、医療・年金・福祉などの部門別、高齢・障害・保健医療・失業などの機能別、医療保険・年金保険などの制度別にまとめたデータを記載していますが、内容は『社会保障統計年報』(前掲)の該当項目とほぼ同様です。「平成17年度社会保障給付費」は国立社会保障・人口問題研究所ホームページ内
の「社会保障関係」のページに掲載されています。
●『社会保障費統計資料集 平成14年度遡及版』(国立社会保障・人口問題研究所 2002 【EG113-H8】
)
1969年から1999年までの社会保障給付費の推移について、部門別、機能別、制度別にまとめられています。
●『厚生統計要覧』(厚生統計協会 年刊 【Z71-M491】
)
旧厚生省所管の分野に係る総合統計です(昭和45年創刊)。掲載されている統計は他の統計書に所収のものが大半ですが、コンパクトに要点を把握できます。最新の版は、厚生労働省ホームページ内の厚生統計要覧
で閲覧することができます。
●『社会保障年鑑』(東洋経済新報社 年刊 【Z41-116】
)
社会保障制度とその動向についてコンパクトにまとめられた資料で、基本的統計資料もご覧いただけます。また、主要各国の社会保障制度の概要や国際機関の役割がまとめられていますので、国際比較をする場合には参考になります。
●『所得再分配調査報告書』(厚生労働省編 3年に1度刊,最新刊は【EG3-H131】
)
社会保障制度及び租税による所得再分配の効果について、数値として取りまとめられた資料です。再分配の効果を示す、いわゆる「ジニ係数」の数値が年次別、所得階層別、年齢別、世帯類型別に記載されています。
2.医療費
●『国民医療費』(厚生労働省大臣官房統計情報部 年刊 【Z41-2597】
)
国民全体の医療費について、総額、一人当たり医療費及び対国民所得比などを推計した統計で、主要部分は昭和29年以来の数値が掲載されています。保険者区分などの制度別、年齢別、診療種別(入院か通院かなど)、傷病分類別のデータを得ることができます。都道府県別の医療費は3年ごとに掲載されており、直近は平成14年度分にあります。また、厚生労働省ホームページ内の報道発表資料「平成17年度国民医療費の概況」
で最新版を見ることができます。
3.社会保険
社会保険に関する統計は、一般に制度別(保険者別)にまとまっています。いずれも、適用状況、給付状況、収支状況などのデータを示したものです。年金保険において、適用状況とは加入している保険者・被保険者数、標準報酬月額等を指し、給付状況とは年金等の受給者数・支払額、収支状況とは各保険者における財政状況を意味します。また、医療保険においては、適用状況・収支状況は同様ですが、給付状況は医療給付のため、診療行為種別などに再分化されたデータを得ることができます。なお、雇用保険、労働者災害補償保険なども社会保険に含まれますが、ここでは割愛させていただき、年金保険と医療保険に関連する資料を主としてご紹介します。
《全般》
●『保険と年金の動向』(『厚生の指標』(厚生統計協会 月刊 【Z6-383】
)の臨時増刊)
昭和38年に創刊され、現在では「厚生の指標」の臨時増刊として刊行されています。(近年は毎年11月頃刊行)。前半が保険行政及び動向についての解説、後半に社会保険に係る主要統計を収録しています。
《年金保険》
●『事業年報』(社会保険庁 年刊 【Z41−720】
)
社会保険庁が所掌する社会保険事業についての年次報告で、主として政府管掌健康保険、船員保険、厚生年金保険、国民年金を対象としています。このうち、政府管掌健康保険は医療保険、船員保険は船員を対象とした特別の保険です。総括編は当該年度の状況に関する解説と総括表、統計表編は個別の保険に関するより詳細な統計と都道府県別の表が掲載されています。社会保険庁のHP内の統計情報
に事業月報が掲載されています。
また、年金保険には上乗せ年金制度として、厚生年金基金、確定給付若しくは確定拠出型企業年金、国民年金基金があります。基金の財政状況、加入・給付等の情報については、企業年金連合会ホームページ内の統計資料
、国民年金基金連合会ホームページ
から得ることができます。
●『国家公務員共済組合事業統計年報』(国家公務員共済組合連合会 年刊 【Z2-1909】
)
●『地方公務員共済組合等事業年報』(総務省自治行政局 年刊 【Z41-691】
)
●『私学共済制度事業統計』(日本私立学校振興・共済事業団共済事業本部数理統計室 年刊 【Z6-4267】
)
いずれも、各共済組合・基金所掌の社会保険(医療保険を含む)関係の年次報告を兼ねた統計資料です。このほか、個別の年金保険制度として、石炭鉱業年金保険、農業者年金基金などもあります。
●『政府管掌健康保険・厚生年金保険業態別規模別適用状況調』(社会保険庁 年刊 【Z41-569】
)
政府管掌健康保険・厚生年金保険について、その保険者が雇用する従業員の規模別・産業別に分類し、その加入割合・増加率等とともに、被保険者数・標準報酬月額の平均等を示したものです。都道府県別にまとめた表もあります。
●『公的年金加入状況等調査報告』(社会保険庁 3年に1度刊 【Z71-E621】
)
年齢別・男女別・職業別等の公的年金加入状況についての資料です。家計の状況、民間保険加入の有無、制度の認知度についても調査しています。
●『国民年金被保険者実態調査報告』(社会保険庁 3年に1度刊,最新刊は【EG134-H123】
)
国民年金について、保険料納付の実態を明確にするための調査です。保険料未納者数、保険料未納の理由、その就業・家計状況や民間保険加入の有無、国民健康保険の納付状況などとともに記載されています。
●『年金総合データブック』(生活情報センター 年刊 【Z71-P64】
)
公の統計以外の、年金にかかわるアンケート調査、関係の深い人口統計や経済統計を採録した総合的な資料です。但し、2005年版をもって廃刊となっています。
●『厚生年金・国民年金平成16年財政再計算結果』(厚生労働省年金局数理課 2005 【EG134-H94】
)
年金保険については、長期的な財政見通しを明らかにし、人口動向・経済情勢等に適切に対応する目的で、定期的に再計算を行う必要があります。平成16年の再計算の結果、2100年までの被保険者数及び受給権者数と給付総額が試算されています。厚生労働省ホームページ内厚生年金・国民年金平成16年財政再計算結果
でも見ることができます。
●『公的年金財政状況報告』(社会保障審議会年金数理部会 年刊 【Z71-L332】
)
公的年金の収支状況につき、前提となっている財政再計算に基づき検討する資料で、収支状況についての統計データを多く採用しています。厚生労働省ホームページ内公的年金財政状況報告—平成15年度—
からもご覧いただけます。
*社会保険庁の所掌する年金保険に加入している個人に支払われる予定の年金額については、社会保険庁が年金加入記録照会・年金見込額試算
というページを用意しており、自分で試算することもできます。その他の保険者もホームページから利用できる場合があります。
《医療保険》
●『健康保険組合事業年報』(健康保険組合連合会編 年刊 【Z41-290】
)
従業員が一定数以上の規模の企業は健康保険組合を組織することが可能で、組合管掌健康保険と言われていますが、本書はその適用、給付、収支状況についての統計を掲載したものです。健康保険組合連合会は、個別の健康保険組合の連合組織ですが、基本的な運営・収支計算は個別の健康保険組合の中で行われており、資料においても全体表とは別に個別の組合ごとの被保険者数、給付実績、収支状況が示されています。
●『国民健康保険事業年報』(厚生労働省保険局 年刊 【Z41-614】
)
国民健康保険とは、市町村が保険者となっている医療保険で、世帯単位での加入が原則です。その適用状況、給付状況等についてまとめられ、都道府県別のデータも記載されています。昭和29年から調査は行われています。
●『老人医療事業年報』(厚生労働省保険局編 年刊 【Z41-758】
)
老人保健制度に基づき、各保険者が負担した老人医療費について、都道府県別・制度別にまとめた資料です。保険者ごとに負担する老人医療費の推移などのほか、薬剤費・訪問介護状況についても知ることができます。
●『健康保険被保険者実態調査報告』(厚生労働省保険局編 年刊 【Z41-688】
)
健康保険の被保険者について、所得状況、年齢、扶養率などの扶養状況などをまとめた資料で、所属する企業の規模別・業態別からも見ることができます。
●『国民健康保険実態調査報告』(厚生労働省保険局 年刊 【Z41-613】
)
国民健康保険について、保険料の賦課状況を被保険者の所得、年齢、就業、固定資産保有の状態と併せて明らかにした統計です。全体表と都道府県別表に分かれています。
●『医療給付受給者状況調査報告』(社会保険庁 年刊 【Z41-686】
)
診療報酬明細書に基づき、政府管掌健康保険及び船員保険について、制度別・年齢別・男女別・疾病別の診療状況とその費用を明らかにした資料です。上巻が全国編、下巻が都道府県編になっています。
●『国民健康保険医療給付実態調査報告』(厚生労働省保険局編 年刊 【Z41-731】
)
国民健康保険について、年齢別・男女別・疾病別等の診療状況を取りまとめた資料です。統計調査としては、昭和30年から行われています。
4.社会福祉
《社会福祉一般ほか》
●『国民の福祉の動向』(厚生統計協会編 月刊 【Z6-383】
)
昭和29年に創刊され、現在では「厚生の指標」の特集号として刊行されています。(近年は毎年10月頃刊行)。前半が社会福祉行政及び動向についての解説、後半に社会福祉に係る主要統計を収録しています。
●『社会福祉行政業務報告』(厚生労働省大臣官房統計情報部 年刊 【Z41-518】
)
生活保護法に基づく各種給付の受給世帯数、身体障害者手帳交付数、老人ホーム数、保育所入所者数など、社会福祉全般に関する基本的なデータが掲載されており、長期統計があるものもあります。個別分野に関しては、該当する統計を抽出した資料も刊行されており、例えば生活保護に関しては、『生活保護の動向』(生活保護の動向編集委員会編 年刊 【Z71-C703】
)という資料もあります。
●『社会福祉施設等調査』(厚生労働省大臣官房統計情報部 年刊 【Z41-517】
)
高齢者施設、児童福祉施設、障害者福祉施設、保育所などの社会福祉施設について、施設数、施設従業員数、定員及び入所者数についてとりまとめた資料です。調査は毎年行われていますが、3年に1度大規模調査が行われ、従業員の状況やボランティアの活用など、より詳細なデータを得ることができます。大規模調査は、直近では平成15年度分について行われています。
●『身体障害児・者実態調査結果 平成13年6月1日調査』(厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部 2002【EG61-H16】
)
身体障害者、身体障害児の実態について、その障害の種類・程度・原因等の状況、日常生活の状況、就業の状況、福祉用具の所持状況及びサービス利用状況のほか、障害別ニーズ等についても掲載されています。
●『地域児童福祉事業等調査報告』(厚生労働省大臣官房統計情報部 年刊 【Z71-C391】
)
保育を中心とした児童福祉事業についての市町村などの取り組みについての調査をまとめたもので、毎回テーマが異なっています。平成17年度分は、保育所定員の弾力化、短時間勤務の保育士の導入、子育て支援に関する情報提供等について各種データを掲載しています。
《高齢者福祉》
高齢者福祉については、高齢化の進展及び介護保険制度の創設などに伴い、各種の統計が刊行されています。関連するデータとして、高齢者の将来人口推計は『推計人口』(総務省統計局 年刊 【Z41-6835】
)に、また介護が必要な高齢者数については『国民生活基礎調査 第2巻 全国編』(厚生労働省大臣官房統計情報部 3年に1度刊 【Z41-5612】
)に掲載されています。
●『介護保険事業状況報告年報』(厚生労働省老健局 年刊 【Z71-J120】
)
介護保険は、比較的最近創設された制度です、その被保険者数、要介護認定者数、介護サービス給付状況、保険料等についてのデータを掲載した資料です。都道府県別にもまとめられています。
●『介護給付費実態調査報告』(厚生労働省大臣官房統計情報部 年刊)
介護給付費の状況について、介護給付費明細書等に基づき、その利用者数、給付内容、件数などについて取りまとめた資料です。
●『介護サービス施設・事業所調査』(厚生労働省大臣官房統計情報部 年刊 【Z71-H520】
)
旧来の訪問看護施設と老人保健施設の調査が統合され、平成12年から行われている調査です。施設の種別ごとにその数、定員数、入所者数、従事者数などについてのデータが掲載されています。都道府県別の表もあります。
●『介護事業経営実態調査結果』(厚生労働省老健局 3年に1度刊,最新刊は【Y111-H2093】
)
介護保険施設、通所サービス施設など、介護保険による給付を行う施設について、その経営実態を把握するために行われている調査で、施設の種別・規模別・経営主体別に収益状況がまとめられています。直近は平成17年に行われています。
●『介護サービス統計資料年報』(生活情報センター編集 年刊)
介護サービスについて、官公庁統計のほか、アンケート調査などの民間による調査を幅広く収載しています。
5.社会保障統計のインターネット情報源
また、社会保障統計のインターネット情報源ですが、上記で個別に紹介したほか、各項目に該当する統計のうち厚生労働省で取りまとめたものの多くは、 厚生労働省統計表データベース
から検索することができます。また、データベースに収載されていない新しい統計は最近公表の統計資料
から閲覧可能です。
また、社会保険庁で編集した統計の概要は、社会保険庁ホームページ内の統計情報
からご覧いただけます。
また、国立社会保障・人口問題研究所がまとめた統計については、同研究所ホームページ内の社会保障関係
から入手できます。
6.国際比較統計
諸外国の社会保障に関するデータについては、ILOがまとめた各国の社会保障給付費の最新の数値を閲覧できる、Cost of Social Security
があります。また、OECDのSocial Expenditure Database(SOCX)1980-2003
は、前記のILO基準とは別の、OECD基準(「社会支出」と訳されることがあります)により、OECD加盟各国についての社会保障関係費用をまとめたものです。このほか、EurostatがEU加盟国の社会保障費について機能別・財源別等にまとめた、” European social statistics. Social protection. Expenditure and receipts”( Office for Official Publications of the European Communities 年刊 【Z61-E235】
)もあり、ILO基準とは別のEU社会保護統計独自の集計が行われています。こちらは、Eurostatホームページ内European social statistics: Social protection expenditure and receipts - Data 1997-2005
からダウンロードできます。このほか、財務省ホームページ内の国際比較に関する資料
で国民負担率の国際比較データを見ることができます。
そのほか、 OECDホームページでは、Social and welfare statistics
、 貧困率に関する国際比較
等が掲載されるなど、関連する調査報告類を見ることができます。
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