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    サブプライムローン問題


    【目次】
    1.サブプライムローンとは
    2.サブプライム問題の発生
    3.国際金融市場や日本経済への影響
    4.参考資料
    5.「テーマ別調べ方案内」内関連コンテンツ


    1.サブプライムローンとは
    サブプライムローンとは、プライム(最良・優良)に準じる、という意味で、過去にローンやクレジットカードなどの延滞履歴がある、銀行口座を持たないなどの理由で、ローンを貸しても延滞する可能性が高い顧客層への住宅ローンを指します。アメリカでは個人の信用力が客観的な基準で評価されており、信用力の高いプライムの基準に満たない債権者に向けた住宅ローンをサブプライムローンと呼びます。

    2.サブプライム問題の発生
    サブプライムローンはもともと、延滞可能性の高い、つまり信用リスクの高い顧客への貸付なので、焦げ付く可能性を考慮し高い金利が設定されていました。ところが、2000年代に入って金利が引き下げられたため過剰流動性(カネ余り)が生じ、この資金が住宅市場に流れ込みました。世界的にもカネ余りが進行しており、その資金もアメリカの住宅ローン市場に流入、住宅価格は上昇しました。また、この頃導入された、2年間は固定金利、残りの28年間は変動金利といったサブプライムローン商品では、金融緩和で固定期間の金利が低く抑えられるため利用が増加しました。
    低金利がいつまでも続くわけではない中、いずれ返済額が増えることが確実なリスクの高い商品が多く利用された一つの理由として、利用者が商品の特性を十分理解していなかったことが挙げられます。サブプライムの利用層にはマイノリティが多く、金融知識が乏しく説明しても理解できなかったケースもありますが、金融機関がそもそもリスクを説明しなかったケースが問題となっています。また、リスクを認識していても、住宅価格が上昇し続ける中で、今買わなければ一生家をもてない、と考えた低所得者や、短期の転売で利益を得る目的の顧客もいたと考えられます。全米で一斉に住宅価格が下落したことはなく、このまま価格は上昇し続ける、という認識があったようです。
    また、融資審査の面でも、30年という長期にわたる住宅ローンの返済能力を、当初の2、3年の低い金利で計算した返済額で審査する、厳格な収入証明を要求しなかったなどの問題がありました。この背景には、住宅価格が上昇を続けさえすれば、最悪、住宅を処分することで債権額を回収できるという金融機関の認識があったと思われます。
    このように、サブプライムローンは住宅価格の上昇が続くことを前提として成立したシステムでした。しかし、2004年からは金利が順次引き上げられ、2年固定や3年固定の固定期間が明けたサブプライムローンの利用者は、返済ができないペイメント・ショックに直面し、延滞が顕在化しました。また、住宅価格が下がったため、住宅を売ってローンを完済することも不可能となりました。これによって多くの住宅が差し押さえられ市場に売りに出された結果、供給過剰となり、さらに住宅価格が押し下げられ、住宅ローン市場の混乱が深まっていきました。

    3.国際金融市場や日本経済への影響
    サブプライムローンの多くは証券化され、それを購入した金融機関が束にして再証券化し、世界中の投資家に販売されていました。しかしローンの焦げ付きによりこれらの証券化商品の価格が暴落し、保有していた金融機関やヘッジファンドが巨額の損失を抱えることになりました。どの金融機関がどれだけの損失を抱えているか不透明であるため信用不安が広がり、世界の株式市場は2008年初めに大暴落しました。証券化商品や株式の投機資金は原油・金の先物市場や国際穀物市場に向かい、価格が高騰しています。
    日本は原油のほとんどを海外からの輸入に頼っており、原油や石油製品は様々な製品の製造等に利用されているため、価格高騰は経済全体の様々な商品やサービスの価格に波及し、個人消費の低迷につながっています。また、アメリカ経済の先行き不安からドルは低落傾向にあり、基軸通貨としての地位も揺らいでおり、円高ドル安が進行しました。アメリカは日本にとって最大の輸出先であるため、アメリカ経済の減速により輸出の減少が懸念されています。
    日本の銀行や証券会社など、金融機関のサブプライムローンによる直接的な損失は、関連商品の保有が少なかったことが幸いし、欧米の金融機関に比べ比較的軽微なものに留まっているとされています。

    4.参考資料
    ●『サブプライム問題の正しい考え方』(中央公論新社 2008 【DF317-J15】)
    サブプライムローンの説明から、問題の影響、今後懸念される事態までをまとめた資料です。アメリカの住宅金融やサブプライムローンの仕組みを紹介し、問題を増幅させた住宅ローンの証券化についても解説しているほか、日本における影響についても整理されています。巻頭には略語表、巻末には参考文献を付します。

    ●『サブプライム問題とは何か : アメリカ帝国の終焉』(宝島社 2007 【DF317-H82】)
    住宅バブルの社会的背景、サブプライムローンの仕組み、問題の発生から現在までの経緯、今後の見通しを解説しています。

    雑誌記事索引によってサブプライムローン問題を取り上げた記事を検索することができますが、ヒット数が多くなってしまうため、刊行年月や雑誌名で絞り込むことをお勧めします。サブプライムローン問題を取り上げた記事を掲載している雑誌としては以下のようなものがあります。

    総合経済誌
    最新の情報を簡潔にまとめており、サブプライムローン問題についても現状を概観することができます。

    ●『週刊東洋経済』(東洋経済新報社 週刊 【Z3-38】)
    「この一冊で全てがわかる! 「サブプライム」危機と真相」((6114) 2007.12.1 pp. 38〜66,70〜81)ではサブプライムローン問題の始まりから世界経済への波及までを図表やデータを交えてまとめています。

    ●『エコノミスト』(毎日新聞社 週刊 【Z3-96】)
    「サブプライム恐慌」(85(64) (通号 3932) 2007.12.4 pp.22〜41)ではサブプライム問題の波及を概説し、アメリカ経済や政府、銀行・企業等の動向をまとめています。また、「米国経済白書2008」(86(29) (通号 3965) (臨増) 2008.5.26 pp.7〜338)は大統領経済報告を毎年臨時増刊として刊行している「米国経済白書」の2008年版で、「第2章 信用市場と住宅市場」としてサブプライム問題に関して報告しており、信用市場の混乱と政策対応などが分析されています。

    ●『週刊ダイヤモンド』(ダイヤモンド社 週刊 【Z3-85】
    「サブプライム連鎖の構図」(96(9) (通号 4218) 2008.3.1 pp. 44〜53)では、サブプライムローン問題が信用収縮をもたらし、景気減速を引き起こした波及メカニズムを図解しています。

    金融・経済専門誌
    サブプライムローン問題について、専門的で詳細な情報を得ることができます。

    ●『金融ビジネス』(東洋経済新報社 季刊 【Z3-1888】)
    「特集 徹底詳報! サブプライム危機」((通号 252) 2007.Aut pp.16〜69)や「特集 クレジット市場瓦解、薄氷踏む米欧大手銀 サブプライム 世界連鎖危機」((通号 254) 2008.Spr pp.14〜57)といった特集が組まれており、サブプイライム問題の影響による金融市場の動きやアメリカ政府対応などを分析、解説しています。

    ●『経済セミナー』(日本評論社 月刊 【Z3-222】)
    「特集 サブプライムローン問題とグローバルマネー」((通号 635) 2008.2・3 pp.19〜48)では、はじめにサブプライムローン問題について概説し、国際資本移動や金融市場、世界経済の動きについて論述しています。

    ●『月刊金融ジャーナル』(金融ジャーナル社 月刊 【Z3-247】)
    「特集 米国金融危機の行方--日本への影響は」(49(6) (通号 616) 2008.6 pp.9〜32)では、サブプライムローンや金融機関への影響、リスク管理などについての論考が掲載されています。

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