【目次】
1. パーキンソン病とは
2. パーキンソン病に関する参考図書
3. パーキンソン病に関する雑誌記事・論文の探し方
4. パーキンソン病に関するインターネット情報源
1. パーキンソン病とは
パーキンソン病は、イギリスの開業医であったJames Parkinson氏が、自身の経験した6症例を“An Essay on the Shaking Palsy”と題した本にまとめたことからその名が付けられました。日本においては特定疾患に指定されています(特定疾患については、難病情報センターホームページ内、難病(特定疾患)とは?
をご参照ください)。厚生労働省による平成17年患者調査の総患者数,性・年齢階級×傷病小分類別
で把握されている患者数は、17万5千人です。厚生労働科学研究費補助金による有病率調査では、加齢とともに有病率が増加するとの報告がなされています。日本の有病率調査では、男女比は女/男=1.8とやや女性に多いとの結果がありますが、海外の有病率調査では、男性が多いとする研究報告があるようです。日本では、高齢者の男女比が女性の方が多いことを考慮すると、発生頻度に男女差は無いと記す資料もあります。
パーキンソン病の主要な症状としては、振戦(手や足のふるえ)、固縮(筋肉がかたくこわばって動きが悪くなる)、無動(自発的な動作が少なくなり、緩慢になる)、姿勢反射障害(前屈前傾姿勢になる)、歩行障害(歩行速度の遅延)が挙げられます。2009年10月時点では、パーキンソン病の原因は明確でないとする文献が複数みられ、環境因子と遺伝因子の両面から原因を解明しようとする研究が進められており、特に環境因子(栄養・食事、タバコ、科学物質の曝露など)に着目した論文が増加しています。脳内黒質のドパミンニューロン(ドパミンを生成する神経細胞)が変性することで、パーキンソン病の症状が引き起こされると考えられており、日本神経学会のパーキンソン病治療ガイドライン2002では、不足するドパミンを補う薬剤等を用いた薬物療法が示されています。
症状が進んだ場合には、リハビリテーションが必要であると記す資料もあります。日本神経学会のパーキンソン病治療ガイドライン2002では、夜間頻回覚醒に対して、日中のリハビリテーションの対応が必要であると示しています。
※参考文献
『ここまでわかったパーキンソン病研究』(服部信孝編 医歯薬出版 2009.3【SC367-J85】)pp.5-8.
『パーキンソン病 病因病態と治療、うつ・衝動制御障害』(山本光利編著 中外医学社 2008.3【SC367-J43】)pp.13-25.
『よくわかるパーキンソン病のすべて』(水野美邦,近藤智善編 永井書店 2004.1【SC367-H20】)p.3
『パーキンソン病(よくわかる最新医学)』(山之内博監修 主婦の友社 2004.8【SC367-H41】)pp.8-19
2. パーキンソン病に関する参考図書
NDL-OPAC
で図書(日本語)を検索するには、「一般資料の検索/申込み」を選択します。このとき、画面上部の和図書、電子資料にチェックを入れておきます。パーキンソン病に関する図書を探すには、書名(タイトル)または件名に「パーキンソン病」と入力して検索します。件名検索を行うと、タイトルに「パーキンソン病」というキーワードが含まれていないパーキンソン病関連の図書も探すことができます。検索結果を絞り込むには、キーワードの追加や出版年の指定などを行います。
こうして検索した結果の中から、数点の図書をご紹介します。【 】内は当館請求記号です。所蔵館(東京本館/関西館)については、“《⇒NDLの所蔵》”をクリックし、「書誌詳細表示」画面の「所蔵詳細/申込み」ボタンをクリックして、ご確認ください。
●『パーキンソン病治療ガイドライン : マスターエディション』(日本神経学会監修 医学書院 2003.8 【SC367-H75】
)
パーキンソン病の患者の診療にあたる医師が適切な判断を下せるように支援する目的で編集されたガイドラインです。1966年から2001年の間に発表されたパーキンソン病の治療に関する論文を集め、各々の論文がどのレベルのエビデンスにあるかを明らかにした上で、専門医の経験と知識に基づく意見とを融合させ、臨床に役立つ治療ガイドラインとしてあります。
●『EBMのコンセプトを取り入れたパーキンソン病ハンドブック.改訂第2版』(水野美邦編著 中外医学社 2007.4 【SC367-H388】
)
パーキンソン病に関連した臨床・基礎の最新所見がほぼ網羅されるように編集されたハンドブックです。パーキンソン病治療の標準化を目指して編集されており、客観的データに基づいた記述がなされています。「I.臨床編」と「II.基礎編」の2編から構成されており、Iでは疫学、病態生理、臨床症候、治療など実際の診療に役立つ内容が、IIではやや専門的な内容の病理学的知識がまとめられています。
●『パーキンソン病(よくわかる最新医学)』(山之内博監修 主婦の友社 2004.8 【SC367-H141】
)
患者層向けに編集された、パーキンソン病の解説書です。パーキンソン病の病状、原因、検査や診断の受診、薬物療法を中心とした治療法、症状が進んだときの対処法、リハビリテーション、日常生活におけるケアなどについて解説しています。全体的にイラストを多く用いて説明しているので、専門知識がなくても理解しやすい内容となっており、特にリハビリテーションの手順などは図で示されているので、自宅でも参照しながら行えるようになっています。
●『よくわかるパーキンソン病のすべて』(水野美邦,近藤智善編 永井書店 2004.1 【SC367-H120】
)
パーキンソン病治療の専門家ではない一般的な医療関係者にもパーキンソン病が理解できることを目的としています。「I 基本編」は「1 パーキンソン病とはどんな病気か」のような基礎的な話に始まり、非薬物療法や手術療法も含めた治療法などが解説されています。「II 臨床応用編」ではパーキンソン病の疫学と予後、パーキンソン病とパーキンソン症候群の鑑別診断を解説、「III 基礎応用編」ではパーキンソン病の原因や病態生理などを掘り下げて解説しています。
●『パーキンソン病(最新医学別冊 新しい診断と治療のABC.39)』(水野美邦編 最新医学社 2006.7 【SC367-H300】
)
パーキンソン病の診断や治療についてまとめられています。4大症状と言われる振戦や固縮などの症状以外に、睡眠障害などの非運動症状にも重点をおいた解説がなされています。また、「第5章 ガイドライン」では、日本神経学会が発表した「パーキンソン病治療ガイドライン 2002」について、総論と各論に分けて解説しています。
3. パーキンソン病に関する雑誌記事・論文の探し方
●雑誌記事索引
NDL-OPAC
で「雑誌記事索引の検索/申込み」ボタンを押します。検索したい年代にチェックをかけ、論題名検索ボックスに、“パーキンソン病”などのキーワードを入れて検索します。検索結果件数が200件を超える場合は、刊行年月の限定やキーワードの追加などで200件以内になるように適宜調整してください。
雑誌記事索引に収録されている文献は原則として国立国会図書館所蔵資料です。登録利用者であれば検索結果から直接複写申込みができます。それ以外の方は当館ホームページの「複写サービス」>「お近くの図書館から申し込む」をご参照ください。
●医中誌Web(館内でのみ利用可)
国内の大学・学協会・研究所・病院等が発行している約4,700誌の定期刊行物に掲載されている論文の中から採録された文献情報の検索が可能です。東京本館および関西館に来館可能な方は、無料で利用することができます。
パーキンソン病に関する医中誌の統制語に“Parkinson病”があります。デフォルトのまま、新規検索の検索窓に“Parkinson病”と入力して検索すると件名検索を行うことができます。検索対象年を2003〜2008に設定して、この検索を行なうと5,773件の文献がヒットします(2008年3月14日現在)。文献を絞り込みたい場合は、キーワードを追加したり、絞込み検索で文献の属性などを指定してください。医中誌Webの詳しい検索方法については、テーマ別調べ方案内の「医中誌Web(館内でのみ利用できます)」をご参照ください。
●PubMed![]()
米国国立医学図書館(U. S. National Library of Medicine)が提供する、医学文献二次情報データベースMEDLINEを中核とする無料医学情報サービスです。パーキンソン病に相当する件名は“Parkinson Disease”です。件名検索を行うには、検索ボックスに“"Parkinson Disease"[Mesh]”と入力し、「Go」ボタンを押します。この検索を行うと、31,368件の文献がヒットします(2008年3月14日現在)。検索結果を絞り込みたい場合は検索語を付加するか、左上のLimitsタブを押し、言語や刊行年、論文タイプなどを指定して絞り込んでください。
PubMedの詳しい検索方法や検索結果から原文献を入手する方法については、テーマ別調べ方案内の「PubMedの検索と原文献入手法」をご覧下さい。
上記のデータベースで検索した結果の中から、日本語の記事を数点ご紹介します。タイトルの後ろに“《⇒記事情報》”とあるものは、NDL-OPACの「雑誌記事索引」に収録されており、クリックすると書誌事項を確認できるほか、登録利用者であれば、そのまま郵送複写を申し込むことも可能です。
●「【新しい神経疾患治療薬の動き】パーキンソン病」
Author:岩下達雄(慶応義塾大学 神経内科), 高橋一司
Source:Clinical Neuroscience(0289-0585) 25巻11号 Page1231-1235 (2007.11) 【Z19-1451】 ![]()
パーキンソン病治療薬について、新しく承認あるいは市販されものから、臨床試験が実施もしくは検討中、開発中のものまで含め、薬物の作用機序別に紹介しています。紹介されているのは、COMT阻害薬(Catechol-O-MethylTransferase阻害薬)、ドパミンアゴニスト、MAO-B阻害薬(MonoAmine Oxidase B阻害薬)、アデノシンA2受容体拮抗薬などの種別から、15種類です。各薬品の概要と動物実験結果などが紹介されています。
●「Parkinson病治療に関する最近の話題】 Parkinson病の非運動症状に対する治療と対策」
Author:熊澤竜哉(東海大学 医学部内科学系神経内科), 中川聡子, 高橋裕秀, 吉井文均
Source:神経治療学(0916-8443) 24巻5号 Page541-545 (2007.09) 【Z19-1802】 ![]()
これまでパーキンソン病の主症状と言われてきた運動症状以外の症状に焦点をあてて、治療と対策を論じています。対象としている症状は、便秘・排尿障害・起立性低血圧などといった自律神経症状や、睡眠障害・うつ状態・幻覚・妄想などの精神症状です。本稿ではこれらについて、症状ごとの治療方針や適用すべき薬物などを概説しています。
●「【パーキンソン病の認知機能障害】 パーキンソン病のうつとアパシー」 《⇒記事情報》![]()
Author:三村將(昭和大学 医学部精神医学教室)
Source:BRAIN and NERVE: 神経研究の進歩(1881-6096) 59巻9号 Page935-942 (2007.09) 【Z19-266】
パーキンソン病に伴う精神症状(うつ、アパシー、不安、パニック、興奮、強迫など)のうち、最もよくみられる問題であるうつとアパシー(無感情)の診断・評価の概要を述べた論文です。うつについては、パーキンソン病におけるうつの有病率、うつ病のとらえ方、うつ病の症状などを解説しています。アパシーについては、診断基準や評価尺度を掲載し、アパシーの診断と評価方法を解説しています。
●「【精神科治療薬の副作用 予防・早期発見・治療ガイドライン】 精神科治療薬ごとの副作用 抗パーキンソン病薬」
Author:松原洋一郎(順天堂大学医学部附属順天堂東京江東高齢者医療センター メンタルクリニック), 榛沢亮, 井関栄三
Source:精神科治療学(0912-1862) 22巻増刊 Page266-271 (2007.11) 【Z19-1789】 ![]()
パーキンソン病に使用される様々な薬の概要、使用禁忌、臓器別の副作用などを紹介した論文です。紹介されている薬品はL-dopa製剤、ドパミン受容体作動薬、抗コリン薬、MAO-B阻害薬の4種類です。4種類それぞれについて、日本で使用可能な薬の商品名リストも掲載されています。
4. パーキンソン病に関するインターネット情報源
●パーキンソン病関連疾患
(難病情報センター)
難病情報センター作成の、パーキンソン病に関する情報サイトです。一般患者向けに平易に解説された「特定疾患情報」と、やや専門的な内容を解説し、パーキンソン病の研究成果も閲覧できる「治療・診断指針」が掲載されています。また、特定疾患と認定されるための基準も掲載されています。
●パーキンソン病
(ファイザー社)
ファイザー株式会社提供の、パーキンソン病に関する情報サイトです。一般の患者用のサイトと、医療関係者向けのサイトがあります。一般の患者用のサイトでは、パーキンソン病の起こる仕組みや症状、治療法などの解説を閲覧できます。








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