【目次】
1. アトピー性皮膚炎とは
2. アトピー性皮膚炎に関する参考図書
3. アトピー性皮膚炎に関する雑誌記事・論文の探し方
4. アトピー性皮膚炎に関するインターネット情報源
1. アトピー性皮膚炎とは
日本皮膚科学会は、「アトピー性皮膚炎は、増悪・寛解を繰り返す、痒のある湿疹を主病変とする疾患であり、患者の多くはアトピー素因を持つ」と定義しています。アトピー素因とは家族歴と既往歴、あるいはアレルゲンに対する過敏性反応を起こすIgE抗体を産生しやすい素因を指します。このように、アトピー性皮膚炎は個体要因(遺伝的要因)と発症因子、悪化因子によって起こります。症状は前述のように痒みを伴う湿疹が繰り返し出現するほか、皮膚の乾燥が起こります。また、魚鱗癬・気道アトピー、網膜剥離などの合併症が発症することもあります。
アトピー性皮膚炎は比較的患者数の多い皮膚疾患です。厚生労働省による平成17年患者調査の「総患者数,性・年齢階級×傷病小分類別
アトピー性皮膚炎の治療法には、ステロイド外用剤などの外用薬を正しく使用して患部の炎症を抑える療法があります。ステロイド外用剤については副作用が問題視されたこともありますが、医師の指導を守り、正しく使用すれば副作用はほとんど起こらないとされています。ステロイド外用剤のほか、近年ではプロトピック軟膏を顔と首に用いることもあります。また、症状に応じて抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの内服薬を使用することもあります。このような薬物による治療のほか、入浴して患部を清潔にし、普通の生活リズムを保つなどの日常生活に気をつけることも重要です。
参照:
・『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』pp.1-5
・『よくわかるアトピー性皮膚炎の治療法 : 悪化原因の検索・除去を中心に』pp.5-9、pp.13-39
2. アトピー性皮膚炎に関する参考図書
NDL-OPAC
こうして検索した結果の中から、数点の図書をご紹介します。【 】内は当館請求記号です。所蔵館(東京本館/関西館)については、“《⇒NDLの所蔵》”をクリックし、「書誌詳細表示」画面の「所蔵詳細/申込み」ボタンをクリックして、ご確認ください。
●『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン. 2006』(山本昇壯,河野陽一監修 協和規格 2006.5 【SC591-H196】
社団法人日本アレルギー学会のアトピー性皮膚炎ガイドライン専門部会が中心となって作成したガイドラインです。アトピー性皮膚炎の治療に関わる医師全般に向けて作成されており、基本治療を中心に治療指針を掲載しています。記載内容は、アトピー性皮膚炎の定義・疾患概念などの基礎知識から診断、臨床症状、基本治療の概要、スキンケア、薬物療法などの具体的な診療方法までを扱っています。各章末には、エビデンスとした文献の一覧が掲載されています。
●『アトピー性皮膚炎 : よりよい治療のためのEBMデータ集』(古江増隆編 中山書店 2005.5 【SC591-H114】
『アトピー性皮膚炎診療ガイドライン』の根幹となっている適正治療の医学的な根拠を収集したもので、ガイドラインの根拠を詳しく知りたい医療関係者や患者に有効な資料です。本書は2編から構成されており、前半部分の「atopic dermatitis」で、ステロイド外用療法、タクロリムス外用療法、抗ヒスタミン薬・抗アレルギー薬などのエビデンス評価の概要(目的と方法、結果、考察など)を解説しています。後半部分の「Systematic Review」では、トピックごとに収集した文献の対象症例数や年齢、研究デザイン、評価項目、結果、有害事象などをまとめて一覧表にして掲載しています。この一覧表は、医療情報を求める利用者が収集と吟味をする手間を省き、効率的に情報を得るのに役立つように作られています。
九州大学医学部皮膚科学教室ホームページ内の「アトピー性皮膚炎 よりよい治療のための -Evidence-based Medicine(EBM
●『よくわかるアトピー性皮膚炎の治療法 : 悪化原因の検索・除去を中心に』(上原正巳著 メディカルレビュー社 2008.7 【SC591-J32】
一般向けに分かりやすく書かれた資料です。「皮膚炎の悪化原因を探し出して除去する」ことを中心に、アトピー性皮膚炎の治療法について説明しています。日常生活での注意点、外用薬・内服薬とその使い方など、患者が必要とする具体的な情報が掲載されているのが特徴です。また、対処療法だけでは根治には至らないとして、皮膚のよごれや外用薬かぶれなどへの対処、食物などの中から悪化原因を特定し、除去する療法についても記載しています。
●『アトピー性皮膚炎』(竹原和彦編 医歯薬出版 2006.2 (別冊医学のあゆみ) 【SC591-H181】
専門医の分担執筆により、アトピー性皮膚炎の病態生理、診断、治療について解説しています。「第1章 病態生理—現況と最近の進歩」、「第2章 診断—現況と最近の進歩」、「第3章 治療—現況と最近の進歩」の3章から成り、いずれも最近の研究成果にもとづいて執筆されています。「アトピー性皮膚炎の痒みのメカニズム」のような基本知識に関する情報から、「保湿剤とスキンケア」のような具体的な日常ケアに関する情報が幅広く含まれています。
3. アトピー性皮膚炎に関する雑誌記事・論文の探し方
●雑誌記事索引
NDL-OPAC
雑誌記事索引に収録されている文献は、原則として国立国会図書館所蔵資料です。登録利用者であれば、検索結果から直接複写申込みができます。それ以外の方は、当館ホームページの「複写サービス」>「お近くの図書館から申し込む」をご参照ください。
●医中誌Web(館内でのみ利用可)
国内の大学・学協会・研究所・病院等が発行している約4,700誌の定期刊行物に掲載されている論文の中から採録された文献情報の検索が可能です。東京本館および関西館に来館可能な方は、無料で利用することができます(複写は有料です)。
アトピー性皮膚炎に関する医中誌の統制語に“皮膚炎-アトピー性”があります。アドバンスド・モードの検索画面で、デフォルトのまま、新規検索の検索窓に“皮膚炎-アトピー性”と入力して検索すると、統制語検索が可能です。検索対象年を2003〜2008に設定して、この検索を行なうと5,929件の文献がヒットします(2008年10月9日現在)。文献を絞り込みたい場合は、キーワードを追加したり、絞り込み検索で文献の属性などを指定してください。医中誌Webの詳しい検索方法については、テーマ別調べ方案内の「医中誌Web(館内でのみ利用できます)」をご参照ください。
●PubMed
米国国立医学図書館(U. S. National Library of Medicine)が提供する、医学文献二次情報データベースMEDLINEを中核とする無料医学情報サービスです。PubMedでは、MeSHという件名システムを用いています。この件名システムにおいて、アトピー性皮膚炎に相当する件名は“Dermatitis, Atopic”です。検索ボックスに“"Dermatitis, Atopic"[Mesh]”と入力し、「Go」ボタンを押すと件名検索を行うことができます。この検索を行うと、10,793件の文献がヒットします(2008年10月9日現在)。検索結果を絞り込みたい場合は検索語を付加するか、左上のLimitsタブをクリックして絞り込む条件を設定してください。“Links to free full text”にチェックを入れると、無料で全文アクセス可能な文献にのみ検索対象を絞り込むことができます。
PubMedの詳しい検索方法や検索結果から原文献を入手する方法については、「PubMedの検索と原文献入手法」をご覧下さい。
上記のデータベースで検索した結果の中から、日本語の記事を数点ご紹介します。タイトルの後ろに“《⇒記事情報》”とあるものは、NDL-OPACの「雑誌記事索引」に収録されており、クリックすると書誌事項を確認できるほか、登録利用者であれば、そのまま郵送複写を申し込むことも可能です。
●「【アレルギー疾患の遺伝】 アトピー性皮膚炎」 《⇒記事情報》
Author:榎本久子(筑波大学 大学院人間総合科学研究科社会環境医学専攻遺伝医学分野), 大塚藤男, 有波忠雄, 野口恵美子
Source:アレルギー・免疫(1344-6932) 15巻7号 Page906-911 (2008.06) 【Z19-B207】
これまでの研究成果とサンプル解析を踏まえて、アトピー性皮膚炎の発症と遺伝との関係を解説しています。アトピー性皮膚炎の遺伝学的研究として、候補遺伝子研究のこれまでの研究成果と文献一覧を紹介しています。また、全ゲノム連鎖解析については、これまでの研究例5つを挙げており、アトピー性皮膚炎と遺伝との相関関係を示しています。
●「【処方計画法】 アレルギー疾患 アトピー性皮膚炎」 《⇒記事情報》
Author:古川福実(和歌山県立医科大学 皮膚科学教室)
Source:綜合臨床(0371-1900) 57巻増刊 Page1342-1344 (2008.04) 【Z19-358】
アトピー性皮膚炎患者への薬剤処方計画について、具体例を2つ挙げて紹介しています。具体例は、中等症の成人と顔面紅斑などの症状がある小児です。それぞれの症例に対して、薬剤名、使用法、主作用、副作用と対策、禁忌事項を紹介しています。
●「【ステロイド療法の現状と展望】 皮膚疾患(アトピー性皮膚炎)」
Author:桧垣祐子(東京女子医科大学女性生涯健康センター)
Source:炎症と免疫(0918-8371) 16巻3号 Page304-310 (2008.04) 【Z19-3711】
アトピー性皮膚炎治療の主軸であるステロイド外用療法について解説しています。患者や家族に対して、EBMに基づいた分かりやすい説明を行えるようにすることを目的としてまとめています。アトピー性皮膚炎治療ガイドラインに基づくステロイド外用薬の使用方法や皮疹の重症度によるステロイド外用薬ランクの使い分け、塗布量と外用回数、副作用などについて解説しています。
4. アトピー性皮膚炎に関するインターネット情報源
●(財)日本アレルギー協会
一般向け及び医療従事者向けにアレルギー疾患に関する情報を提供しているサイトです。皮膚アレルギー情報
●リウマチ・アレルギー情報センター
アレルギー疾患のガイドラインや薬剤情報を掲載しています。ガイドライン
●アトピー性皮膚炎に関する情報
アトピー性皮膚炎について一般向けに解説したパンフレットや痒みが起こる理由とその対策などの易しい解説が掲載されています。また、厚生科学研究「アトピー性皮膚炎の既存治療法の適応と有効性の再評価に関する研究の一貫として作成されたガイドライン」(ただし最後に改訂されたのは2002年です)を閲覧することもできます。
●日本アトピー協会
NPO法人日本アトピー協会が作成しているサイトです。アトピー性皮膚炎およびアレルギー諸疾患の患者に情報を提供し、治療を支援することを目的としています。アトピー性皮膚炎の原因、症状、治療、日常生活の注意点などの情報を掲載しています。
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