旧満州の都市地図5 撫順

撫順(ぶじゅん、Fǔshùn)は、中国の遼寧省東部、省都の瀋陽から東40kmに位置します。撫順炭田を中心に発展した鉱工業都市で、かつては「石炭の都」とよばれました。日露戦争終結後、日本が採掘権を独占し、南満州鉄道株式会社が炭鉱の経営にあたりました。石炭採掘のため人口が急増し、1937年に市制が施行されました。

当館が所蔵しているおもな地図には以下のものがあります。【 】内は当館請求記号です。

1. 都市地図類

  • 撫順市街一覽圖』 1:6,000 (伴久雄ほか 1922.11 【YG819-2923】)
    町名や主要施設の位置が記載されています。
  • 近代中国都市地図集成』(柏書房 1986.5 【YP7-130】:目次情報)(地図室・アジア開架)
    pp.31-32 に「撫順(1927年)」(1:4,000 田村壽明 昭和2年)の複製版が掲載されています。大通りの名称や商店、官公庁の位置は記載されていますが、地番、番地、戸別情報は分かりません。複製にあたり、1:5,000に縮小されています。
  • 中国商工地図集成』(柏書房 1992.10 【YP7-158】:目次情報)(地図室・アジア開架)
    p.7 に「大日本職業別明細図第229号」(縮尺不明, 東京交通社 昭和6(1931)年発行)の複製版が掲載されています。大通りや商店、官公庁の場所の記載はありますが、地番、番地、戸別情報や建物の形は分かりません。
  • 撫順市街地図(満洲地図シリーズ8)』(謙光社資料部 1980.3 【YG41-M13-10】)
    月刊満洲社 昭和12(1937)年刊の複製図。縮尺が比較的大きな市街図(1:10,000)であり、一部例外はありますが、番地や戸別情報も記載されています。地番の記載はありません。異なったシリーズ名で『撫順市街地図(日本列島を繞る激動の昭和半世紀の史料 13)』【YG41-M13-15】(地図室書庫)もありますが、図の記載内容に違いは見られません。
  • 撫順観光案内』(撫順観光協会 康徳6 【特276-595】)(国立国会図書館デジタルコレクション
    6コマ目に「撫順市街図」(縮尺不明)が収録されています。詳細な図ではないため、通りの名称・番地・戸別情報・建物の形状等は分かりません。資料保存のため、ご利用いただけるのはデジタル化資料のみです。
  • Shen-yang』(AMS ; L542 Manchuria, sheet NK 51-8) 1:250,000 (Army Map Service 1958.11 【YG713-677】)
    裏面に「Fu-Shun and vicinity(撫順とその近郊)」([1:50,000], 白黒)が掲載されています。なお、下記サイトにて同一の資料の画像を確認することができます。

2. 地形図

上記以外にも、撫順を含む地形図を所蔵しております。市街の詳しい様子は判明しませんが、撫順と周辺の位置関係などが確認できます。

2-1. 1:50,000地形図

  • 奉天都市建設方策』(南満州鉄道経済調査会 1935 【318.92251-M494h】)(国立国会図書館デジタルコレクション
    134コマ目以降に 1:50000「奉天及撫順附近地形圖」(第三部都市計畫班 1933.1 色刷 78×109cm)が収録されています。資料保存のため、ご利用いただけるのはデジタル化資料のみです。
  • 旧満州五万分の一地図集成 2』(科学書院 1985.9 【YP7-151】)(地図室開架)
    p.449 に 1:50,000「撫順縣」(陸地測量部 1933.4 【YG819-1752】)(地図室書庫)の複製版が掲載されています。ただし、印刷が若干不鮮明です。
  • 撫順』(大日本帝國陸地測量部 1938.12 【YG819-2009】)
  • 撫順』(滿洲國治安部 1938.12 【YG819-2010】)

2-2. 1:100,000地形図

2-3. 1:200,000地形図

  • 奉天』(大日本帝國陸地測量部 1933.3 【YG819-512】)

2-4. 1:500,000地形図

  • 奉天』(大日本帝國陸地測量部 1932.11 【YG819-416】)
  • 奉天』(大日本帝國陸地測量部 1936.8 【YG819-417】)

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