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トップアジア諸国の情報をさがす刊行物>(特集1)関西館開館後の国立国会図書館のアジア情報サービス:アジア情報室の開設にあたって: アジア情報室通報第1巻第1号

(特集1)関西館開館後の国立国会図書館のアジア情報サービス:アジア情報室の開設にあたって: アジア情報室通報第1巻第1号

アジア情報室通報 第1巻第1号(2003年3月)
富窪 高志(アジア情報課長)

アジア情報室の前身は国立国会図書館創設の1948年6月、赤坂本館(現迎賓館)に設けられた中国資料閲覧室である。その後、1961年には現東京本館庁舎第一期工事完成にともなってアジア・アフリカ資料室、1986年には新館建設を契機にアジア資料室と組織を継承し、当館は一貫してアジアに関するレファレンスや資料提供を行うサービス拠点を設けてきた。東京本館における長年の蓄積を基に、アジア情報に対するニーズや関心の増大に応えるべく関西館に設置されたのがアジア情報室である。

この間、現在アジア情報室が対象とする東アジア、東南アジア、南アジア、中央アジアおよび中東・北アフリカの国・地域はそれ自身が大きく変貌すると同時に、相互関係も緊密化・複雑化し、日本とアジア地域間のモノ、人、そして情報の往来も増大した。アジア研究についても新しい学会や研究組織が生まれ、資料・情報収集機関が相次いで設立されてきた。また、公共図書館では地域やコミュニティの特徴を反映し、アジア言語資料を収集し、ニーズに直結したサービスを展開するところも多くなってきている。貿易、統計等のビジネス情報も視野に入れると、アジアに対する関心・アジア情報に対するニーズは確かに多様化・増大している。

一方情報通信技術の進展により、図書館を取り巻く環境も大きく変化した。インターネット情報に代表されるように、情報資源が多様化すると同時に、図書館の情報提供手段も多様化するという新しい可能性は図書館に変化への対応を迫っている。

これらのことを念頭に、アジア情報室として今後取り組むべき方向性をいくつかあげてみたい。

蔵書構築

現在アジア情報室が所管する主なコレクションは、長年にわたり蓄積されてきた中国語と朝鮮語資料である。これは国内でも有数のものといえる。しかし、中国語、朝鮮語以外の言語資料については、収集ルートの問題もあり、残念ながら質・量ともにこれから新たに構築するというレベルである。これについては国内他機関の事例等も参考にしながら継続的な取組みを行っていく必要がある。また、今後は電子資料を含めた幅広い外部情報資源を活用したコレクション構築を進めていきたい。

情報提供

アジア情報室の開設を機にアジア言語OPACによる書誌情報提供開始、アジア情報室ホームページ立上げ、そして本誌の刊行と情報提供に取り組んできた。今後コンテンツの追加、見直しなどを行い、提供する情報のより一層の充実につとめていきたい。

相互協力

相互協力の目標は、利用者が求める情報を国内外の関係機関との相互協力によって可能な限り提供することにある。昨年度東京本館において関係機関懇談会を開催したが、その目的はまず関係機関間の交流を図り、国全体の情報資源の充実と流通促進を図ることであった。今年度も引き続き第2回の懇談会を2月28日に関西館で開催した。協力の必要性について認識を共有し、まず可能なところから具体的な取組みを始めることを確認した。

職員養成

言語をはじめ、アジア地域の歴史から現代事情に対する知識・理解、図書館や関連機関、出版等の動向把握、そして電脳時代に対応できる技術とアジア情報課員に要求される範囲は広い。 日常業務を通した育成が基礎ではあるが、語学研修をはじめとする館内外の研修および海外への出張・派遣等の機会の確保を検討していきたい。

東京本館との連携

東京本館来館利用者のアジア情報に対するニーズにどう応えてゆくか。資料の取寄せサービスはすでに実施しているが、アジアの児童書を収集提供する国際子ども図書館も含めた、国立国会図書館全体としてのアジア情報サービスの拡充について検討する必要がある。

アジア情報室は最初の立上げの時期を過ぎて、中長期的な展望のもとにこれらの課題への取組みを本格的に始める時を迎えたといえる。アジア情報室自身の努力で解決できる課題もあるが、一方で特に国内の関係機関と連携・協力した取組みが必要とされるものも多い。既にアジア情報室の開設に当たっては、多くの関係機関・各位のご協力をいただいてきたが、今後のさらなるご協力をお願いしたい。

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