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アジア地域の国立図書館のホームページ(1): アジア情報室通報第1巻第2号

アジア情報室通報 第1巻第2号(2003年6月)

今回から数回にわたって、アジア地域の国立図書館のホームページについて紹介します。
内容、完成度に違いはありますが、各館の活動状況や提供サービス、所蔵する情報資源について知ることができます。

中国国家図書館

http://www.nlc.gov.cn/外部サイトへのリンク(last access 2003.5.14)

中国国家図書館は1909年開館の京師図書館に始まる長い歴史を持つ。納本図書館として国内刊行出版物はすべて収集し、全国書誌を作成している。蔵書数は図書約880万冊、雑誌約87,000タイトル、新聞5,700タイトル、漢籍、敦煌文献、甲骨、金石拓片、地方志、族譜などの貴重資料を豊富に所蔵している。

トップページには、「文献検索」、「读者指南」、「国图概况」、「动态信息」、「特色服务」、「数字资源」、「科学研究」、「编辑出版」、「读者服务」、「数字图书馆」の10項目がある。

その豊富な蔵書を検索するOPACを利用するにはまず、トップページで「文献検索」を選択すると「ID入力」、若しくは「匿名登録」が求められる(「文献検索」から「中西文书刊目录检索」を選択してもよい)。
ID登録すると貸出中など資料の動態を知ることができたり、予約サービスが受けられるようである。蔵書検索だけが目的であれば直接「匿名登録」を選択し検索画面に入る。検索できる資料は、中国語や欧文の図書、雑誌、新聞、音楽映像資料のほか、学位論文、漢籍、金石拓片、敦煌吐鲁番文献などである。

当誌の「お知らせ」やアジア情報室ホームページ(http://www.ndl.go.jp/jp/service/kansai/asia/contents/asia_copyinfo.html) (last access 2003.5.14) で紹介しているように、中国国家図書館では個人向けに海外複写サービスを行なっている。日本では入手の難しい中国語雑誌の論文なども、中国国家図書館の豊富な蔵書を利用することで日本にいながら入手することができる。

「国图概况」では、中国国家図書館の1世紀にわたる歴史が紹介されている。また、中国图书馆学会、ISSN中国国家中心以外にも中国数字图书馆有限责任公司など、中国国家図書館と関係のある民間企業ともリンクがはられている。

「数字资源」では、同館が電子図書館プロジェクトの一環として進めている資料電子化の成果の一部が公開されている。石刻拓片、敦煌文献、地方志の画像データである。資料のデジタル化は1999年信息网络部に設置された电子信息服务中心で行われているが、プロジェクト全体の進捗状況は明らかでない。

中国国家図書館では現在、『中国图书馆学报』、『国家图书馆学刊』、『文献』、『文津流觞』の4タイトルの雑誌を出版している。前3誌の過去数年分の目次情報は「编辑出版」で紹介されている。また、2001年5月に創刊された『文津流觞』は、トップページにメニューが設けられ、創刊号からすべての巻号の全文が公開されている。

「数字图书馆」では、国家プロジェクトである中国数字図書館工程のほか、2007年完成を目指す同館の第2期工事(建築面積64,766㎡および国家デジタル図書館建設(同12,921㎡)に関する情報が得られる。

フィリピン国立図書館
The National Library of the Philippines

http://www.nlp.gov.ph/外部サイトへのリンク(last access:2003.5.11)

ホームページは英語で作成されており、国立図書館の総合案内、サービス、コレクション、OPAC、リンク、FAQの項目がある。

総合案内の沿革によれば、スペイン植民地時代の後、アメリカの統治下に入ったフィリピンでは、1900年に 在留米人のためのアメリカ巡回図書館がマニラで組織された。翌1901年、その蔵書約1万冊の英書がアメリカ軍政府に寄贈されたのをもって、フィリピンにおける公立図書館の創設としている。その後フィリピン政府に移管され、博物館等との合併や分離、移転、名称変更を経て、1961年現在の地に建物を建設、1964年に国立図書館となった。現在約127万点を所蔵する。

総合案内では沿革のほか、国内出版物の網羅的な収集と保存、全国書誌目録サービスの提供、公立図書館システムの中核機能といった国立図書館としての任務や目的が述べられている。また組織について、アジア・オセアニア、目録、蔵書構成、国内出版物、政府刊行物、公立図書館、レファレンスなどで構成された11部門のそれぞれの機能とセクションが紹介されている。

サービスの項では、国内出版物、レファレンス、アジア・オセアニア資料、視覚障害者用資料、マルチメディアセンター、政府刊行物といった6つの閲覧室やOPAC、利用案内、フィリピン図書館情報ネットワーク(PUBLIN)、移動図書館などについて案内している。

OPACは1997年に国内出版物資料室で公開された。現在、国内出版物、外国資料、新聞・雑誌の記事索引、AV資料が著者、タイトル、主題、注記から、あるいはその組み合わせによって検索できる。なお、OPAC現在館内利用のみのようである。

インドネシア国立図書館
Perpustakaan Nasional Republik Indonesia

http://www.pnri.go.id/外部サイトへのリンク (last access:2003.5.10)

インドネシア国立図書館は、1980年5月、包括的な国立図書館組織の実現と発展を理念として国立博物館図書館など4つの図書館を統合して設立された。1989年には26の地方図書館と図書館開発センターを合併、1990年には国立博物館図書館の前身に適用されていたものの1945年の独立後は消滅していた納本義務が法令化された。図書館としては、おもに社会科学・人文科学分野のサービスを提供している。

ホームページは現在のところOPACのほか一部を除いて、ほとんどインドネシア語で表記されている。項目は、納本、図書館ネットワーク、コレクション、サービス、組織、教育・トレーニングなどである。

コレクションの項では、定期刊行物、レファレンス資料といった一般的なもののほかに、特別コレクションとして伝統的なロンタール(貝多羅葉文書)や樹木の皮・竹を利用したマニュスクリプト(写本)、地図、絵画、18世紀以降の学術論文、点字資料、AV資料、マイクロ資料などが紹介されている。

サービスの項では、メディア変換、利用者登録、レファレンス、クリッピングサービスなどを案内する。

OPACの検索方法には、著者など検索する項目を指定し、単語や語句を入力する単語・文節検索、検索項目を指定し、さらにAND、OR、NOT機能を使用して検索する組み合わせ検索、検索式を使った組み合わせによって検索するブール検索がある。また、利用者がIDとパスワードを入力して自分の利用情報を確認することもできる。リクエスト項目としてILL、レファレンス、予約、購入リクエスト、整理督促などのサービスがあり、いずれもメールフォームを用いて利用することができるようになっている。

マレーシア国立図書館
Perpustakaan Negara Malaysia

http://www.pnm.my/外部サイトへのリンク(last access:2003.5.16)

マレーシアではIT産業の誘致、育成等を柱としたマルチメディア・スーパー・コリドー計画が進められているが、その一環である電子図書館構築のパイロット・プロジェクト「Mylib」(http://www.mylib.com.my外部サイトへのリンク)にトップページから入ることができる。国内外のあらゆる情報がリンクされた「Mylib」のトップページには国立図書館、マルチメディア開発公社、テレコムマレーシアがパートナーとしてあげられている。

さてトップページに戻り「COLLECTIONS」に入ってみる。その中でも「Manuskrip Melayu」と「National collection」を取り上げてみたい。「Manuskrip Melayu」ではマレー語をアラビア文字の借用で表記した、ジャウィ文字のマニュスクリプトを、ほんの一部ではあるが、カラー画像で見ることができる。ムラカ王国の一大英雄ハン・トゥアが王に忠誠を尽くす『Hikayat Hang Tuah(ハン・トゥア物語)』、18世紀後半のぺラ王国の『Misa Melayu(ミサ・ムラユ)』など、普段なかなか目にすることができない写本はとても興味深い。また1986年に制定された納本制度により、国内のすべての出版者は印刷体資料5部、非印刷体資料は2部国立図書館に納めることになっているが、「National collection」はそれらの資料によって構成されている。

「CORPORATE INFORMATION」には組織、歴史、館法などが載っており、実際利用したい場合には「SERVICES」を参照すればよい。OPACはTelnet接続である。

ホームページは英語で見ることができるが、より詳しい情報が載っているマレー語での利用を勧めたい。

シンガポール国家図書館管理局
National Library Board

http://www.nlb.gov.sg/外部サイトへのリンク(last access:2003.5.15)

シンガポール国立図書館は国立図書館と公共図書館の機能をあわせもつ、世界でもあまり例をみない図書館といわれていたが、1995年、国家図書館管理局(National Library Board:NLB)設立とともに改組された。

情報通信芸術省傘下のNLBは現在、国立図書館、2つの地域図書館、18のコミュニティ図書館、43のコミュニティ児童図書館を運営、管理している。「About Us」により組織の概略を知ることができる。

「Librarian's Choice」の「read reviews」外部サイトへのリンクをクリックすると、本の表紙の画像がついた書評が現れる。「Submit Your Reviews」では自分で書評を書きメール送信することも可能だ。

目録は「Home」の「Catalogue」をクリックする。NLBかSAFTI Military Institute Library(国軍訓練教育機関図書館)を選択する。NLBのOPACには簡易検索と詳細検索があり、所蔵館、請求記号、ステータス(貸出の可否、予約中、参考図書など)がわかる。英語の他、中国語、マレー語、タミル語からも検索できる。ちなみに、「About Us」中の2001年度年報によればその蔵書数は、マレー語図書553,073冊、逐次刊行物(以下、「逐刊」)32,281冊、中国語図書1,695,183冊、逐刊81,569冊、タミル語図書187,931冊、逐刊25,866冊、英語図書4,277,007冊、逐刊527,672冊である。

「Home」から「Our Libraries」に入ると登録方法や各図書館の利用時間、地図が載っている。永住者、外国人の登録にはパスポート、$10.40の登録料などが必要である。また「Home」の「New National Library building Updates」には2004年開館予定の国立図書館新館が紹介されている。

電子図書館「eLibraryHub」も「Home」から入る。「eLibraryHub」「InfoMall」の「eBooks」をクリックすると、10,000タイトルの電子書籍の全文を読むことができる。「keywords:Japan」で検索してみたところ、ラフカディオ・ハーンの『怪談』他7タイトルがヒットした。なお、「eLibraryHub」のすべての機能を利用するには「Join eLibrary」で登録しなければならない。

ベトナム国家図書館
Thư viện Quốc gia Việt nam

http://www.nlv.gov.vn/外部サイトへのリンク (last access:2003.5.14)

ベトナム国家図書館(Thư viện Quốc gia Việt nam)は、1919年に設立され、1945年のベトナム民主共和国時代に名称を現在の国家図書館と変更した。現在国家図書館は情報文化省の傘下にあり、11の局と1つの委員会で構成されている。

国家図書館の組織については「Giới thiệu thư viện」(図書館紹介)やその内部の「Cơ cãu tổ chức TVQG」(国家図書館の組織機構)などに詳しい。

OPACの検索は、「Tra sứu sách」(本の検索)から行うことが出来る。「Tra sứu sách」に入ると、左側のナビゲーションバーに、一般検索である「Tra cứu」(検索)、組み合わせ検索が出来る「Tra cứu nâng cao」(応用検索)、 「Tra cứu Z3950」(Z39.50検索)、閲覧カードを持っている人が資料の予約を行える「Người dùng」(利用者)の4つのメニューが表示される。OPACの使用法については、「Giới thiệu thư viện」の中の「Các phương tiện」(方法)の「Mục lục tra cứu trực tuyến」(データベース検索法)に簡単なものが掲載されている。同じページには、OPACで検索できる資料の年代等の説明がある。

なお、国家図書館のサイトは現在のところすべてベトナム語で書かれている。英語へのリンクボタンがあるもののまだ準備中のようだ。ベトナム語の部分も工事中が多く、今後の充実が期待される。

(注)Windows搭載のベトナム語入力機能ではこのOPACは検索できない。Unikey(http://unikey.sourceforge.net/外部サイトへのリンク) (last access 2003.5.20)などの入力ソフトを利用する必要がある。

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