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『中国经济增长十年展望 : 2013-2022 : 寻找新的动力和平衡』:アジア情報室の社会科学分野の資料紹介:アジア情報室通報 12巻4号

1.5 刘世锦(劉世錦)主编『中国经济增长十年展望 : 2013-2022 : 寻找新的动力和平衡(中国の経済成長 今後10年の展望 : 2013-2022 : 新たな原動力と均衡を求めて)』北京 : 中信出版社, 2013.4, IX, 552p【DC157-C323】

主編者の劉世錦は、国務院発展研究センター(国务院发展研究中心)の副センター長、研究員。経済理論、経済政策を専門とし、企業改革、経済制度などを研究している[1]。同センターは、国民経済、社会発展、改革開放に関する研究及び共産党中央、国務院への政策提案、コンサルティングを主要な任務とする国務院の直属機関である[2]。

今日、中国経済の成長鈍化が指摘されるが、本書によれば、高度経済成長を実現し、国民所得が一定の水準に達した後に成長が減速するのは、日本を含め、第二次大戦後に高度経済成長を遂げた国々の経験則にも合致する事象である。

本書は、現在の中国を高度成長期から中速の成長期への転換期と位置付け、中国における経済、産業の各分野について、これまでの発展状況や特徴を分析し、課題を明らかにするとともに、具体的数値を交えて今後10年の成長予測を示す。

中国経済の中長期的な動向予測を分野別にまとめた資料は少なく、安定的、持続的成長に向けた中国の経済政策を考察するうえで、基礎的情報を提供する一冊と言える。

第1章「中国現代化プロセスの見通しと"三大転換"」は、本書の総論にあたる。まず、中国経済、中国社会の今日までの発展状況と直面する課題を整理する。次に、中国の発展をとりまく今後10年間の国内環境及び国際環境の変動を予測する。続いて、2020年までのGDPや一人当たりGDPなどの数値を予測する。最後に、中国の現代化プロセスの加速に必須な3つの転換として、「公平な競争の促進とイノベーション活力の刺激に重点を置いて、経済発展モデルを着実に転換すること」、「機会均等を促進し、透明性と公衆参加を向上させることに重点を置いて、社会統治モデルを積極的に創新すること」、「競争優位を高め、長期安定的な互恵関係を構築することに重点を置き、国際社会で積極的な役割を果たすこと」を挙げ、それらの実現に必要な措置をそれぞれ提言する。

第2章以降は、経済、産業の各分野について、今日までの成長の軌跡を整理し、今後の成長を予測する。中国経済全体を俯瞰する「今後10年の展望」(第2章)以下、とりあげる分野は、都市住宅(第3章)、インフラ(第4章)、自動車(第5章)、輸出(第6章)、人的資本(第7章)、イノベーション(第8章)、全要素生産性(第9章)、実質為替レート(第10章)、農業(第11章)、製造業(第12章)、サービス業(第13章)、金融(第14章)、地域経済(第15章)、都市化(第16章)、エネルギー(第17章)、水資源(第18章)、土地(第19章)及び二酸化炭素排出(第20章)である。

なお、本研究書の続編『中国の経済成長 今後10年の展望 : 2014-2023 : 改革中に成長の新常態を形成する』[3]では、「新常態(ニューノーマル)[4]」をキーワードに、高度成長から中速の成長に移行しつつある中国経済の新たな段階を展望している。各論の構成は、2013-2022年版と同様である。

(アジア情報課 濱川 今日子)

[1]劉世錦(Liu Shijin)については、下記を参照。
http://en.drc.gov.cn/official_lsj.html [英語版]
http://www.drc.gov.cn/zxzj/8.htm  [中国語版]

[2]国務院発展研究センター(Development Research Center of the State Council)については、下記を参照。
http://en.drc.gov.cn/2013-08/29/content_16930106.htm [英語版]
http://www.drc.gov.cn/gyzx/zxzn.htm [中国語版]

[3]刘世锦『中国经济增长十年展望 : 2014-2023 : 在改革中形成增长新常态』中信出版社, 2014.4, IX, 402p. 【DC157-C348】

[4]「習氏、経済は『新常態』」『日本経済新聞』2014.9.6, p.2.

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