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『해양경찰법체계 = Legal system in korea coast guard relevant laws』:アジア情報室の社会科学分野の資料紹介:アジア情報室通報 12巻4号

2.4 손영태 지음(ソン・ヨンテ著)『해양경찰법체계 = Legal system in korea coast guard relevant laws(海洋警察法体系)』ソウル, 知識人共同体知識人, 2013.9, 413p. 【AK4-471-K9】

著者(韓国海洋警察学会理事)の博士学位論文(「海洋警察法体系の改善方案に関する研究」東国大学校, 2013)を基礎として、韓国の海洋警察関係の法体系の現状と課題を整理した資料である。海洋警察庁の活動については、『해양경찰백서(海洋警察白書)』【Z41-AK373】で知ることができるが、法的課題について解説した当館蔵書としては、現在のところ、本書が唯一である。

本書は、韓国の「政府組織法」上、海洋警察は、陸上警察と対等の位置を占めるにも関わらず、警察機関に対する法律的・理論的検討において、海洋警察が軽視される傾向にあるとの問題意識に基づく。そのため、全編を通じて、陸上警察との比較に基づいて論を進めており、韓国の陸上警察に関する記述も多い。

本書は6部構成である。

第1編「海洋警察の代表的な組織法及び作用法」では、陸上警察が、行政組織法(「警察法」)と行政作用法(「警察官職務執行法」)を備える一方で、海洋警察については、個別の組織法と作用法が整備されていない点を指摘する。

第2編「海洋警察は正しく評価されているのか」では、海洋警察の一般的な機能や職務範囲、海洋警察庁の組織体制等について、陸上警察との比較を交えつつ解説する。

第3編「主要国家の海洋警察制度」では、海外事例として、米国の沿岸警備隊と日本の海上保安庁の概要を紹介し、韓国の海洋警察制度と比較する。

第4編「海洋警察組織法は準備されなければならないか」では、海洋警察に関する組織法の問題点を扱う。「政府組織法」の概括的な規定以外に個別の組織法がないことから、法整備が必要であると説く[6]。

第5編「海洋警備法は海洋警察の一般法的な資格を備えているのか」では、海洋警察に関する作用法の課題を扱う。2012年制定の「海洋警備法」も、海洋警察庁の一部業務について規定するのみであることから、海洋警察庁は、「警察官職務執行法」や、他機関の個別法令を援用して活動せざるを得ない現状であると指摘する。

第6編「海洋警察法体系の改善のための政策提案」では、国際化や業務の多様化等、海洋警察を取り巻く環境が変化する中で、海洋警察に関する明確な根拠法が必要であることを再確認する。あわせて組織体系・職務範囲の明確化、中立性の確保等、今後必要な政策提言を行う。

(アジア情報課 福山 潤三)

[6]「政府組織法」第43条
第2項 海洋における警察及び汚染防除に関する事務を管掌するため、海洋水産部長官の所属として、海洋警察庁を置く。
第3項 海洋警察庁に庁長1名と次長1名を置き、庁長及び次長は、警察公務員に補する。

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