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満州国・満鉄に関する資料(レファレンスツール紹介40):アジア情報室通報 13巻4号

アジア情報室通報 第13巻4号(2015年12月)
丹治 美玲(国立国会図書館関西館アジア情報課)

「満州」とは、中国東北部の旧称である(当時の表記は「満洲」)。日本は、1932年に清朝最後の皇帝溥儀を元首として同地に「満州国」(当時の表記は「満洲国」)を建国させ、1945年までその影響下に置いた。また、これ以前から南満州鉄道株式会社(1906年設立。以下、「満鉄」という。)が日本の満州経営の中核を担っていた。

満州国や満鉄の各機関が作成、刊行、または所蔵していた資料、および満州国内で発行された資料(以下、「満州関係資料」という。)は、歴史的価値の高い資料であるが、第二次世界大戦後、一部は日本や米国に移され、また一部は東北部を中心とする中国国内に残されるなど、各地に散在し今に至っている。

本稿では、日本および中国を中心に、満州関係資料を所蔵する機関の目録データベースや、インターネット上で閲覧可能なデジタルアーカイブなどを紹介する。

*【 】内は当館請求記号、ウェブサイトの最終アクセス日は2015年11月20日である。

1. 国立国会図書館の所蔵資料

国立国会図書館が所蔵する満州関係資料の大部分は、通常の図書、雑誌または新聞として整理されている。このうち、満鉄資料および関連資料は約45,500点である[1]。ここでは、これら資料の検索ツールや主な資料群などを紹介する[2]。

1.1. オンライン目録・デジタルアーカイブ

NDL-OPAC
http://ndlopac.ndl.go.jp/
当館のオンライン蔵書目録。詳細検索画面で「件名」を選択し、「満州」と入力すると、満州関係の事項を主題とする日本語資料を検索できる。また、詳細検索において「著者」や「出版者」に満州国や満鉄の機関名を入力することで、特定機関の刊行物を検索できる[3]。なお、満州関係資料の多くは東京本館所蔵だが、中国で刊行された復刻版(後述)など一部の資料は関西館で所蔵している。

国立国会図書館デジタルコレクション
http://dl.ndl.go.jp/
当館所蔵資料のうちデジタル化した資料などを検索、閲覧できる。著作権処理が終了した資料は本文画像をインターネット公開している。NDL-OPAC同様、詳細検索画面で「件名」を指定して検索することも可能。

1.2. 主な資料群

憲政資料室所蔵の憲政資料
東京本館憲政資料室では、後藤新平関係文書、四倉峯雄関係文書、阪谷芳郎関係文書、小日山直登関係文書、齋藤實関係文書、大野緑一郎関係文書、武部六蔵関係文書、八田嘉明関係文書、山崎元幹関係文書といった満州国・満鉄関係者の旧蔵資料を所蔵しており、その中には満州関係資料も含まれる[4]。検索の際は、旧蔵者ごとに個別に作成された目録[5]を用いる。

『満鉄刊行資料』([国立国会図書館] (製作), 1 970-1984)【YD-324】
『旧植民地関係機関刊行物総合目録. 南満州鉄道株式会社編』【UP11-18】所収資料のうち、米国議会図書館所蔵で日本国内に所蔵がない資料約3,000点を複製して作製されたマイクロフィルム。東京本館図書別室で閲覧可能である。

関西館アジア情報室所蔵の復刻版資料集
関西館アジア情報室では、中国で刊行された復刻版資料集を所蔵している。例えば以下の資料がある。
『滿鐵調查報告』【DK55-C21】
黒龍江省档案館・遼寧省档案館編。173冊。満鉄の調査部が刊行した調査報告の復刻版。
『偽滿洲國期刊匯編』【Z23-AC81 ほか】
153冊。満州国期に刊行された雑誌や新聞の復刻版。
『満鉄密档』【DK55-C13 ほか】
遼寧省档案館編。83冊。「満鐡與侵華日軍」など4つの主題に関連する満鉄文書の復刻版。
『偽滿洲國統計資料匯編』【DT191-M13-C1】
36冊。満州国期の奉天市の統計月報など、統計関係の刊行物の復刻版。
『伪满洲国史料』【GE357-C249】
吉林省図書館偽満洲国史料編委会編。31冊。吉林省図書館所蔵の満州国期の資料等の復刻版。

このほか、法令や新聞については、国立国会図書館「リサーチ・ナビ」の下記ページをご参照いただきたい。

2. 日本国内機関の所蔵資料

2.1. オンライン目録・デジタルアーカイブ

近現代アジアの中の日本(日本貿易振興機構アジア経済研究所)
http://d-arch.ide.go.jp/asia_archive/
日米計50機関が所蔵する満鉄刊行資料約1万点、満州国・関東庁などの出版物約2,000点を収録した『旧植民地関係機関刊行物総合目録』(アジア経済研究所, 1973-1981)【UP11-18】のデータや、CiNii参加機関のうち536機関のデータなどを収録。所蔵機関を検索できるほか、一部の資料は本文画像の閲覧が可能[6]。

国立国会図書館サーチ
http://iss.ndl.go.jp/
約100のデータベースの統合検索サービス。国内の公立図書館などの所蔵情報を検索できる。

CiNii Books
http://ci.nii.ac.jp/books/
国立情報学研究所作成。国内の大学図書館など1,200以上の機関の所蔵情報を検索できる総合目録データベース。

2.2. 冊子目録

井村哲郎「「満洲国」関係資料解題」『「満洲国」の研究』(緑蔭書房, 1995)【GE357-E78】pp.535-580
『旧植民地関係機関刊行物総合目録』【UP11-18】など日米の満州国関係資料の総合目録、大学等各機関の単館目録および特定主題に関する総合目録の紹介を含む。

『《満洲国》文化細目』(不二出版, 2005)【GE2-H6】
満州国で出版・刊行された文学書など573点について、書名、著者名、出版社、所蔵機関(中国など国外の機関の情報も含む)、目次などを収録。主たる編著者の五十音順に排列。巻末に五十音順の著者名索引を付す。

3. 中国国内機関の所蔵資料

3.1. オンライン目録・デジタルアーカイブ

馆藏满铁资料书目数据库(大連図書館)
http://www.dl-library.net.cn/book/list.php?id=6
大連図書館所蔵の満鉄関係資料の目録。約12万点の書誌情報を閲覧できる。

东北亚研究数据库 历史文献(吉林大学)
http://202.198.25.37/wj/wj/listData!getList.action?menuid=3
吉林大学所蔵の東北アジア関係資料目録。約25,000点の書誌情報を収録。検索も可能[7]。

联合目录公共检索系统(中国高等教育文献保障系統(CALIS))
http://opac.calis.edu.cn/opac/simpleSearch.do
中国の大学図書館など約1,200機関が参加するコンソーシアムが運営する総合目録。

民国时期文献联合目录(中国国家図書館)
http://pcpt.nlc.cn/mgwx/search/intoSrearchPage.action
中華民国期の文献について、公立図書館など14機関の所蔵情報、20万件以上のデータを収録(2014年末時点)。一部の資料については本文画像を閲覧できる。

中国数字图书馆国际合作计划(CADAL)
http://www.cadal.zju.edu.cn/index
中国や米国の図書館など80以上の機関が参加するデジタル化資料共有プロジェクト。満鉄関係資料約13,000点を収録(2014年2月時点)。資料の検索および本文画像の最初の10コマ(著作権保護期間が満了した資料は全文)の閲覧が可能[8]。

3.2. 冊子目録

『中國館藏滿鐵資料聯合目録』(东方出版中心, 2007)【UP115-C37】
中国国内の55機関が所蔵する満鉄関係資料約21万点を収録した総合目録。中国語・日本語と欧米言語に大別、主題別に細分し、拼音順に排列。拼音順、アルファベット順などの書名索引および著者名索引を収録。

『东北地方文献联合目录』(东北地方文献联合目录编辑组, [1987])【GE2-C13】
中国東北地方の図書館など17機関の総合目録。「报刊部分」「外文(日、西、俄)图书部分」「中文部分」の3輯からなり、各部分末尾に書名索引を付す[9]。

『满铁调查报告目录』(吉林人民出版社, 2005)【D1-C18】
吉林省社会科学院満鉄資料館が中心となって編纂した目録。満鉄の各調査機関が作成した調査報告・調査資料のうち現存する約1万点について、書名、著者名、出版社、所蔵機関などを収録。単行本、叢書など3に大別して排列。

『满铁调查期刊载文目录』(吉林文史出版社, 2004)【D1-C16】
吉林省社会科学院満鉄資料館が中心となって編纂した目録。約60タイトルの雑誌に収録された論文約3万件について、論文名、著者名、収録雑誌名、刊行年月日、所蔵機関などを収録。主題別に大別し、刊行年月日順に排列。

(たんじ みれい)



[1] 白岩一彦「国立国会図書館における満鉄資料の所蔵状況」『日米中における満鉄関係資料等の利用と保存をめぐる諸問題 : 国際ワークショップ報告書』日本貿易振興機構アジア経済研究所, 2009, pp.91-140. http://d-arch.ide.go.jp/asia_archive/documents/kanren_workshop/kanren_7.pdf

[2] 当館所蔵の満州関係資料については、以下も参照。
白岩一彦「国立国会図書館所蔵満鉄文書―概要と主要文 書案内―」『参考書誌研究』69号, 2008.10, pp.25-41. http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3051595
白岩一彦「国立国会図書館所蔵満鉄資料目録 : 秘密扱い資料の部」『参考書誌研究』74号, 2011.3, pp.3-34. http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3192149

[3] 当時の機関については、アジア経済研究所「近現代アジアの中の日本」の「収録資料の刊行機関」を参照。 http://d-arch.ide.go.jp/asia_archive/database/database_publish.html

[4] 主な資料群については以下の論文を参照。
堀内寛雄「憲政資料中の戦前期朝鮮・台湾・中国東北部関係資料」『参考書誌研究』69号, 2008.10, pp.1-24. http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/3051594

[5] 各資料群の目録は憲政資料室に備え付けられており、一部はインターネット公開している。
詳細はリサーチ・ナビの憲政資料「旧蔵者50音順索引」を参照。 https://rnavi.ndl.go.jp/kensei/entry/kensei-kyuzosha.php

[6] ただし、本文画像は、2015年4月21日以降はメンテナンスのため閲覧できない状態が続いている。

[7] 検索する際には、「满铁资料库」を選択する。また、Internet Explorerで閲覧することを推奨する。

[8] 閲覧には登録が必要。また、個人登録してもすべての資料を閲覧できるわけではなく、参加館内でしか見られないコンテンツもある。登録方法など詳細については、湯野基生「中国の資料デジタル化プロジェクト・CADALの利用と参加について」『アジア情報室通報』12巻1号, 2014.3, pp.2-5を参照。 https://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/bulletin12-1-1.php

[9] うち「外文(日、西、俄)图书部分」は、『旧満州東北地方文献聯合目録.第2輯』(葦書房, 1990)【GE2-E12】として復刻版が刊行されている。

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