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トップアジア諸国の情報をさがす刊行物>『2003∼2013 경제자유구역 10년사 = Free economic zones 10 years history』:アジア情報室の社会科学分野の資料紹介(7):アジア情報室通報 13巻4号

『2003∼2013 경제자유구역 10년사 = Free economic zones 10 years history』:アジア情報室の社会科学分野の資料紹介(7):アジア情報室通報 13巻4号

2.8. 산업통상자원부 [編](産業通商資源部 [編])『2003∼2013 경제자유구역 10년사 = Free economic zones 10 years history(2003∼2013経済自由区域10年史)』世宗, 산업통상자원부 경제자유구역기획단(産業通商資源部経済自由区域企画団), 2013.12, 317p. 【DE151-K76】

韓国の経済自由区域(Free Economic Zones, FEZ)[9]について、これを所管する産業通商資源部が編集した十年史である。豊富な図表を用いて、制度、政策及び開発の現況を整理しており、韓国の経済自由区域を知るうえで非常に有益な資料である。

第1章「経済自由区域の台頭と発展」では、各経済自由区域の指定経緯(第2節)と、経済自由区域関係の制度・推進体制(第3節)を解説する。根拠法である「経済自由区域の指定及び運営に関する特別法」[10]の制定・改正内容や、関連組織の設置根拠・役割・会合の開催実績が整理されており、制度の概要理解に役立つ。

第2章「経済自由区域の目標とビジョン」では、国内外の類似制度との比較を交えつつ、経済自由区域の意義を解説する。その上で、各区域の開発現況を簡単に整理する。

第3章「経済自由区域事業推進成果」では、政府が実施してきた制度改正の事例(第1節。右表参照)と、各区域のより詳細な開発現況(第2節)を解説する。

第4章「経済自由区域内の外国人投資誘致及び制度整備」では、外国人投資の現況を整理した上で(第1節)、外資誘致のための各種施策を解説する(第2, 3節)。例えば、2013年9月までの外資誘致実績は77億8千万ドルに上るが、世界的な景気低迷や不動産投資の鈍化等により、開発が完了した区域は全体の52.5%に留まるとされる(p.215)。こうした状況の中で、外資誘致のために実施されている経営環境、生活環境の改善に向けた施策を整理する。

このほか、あとがき(第5章「経済自由区域の未来」)及び巻末付録(「経済自由区域プロジェクト23」「経済自由区域推進日誌」)がある。

表 経済自由区域関係の制度改正事例
事項 概要
1. 規制改革長官会議「経済自由区域規制改善方案」
(2006年11月21日)
①外国人投資誘致促進のための企業負担軽減
②行政手続の改善を通じた事業推進の円滑化
③経済自由区域活性化のための支援体系改善
2. 第10次経済自由区域委員会における外資誘致促進のための制度改善方案
(2007年8月17日)
定住環境の改善を図る。
①企業誘致時の租税インセンティブ拡大
②学校・研究機関等の非営利機関誘致の支援強化
③外国人投資企業の従業員向け住宅供給の拡大
3. 経済自由区域基本計画の策定
(2013年7月15日)
中央・地方政府の政策整合性を維持しつつ、地理的条件を反映して差別化を進め、体系的・効率的な開発を図る。また、関係者に政策の内容を明確に提示し、予測可能性を担保する。
4. 経済自由区域広報活性化方案
(2013年4月11日)
中央・地方政府で個別に実施してきた広報の改善を図る。

(出典)本書第3章第1節(pp.124-135)の記述を基に、筆者作成。

(アジア情報課 福山 潤三)

[9] 「外国人投資企業の経営環境と外国人の生活条件を改善するために整備された地域で第4条により指定・公示される地域」(経済自由区域の指定及び運営に関する特別法第2条第1号)。経営環境の改善のために、税制優遇や基盤施設の整備等を、生活条件の改善のために、教育機関や医療機関の整備等を実施する。仁川経済自由区域(2003年8月指定)をはじめとして、現在までに8つの区域が指定されている。

[10] 制定当時の名称は「経済自由区域の指定及び運営に関する法律」。2009年1月の法改正で、改称された。本稿では、現行の「特別法」表記を用いる。

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