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『양원제 개헌론 : 지역대표형 상원연구 : 통일한국의 양원국회 제안서』:アジア情報室の社会科学分野の資料紹介(9):アジア情報室通報 14巻2号

2.10. 안성호 지음(アン・ソンホ著)『양원제 개헌론 : 지역대표형 상원연구 : 통일한국의 양원국회 제안서(両院制改憲論 : 地域代表型上院研究 : 統一韓国の両院国会提案書)』坡州, 신광문화사, 2013.4, 298p.【AK4-241-K43】

著者は、大田大学校社会科学大学行政学科教授で、韓国地方自治学会長、大統領直属政府革新地方分権委員会委員等を歴任している[4]。本書では、中央集権的で多数決型民主主義の性格が強い韓国の議会制度が激しい党派的・地域的対立を引き起こし、国民の国会不信を招いていると指摘した上で、その解決策として、地方分権と権力分有の機能を備えた地域代表型上院制度を導入することを提言している。

序文と8章から成り、二院制の歴史と理論の変遷を詳細に検討した上で(第2-5章)、韓国におけるこれまでの議論を整理し、地域代表型上院制度を実現するために必要な対応を検討している(第6-8章)。特に、第6-7章の内容は、韓国の議会改革に関する具体的な議論を把握する上で有用であるため、以下紹介する。

第6章「韓国の上院経験と地方の国政参与」では、まず、両院制を巡る議論が始まった1947年の米国の軍政期から、短期間ではあるが実際に両院制が導入された第2共和国期(1960-1961年)までの経緯を整理した上で、地方の国政参加の現状について、いまだに垂直的な中央―地方関係から脱却できておらず、地方の意見聴取や発言機会の提供といった程度の水準に留まっていると批判している。その上で、地方の国政参加を強化するために、以下のような提案をしている(pp.176-181)。

  • ①地方自治団体協議体等[5]の国政参加の拡充
  • ②国会常設型の地方自治特別委員会や大統領所属の中央・地方協力会議の設置
  • ③地域を代表する構成員が立法発議権を一部行使できる地方院(仮称)の設置
  • ④憲法改正による地域代表型上院の設置

第7章「地域代表型上院制度の設計」では、韓国における地域代表型上院制度の導入を巡って過去になされてきた4つの提案(pp.183-191)について、地域区分、議員選出制度、上院の権限、上院の地域代表性、両院の意見調整と上院・政党関係といった論点別に検討している[6]。

(アジア情報課 福山 潤三)

[4] 「안성호 교수(アン・ソンホ教授)」『교수소개(教授紹介)』大田大学校社会科学大学行政学科ウェブサイト
http://home.dju.ac.kr/public/professor/professor01.htm

[5] 地方自治団体の長や地方議会の長が、相互交流・協力の増進等のために設立するもの(地方自治法第165条)。

[6] なお、著者は、第4章で英米独仏の上院モデルを整理した上で、直接選挙によって上院の民主的正当性を担保でき、技術的にも対応可能と思われる米国型の制度をベースに議論を進めている(p.202)。

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