トップアジア諸国の情報をさがす刊行物アジア情報室通報巻号から探す第19巻(2021年)>中国・台湾の新聞記事の探し方(レファレンス事例・ツール紹介 21):アジア情報室通報 19巻1号

中国・台湾の新聞記事の探し方(レファレンス事例・ツール紹介 21):アジア情報室通報 19巻1号

新谷 扶美子(国立国会図書館関西館アジア情報課)

 関西館アジア情報課では、「アジアの国々の新聞記事を探す方法を教えてほしい」といったお問い合わせをしばしば受けます。本稿では、「1945-1955年頃の中国及び台湾の新聞記事タイトルを通覧して、どんなことが記事になっているか調べたい」という事例をもとに、中国・台湾の新聞記事の探し方をご紹介します。

*【 】内は当館請求記号、ウェブサイトの最終アクセス日は2021年1月18日です。

1. 記事タイトルを通覧する

1.1.データベースで調べる

 特定の新聞記事を探すのではなく、このように広い範囲で調べたい場合には、まずはデータベースに有用なものがないかを確認します。インターネット上のデータベースや、当館が契約している有料データベースの中で、1945-1955年頃の中国・台湾の新聞記事タイトルが通覧できるものには、以下のようなものがあります。

<中国>
  • 人民数据(人民日報オンライン版) 
     1946年の創刊からの人民日報の記事を収録した有料データベースです。詳細検索欄で期間を指定することで、その期間の全記事タイトルを通覧することができます。そのほか、記事タイトル、筆者名及び全文での検索が可能です。当館内では本文の閲覧(無料)およびプリントアウト(有料)が可能です。
<台湾>
  • 數位典藏服務網
     https://das.nlpi.edu.tw/
     台湾の国立公共資訊図書館[1]が運営するデータベースです。 戦後直後の新聞や古文書、日本占領期の日本語文献、地方資料等をデジタル化して公開しています。 収録されている新聞は、1940~1950年代に台湾で発行された『台灣民聲日報』『正氣中華』等20紙で、 記事数にして約189万件です。
     トップページの「主題瀏覽」(主題によるブラウジング)で 「舊報紙」(古い新聞)を選択すると、紙名のリストが収録記事数とともに表示されます。 紙名をクリックすると、記事タイトルのリストが表示されます。 例えば、『商工日報[2]』をクリックすると、 同館所蔵初号である1954年10月1日の1面に掲載された「總統昨受委國贈勛」(総統が昨日ベネズエラ共和国より勲章を授与された) という記事を筆頭に、記事タイトルを通覧することができます。
     記事タイトルリスト右側のカラムでは、社会ニュース、国際政治といった主題や、 政治、一般産業といった分類での絞り込みができるほか、 リスト上部の年代分布図で、年ごとの記事件数が分かるようになっています。 また、カラムのタブを「輸出管理」(出力管理)に切り替えることで、 一度に最大500件ずつではありますが、各記事のメタデータをExcelやcsv等の形式でダウンロードすることもできます。 さらに、各記事の詳細画面から、TIFFファイルでの紙面イメージのダウンロードが可能です。

 上記のとおり台湾については、該当時期の複数の新聞の記事について、記事タイトルにとどまらず本文まで入手できるデータベースがあります。中国については、人民数据以外で今回の事例と収録時期が合うものは見当たりませんでしたので、次に冊子体索引で調査します。

1.2.冊子体索引で探す

記事タイトル全体を見通すことができる点では、冊子体索引も、やはり有用なツールといえます。当時の代表的な新聞の冊子体索引の中で、今回の事例に適したものをご紹介します。

  • 申報索引』(上海书店 1987-)【Z99-501】  
     上海書店が出版した『申報』の影印版(1872年4月30日から1949年5月27日までを影印)のうち、1919年から1949年の廃刊までを収録範囲とし、1年1冊の単位で刊行された索引です。記事タイトルと影印版の巻号及びページが掲載されており、各巻末に影印版のページと掲載日の対照表が付されています。「A 政治」「B 軍事」といった独自の分類によって排列されており、分野を絞って通覧することができます。
  • 解放日報記事目録 I-V』(東洋文庫 1967-1987)【Z91-44】 
     1941年の創刊から1947年の2081号までを収録範囲として刊行された記事目録です。I-IIIは同紙に掲載された中国関連の記事を、IVはそれ以外の記事を、それぞれ日付順、掲載面順に収録しています。IVの巻末及びVは人名索引です。今回の事例では、III(1945.1.1-1947.2.5)及びIVが該当します。
  • 新華日報索引』(上海書店 1987)【Z99-AC20】
     1938年の創刊から1947年2月28日の停刊までの、広告等を除くすべての記事が収録対象となっています。 基本的に1年1冊の単位で刊行されており、現在中国で使われている「中国図書館分類法」の前身である 「中小型図書館図書分類表草案[3]」によって、「A マルクス・レーニン主義」「B 哲学」のように分類されています。記事タイトル、筆者、掲載日、掲載面が収録されており、今回の事例では、第8巻(1945年)及び第9巻(1946-1947年)が該当します。

 このほか、当館で所蔵する冊子体の中国語新聞記事索引について、当館のリサーチ・ナビ「新聞記事の検索(中国語)[4]」でご紹介しています。

2. 本文を閲覧する

 ここまでで興味を引く記事が見つかったら、次は本文を閲覧する方法を探します。

2.1.無料データベースで閲覧する

 まずは、インターネット上で無料で閲覧できる方法を探します。台湾については、1.1でご紹介した數位典藏服務網を使うことにし、中国の事例について、人民日報以外の新聞の本文が閲覧できそうなウェブサイトやデータベースがないか、探してみます。

  • 抗日战争与近代中日关系文献数据平台  
     http://www.modernhistory.org.cn/
     第18巻2号でもご紹介した[5]とおり、 主に1930-1940年代に出版された資料を収録したデータベースです。 新聞は『解放日报』『新华日报』等1,045紙が収録されています。
     トップページのラジオボタンで「报纸」(新聞)を選択し、プルダウンを「题名」(タイトル)とします。こちらのデータベースは、キーワードによる記事検索には対応しておらず、この「题名」も、記事タイトルではなく紙名であることに注意が必要です。紙名を簡体字で入力すると、検索結果が表示されます。紙名をクリックして表示される詳細画面から、掲載日を指定して紙面イメージを閲覧することができます。無料の利用者登録を行うと、紙面イメージのダウンロードも可能になります。
     試しに、1.2で紹介した『解放日報記事目録 I-V』から、民国35(1946)年1月1日に掲載された「一九四六年前夜,內戰形勢繼續嚴重化」(1946年前夜、内戦の状況はますます厳しくなっている)という記事を選んで、このデータベースで探してみましょう。ラジオボタンを「报纸」、プルダウンを「题名」とし、「解放日报」で検索します。詳細画面で1946年1月の日付を表示させ、1月1日を選択すると、当該記事を含む紙面イメージが表示されます。

 なお、今回は古い時期の新聞が調査対象でしたが、 最近の記事の場合は、各新聞社のウェブサイトで無料で公開されていることも多くあります。 記事を公開している新聞社等のウェブサイトについては、 当館のリサーチ・ナビでもご紹介しています[6]

2.2.国内の所蔵機関を探す

 無料データベースでヒットしなかった場合も、ここまでの方法で紙名、記事タイトル、掲載日が判明していれば、所蔵館を調べて、閲覧や複写の依頼につなげることができます。

  • 全国新聞総合目録データベース  
     https://iss.ndl.go.jp/

    全国新聞総合目録データベース
     当館及び全国の大学、公共図書館等約1,200機関の新聞の所蔵が検索できます。 当館が提供する横断検索サービスである、「国立国会図書館サーチ」内で公開しています[7]。「国立国会図書館サーチ」トップページのボタンで「新聞」を選択したうえで、キーワード欄に紙名を入れることで、新聞に絞った検索が可能です。検索結果から利用したい資料の詳細画面を開くと、右側の「見る・借りる」の欄に、所蔵館が表示されます。

 なお、この時期の中国語新聞の当館における所蔵状況については、国立国会図書館リサーチ・ナビ「1949年以前発行の当館所蔵の中国語新聞 」にも掲載しています。

  • CiNii Books 
     https://ci.nii.ac.jp/books/
     国立情報学研究所が運営する、大学図書館等の所蔵資料を横断検索できるデータベースです。検索項目に「新聞」という括りはありませんが、紙名で検索すると、資料の形態等によって「図書」もしくは「雑誌」としてヒットします。資料の詳細画面から所蔵館を確認できるほか、所蔵館OPACの該当書誌へのリンクが貼られているものも多くあります。

 今回の調査のポイントは以下のとおりです。

  1. 使おうとしているツールの、収録範囲や検索項目等の条件を改めて確認する。
  2. 新聞記事を通覧したい場合は、時期によっては冊子体索引が有効である。
  3. 記事タイトルで検索できないデータベースも、冊子体索引と併用することで有効に利用できる場合がある。

 今回は、中国・台湾の新聞記事を取り上げましたが、 国立国会図書館リサーチ・ナビ「アジア諸国の情報をさがす」では、 アジアのほかの国・地域の新聞についても、レファレンス・ツールをご紹介しています[9]。アジアの新聞記事を調べたいと思ったら、ぜひ一度ご覧ください。

(にいや ふみこ)



[1] 国立台中図書館が2012年6月3日にリニューアルオープンし、2013年よりこの名称となった。利用者への紙媒体資料の貸出等、従来からの公共図書館としての業務も行う一方で、デジタルプラットフォームの提供、館内設備の電子化など、デジタル図書館としての機能も有する。
 https://www.nlpi.edu.tw/

[2] 1953年8月29日創刊。

[3] 《中图法》历史及概况(中国国家図書館ウェブサイト)
 http://clc.nlc.cn/ztfls.jsp

[4] https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-asia-65.php

[5] 丹治美玲「中国の雑誌記事の探し方(レファレンス事例・ツール紹介 18)」『アジア情報室通報』18(2), 2020.9
 https://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/bulletin18-2-3.php

[6] 国立国会図書館リサーチ・ナビ「インターネット上で閲覧できる中国語新聞」
 https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-asia-95.php
 国立国会図書館リサーチ・ナビ「AsiaLinks 新聞記事 : 中国・香港・マカオ・台湾」
 https://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/news-index-chn.php

[7] 国立国会図書館サーチ内での公開は令和3年度以降に終了し、令和3年3月31日時点のデータを、csv形式によって国立国会図書館リサーチ・ナビ内で公開予定である

[8] https://rnavi.ndl.go.jp/research_guide/entry/theme-asia-47.php

[9] 国立国会図書館リサーチ・ナビ「アジア情報の調べ方案内」新聞
 https://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/research-guide-asia.php#uc129

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