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韓国国立中央図書館のOPACの利用法:アジア情報室通報 第7巻第1号

アジア情報室通報 第7巻第1号(2009年3月)
加藤眞吾

1 はじめに

アジア情報室には、韓国で刊行された図書や雑誌・論文、あるいは韓国に関する資料についての問い合わせが日々寄せられる。その際に担当の職員は、韓国国立中央図書館(The National Library of Korea。以下、NLK)のOPAC(Online Public Access Cataloging。オンライン蔵書目録検索システム)を検索することが多い。このOPACには、様々な書誌情報のデータベースを一括して検索し、その検索結果を一覧できる機能が備わっている。利用者は、OPACを利用し目的の資料を検索するだけでなく、一部の電子化された資料本文の画像を見ることができる。

本稿では、NLKのOPACの概要と利用法を紹介したい。

2 データベースの概要1

NLKは、約700万冊の蔵書を持つ韓国最大規模の図書館である。複数の書誌情報、原文画像情報等のデータベースを統合して、横断的に一括検索できるOPACを構築し、ネットワークによる検索や電子化した原文画像の閲覧、郵送複写の申込み等のサービスを提供している。

書誌情報等のデータベース構築は、1970年代から行われてきたが、1990年代後半の通貨危機(いわゆるIMF危機)をきっかけに大きく進展した。韓国政府は、この経済危機により高学歴者の失業が相次いだため、対策として情報化勤労事業を策定した。NLKでは、この事業に割り当てられた情報化促進基金50億ウォンを投入して、1998年11月から翌年3月までの間で、国家文献総合目録(국가문헌종합목록)データベースを構築し、200万件の目録情報を収録した。これは全国の図書館の所蔵資料の書誌情報や学位論文目録を統合したデータベースで、これをもとに現在、国家資料共同目録システムと連動した国家資料総合目録データベース(後述)を構築している。また、大韓帝国および朝鮮総督府時代の官報、朝鮮総督府が発行した貴重本等の原文の電子化をはじめ、人文科学分野の博士学位論文などの資料の原文情報を電子化した。

NLKは、所蔵資料の目録情報、目次情報、原文情報等のデータベース化を引き続き進めており、現在は、以下のようなデータベースを構築している。

(1)国家資料総合目録(국가자료종합목록)データベース

約540万件の書誌データと約2,170万件の所蔵データからなる、所蔵資料の書誌情報のデータベース。韓国では、国家資料共同目録(국가자료공동목록)システム(KOLIS-NET)2を構築し、全国の公共図書館の所蔵資料を対象に統合検索を行えるようにしており、NLKのOPACは、このシステムで所蔵資料の書誌情報等を提供している。

(2)国家資料目次情報(국가자료목차정보)データベース

蔵書の目次情報からなるデータベース。現在では、約129万冊の目次情報を搭載している。書誌情報のみならず目次情報からも資料にアクセスできるよう、基本的にNLKの全蔵書の目次情報を対象としている。ごく一部であるが、所蔵する日本語の図書の目次情報も存在する。そのため、日本国内の図書館のOPAC等では収録されていない図書の目次情報がNLKで見られることもある。

NLK、KOLIS-NETのほか、国家電子図書館(국가전자도서관)3のホームページで利用できる。

(3)主要資料原文情報(주요자료원문정보)データベース

現在、約37万冊(画像ファイルに換算して約1億356万ファイル)4の資料本文の画像情報が、NLKのホームページで閲覧できる。なお、国家電子図書館のホームページでは、NLKが電子化した資料群(具体的な資料群の紹介等は後述)の他に、同プロジェクト参加機関が電子化した原文情報も横断的に検索および閲覧ができる。

(4)記事索引および抄録情報(기사색인 및 초록정보)データベース

NLKが所蔵する逐次刊行物のうち、学術的価値が高い資料を選定して、記事索引および抄録情報データベースを構築している。NLKが独自に構築するほかに、韓国教育学術情報院(KERIS)の学術記事および原文のデータベース5のほか、民間の商用の原文データベースを購入し情報の提供を受け、記事および抄録の検索ができる6

2004年3月からNLKのホームページで公開が始まり、現在、約65万件の索引および抄録情報を公開している。国家電子図書館のホームページでも利用できる。

(5)その他のデータベース

ビデオテープ等の非図書資料の電子化および媒体変換を行い、そのデータベースを構築している(非図書資料(비도서자료)データベース)。また、視覚障害者図書館総合目録(시각장애인 도서관 종합 목록)データベースおよび視覚障害者原文情報(시각장애인용 원문 정보)データベースも構築している。

3 OPACの利用

(1)書誌情報、目次情報および記事索引情報を調べる

前述のように、NLKのOPACの特徴の一つは、構築している複数のデータベースをすべて統合して検索できる点である。キーワード検索等を行うことにより、検索結果から図書資料の書誌事項や逐次刊行物等の巻号情報のほか、目次情報も見られる。

NLKでは、「単行本(단행본)(=図書)」、「連続刊行物(연속간행물)(=逐次刊行物)」、「学位論文(학위논문)」、「古書(고서)」、「非図書(비도서)」、「目次・抄録(목차/초록)」、「記事索引(기사색인)」、「海外収集記録物(해외수집기록물)7」といった資料群ごとに書誌情報のデータベースを構築している。利用者は、所蔵資料の書誌情報を調べる際は、データベースを個々に当たって検索する必要はなく、一括して統合検索できる。

a. 検索する

最も手軽な操作方法は、一つの検索窓にキーワードを入れて検索する方法である。NLKのホームページのトップページに「所蔵資料検索(소장자료검색)」と書かれた検索窓が一つあり、これによりNLKが構築する各種の書誌情報データベースの全体をまとめて検索する統合検索が行われる。NLKの全蔵書の中から、そのワードを含む、図書・雑誌等の書誌事項、図書の目次、雑誌・論文等の記事などが検索結果に表れる。

また、画面上部のショートカットのメニューバーの「資料を探す(자료찾기)」をクリックすると、検索画面(簡略検索(간략찾기))に移る。この画面では、検索対象となる資料群(各種の書誌情報のデータベース)の範囲をチェックボックスで指定して、絞り込むことができる。

検索を行うと、「単行本」のフィールドの場合は、「図書(도서)(=図書・単行本の書誌情報)」、「学位論文(학위논문)」、「非図書(비도서)」、「古書(고서)」、「目次・抄録(목차/초록)」のそれぞれのタブが表示される。「連続刊行物(=逐次刊行物)」のフィールドでは、「図書(도서)(=逐次刊行物のタイトル)」、「非図書」、「目次・抄録」、「記事索引」のそれぞれのタブが表示される。タブ以下に表示されるのは、それぞれの資料群の書誌情報および目次・抄録をキーワード検索した結果である(図1)。「詳細検索(상세찾기)」の画面に移れば、各項目に検索語を入力することで、刊行年や著者・出版者等で絞り込みができる。

(図1)検索結果の表示画面(簡略目録)の例

(図1)検索結果の表示画面(簡略目録)の例(NLKホームページから引用。□部は、筆者注記。)

b. 検索結果の書誌情報を見る

検索結果の画面(簡略目録(간략목록))に表示された検索対象を示す資料群のタブのうち、例えば「単行本」の「図書」のタブに表示された検索結果を表示させる。そこから目的の資料を選択して書誌情報の詳細情報の画面(書誌情報(서지정보))に移ると、所蔵情報、書誌情報および目次情報等が一覧できる(図2)。また、「連続刊行物」の中の「目次・抄録」のタブを選択し、選択結果から詳細画面に移ると、所蔵情報、書誌情報および巻号情報のほか、雑誌等の各巻号の記事表題・目次情報が閲覧できる。

書誌情報の詳細情報の画面(書誌情報)の例

(図2)書誌情報の詳細情報の画面(書誌情報)の例(NLKホームページから引用。□部は、筆者注記。)

(2)原文情報を見る

NLKのOPACのもう一つの特徴は、電子化された資料の原文情報が見られる点にある。OPACで探している資料の書誌情報や目次情報、記事索引・抄録情報を検索すると、検索結果を表示する簡略目録の画面(図1)において、書誌1件ごとに、目次情報や原文情報(記事索引の場合は抄録も)の電子化の有無がアイコンにより表示される。「原文(원문)」欄のアイコンに「W」マークが付いているものは著作権の制限があるため、NLKおよび協定を締結した図書館が指定する館内の端末でのみ有償で原文を閲覧利用できる。

このように、書誌情報を検索して表示された「原文(원문)」欄のアイコンをクリックして原文画像にアクセスすることもできる8が、それではうまく原文画像が開かない場合9や、電子化された原文の資料群のみを特に検索および閲覧したい場合には、NLKが提供している電子化資料を紹介する「DB紹介(DB소개)」のページが便利である。

このページの中の「原文情報(원문정보)DB」は、NLKが所蔵する主要な資料を電子化してデータベース化したものである。これに収録されている資料群は、以下のとおり。

  • (i)古書(고서)
  • (ii)1894年から1945年に刊行された政府官報(관보)
  • (iii)単行資料(단행자료)
  • (iv)文化体育観光部発刊資料(문화체육관광부발간자료)
  • (v)1945年以前に刊行された新聞(신문)
  • (vi)1950年以前に刊行された逐次刊行物(연속간행물)
  • (vii)人文科学分野博士学位論文(인문과학분야박사학위논문)
  • (viii)1945年以前に刊行された韓国関連の日本語資料(일본어 자료)
  • (ix)学術論文記事(학술논문기사)
  • (x)韓国古典百選(한국고전백선)
  • (xi)1945年以前に刊行された韓国関連外国語資料(한국관련외국어자료)
  • (xii)韓国学およびその他情報源(한국학 및 기타정보원)
  • (xiii)ハングル版古典小説(한글판 고전소설)
  • (xiv)e-Book
  • (xv)新文学代表小説(신문학대표소설)10
  • (xvi)古地図(고지도)
  • (xvii)海外収集記録物(해외수집기록물)
  • (xviii)児童青少年関連資料(어린이∙청소년관련자료)
  • (xvxi)1945年以前に国内で刊行された韓国関連外国語資料(국내반간 한국관련외국어자료)
  • 優秀学術図書(우수학술도서)11

これらの各電子資料群は、資料名やキーワードで検索できるほか、資料の分野別に探すこともできる。官報や新聞の資料群は、記事の見出しで検索できるほか、日付による検索も可能である。ただし、著作権の制限がある資料および民間商用の原文情報は、閲覧が制限されている12

(3)その他のサービス

日本国内からのウェブ経由での利用では、あまり活用できる場面がないかもしれないが、検索結果に出てきた資料を選択して、それを対象にNLKの各種サービスを受けられる仕組みがある。「申込みかご(신청바구니)」のシステムがそれで、利用者がOPACの検索結果から選択した資料を、「かごに入れる(바구니넣기)」をクリックして、「かご」の中にためておくことができる。この中の資料を対象に、郵送複写の申込みや夜間閲覧の予約申込み、書誌情報を電子メールで自分のパソコンに送付してくれるサービスなどが利用できる。

4 おわりに

本稿では、NLKのOPACに限定して説明したが、韓国国会図書館をはじめとするその他の主要な図書館や学術関係の機関等でも、OPACの機能はNLKのOPACとほぼ同様である。したがって、NLKのOPACの操作方法を応用して、韓国の他機関の各種OPACも同様に「とにかく検索してみる」ことで情報を得ることができる。このように、韓国のOPACは、日本国内にいながらにして韓国国内の資料情報を比較的容易に取得するために有効なツールである。


1以下、NLKに関する統計の数値やその他の情報は、『국립중앙도서관60년사』 국립중앙도서관, 2006, pp.253-260. のほか、『2007년도 국립중앙도서관연보』 국립중앙도서관, 2008.およびNLKのホームページ<http://www.nl.go.kr外部サイトへのリンク>(インターネット情報は、以下いずれも2009年2月2日現在。)による。

2NLKを中心に、相互に協力関係を結んでいる韓国国内の384館の公共図書館が書誌情報や所蔵情報等を国家資料総合目録データベースとしてオンラインで共有するとともに、これらすべての図書館の所蔵資料を対象に統合検索を行えるシステム。各図書館は所蔵資料の書誌情報をKOLIS-NETに一括してアップロードし、データを整理・集積している。これを参照することで、韓国国内の図書館および行政部署の資料室の所蔵資料の統合検索ができ、NLKに所蔵が確認できない資料でも、韓国国内の他機関の所蔵を確認できる。<http://www.nl.go.kr/kolisnet外部サイトへのリンク>

3NLKが中心となり、同館、韓国国会図書館、法院図書館、韓国科学技術院科学図書館、韓国科学技術情報院、韓国教育学術情報院、農村振興庁農業科学図書館および国家知識ポータルの8機関が参加するプロジェクト。これらの機関が所管するデータベースおよび電子化資料を共同利用することにより、統合検索および原文の有償または無償の利用等が可能である。<http://www.dlibrary.go.kr外部サイトへのリンク>

4これらの原文情報のうち、17万冊、5,200万ファイルは、韓国複写電送権センターと協定を締結した図書館(NLKをはじめとする公共図書館等205館)の指定された端末に限定して閲覧ができる。

5KERISが提供している「学術研究情報サービス(학술연구정보서비스/ Research Information Service System, RISS) 」。記事の原文画像を閲覧するには、このシステムにログインする必要がある。<http://www.riss4u.net/amp;外部サイトへのリンク>

6民間の商用データベースの原文情報は、NLKおよび協約を締結した公共図書館等の指定された端末に限り閲覧できる。

7アメリカ国立公文書記録管理局(United States National Archives and Records Administration, NARA)が所蔵する韓国関連の資料原文を電子化した画像情報のデータベース。今後順次、海外所在の韓国関連資料の原文情報の収集および公開がなされる予定である。

82009年2月2日に、NLKは、ホームページのリニューアルを行い、画面等を一新した。従来、資料原文の画像情報を閲覧するためには、専用のビューワーを端末にインストールする必要があったが、リニューアルに伴い、専用ビューワーのインストールは不要で、ハングル版以外の外国語版のWindows XPでも画像情報を閲覧できるようにした(2009年2月2日付けNLKホームページの「告知事項(공지사항)」を参照)。

9 NLKが構築している原文画像情報が開かない場合があるようである(2009年2月2日現在)。なお、逐次刊行物の記事の原文情報で、KERISが提供している記事の原文画像情報は、RISSにログインすれば閲覧できる(前掲注5を参照)。

10韓国小説家協会で選定した現代の代表的な文学作品654タイトルを著作権処理の上電子化し、公開しているもの。

11 大韓民国学術院が選定した図書を著作権処理の上電子化し、公開しているもの。

12 12 原文情報欄のアイコンに「C」マークが付いている。前掲注4および同6を参照。

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