トップアジア諸国の情報をさがす刊行物>現代中国のライフスタイルについて調べる―流行、意識の観点から(レファレンスツール紹介22): アジア情報室通報 第9巻第1号

現代中国のライフスタイルについて調べる―流行、意識の観点から(レファレンスツール紹介22): アジア情報室通報 第9巻第1号

アジア情報室通報 第9巻第1号(2011年3月)
福山潤三

経済発展や技術革新といった社会の変化に応じて、人々のライフスタイルも形を変えます。中国でも、「蟻族」(大都市郊外に群居する高学歴ワーキングプア)や、「新浪微博」(新浪公司のミニブログ)など、新たな概念や製品が次々と生まれてきました。今回は、流行、意識といった観点から、現代中国のライフスタイルに関する情報源をご紹介します。

インターネットサイトの最終接続日は2011年2月15日です。【 】内は、当館請求記号、【( )】内は、関西館請求記号です。特に記述のないものはすべて中国語資料です。

1 最近の社会動向を調べる

社会の動きに関する最新情報は、新聞・雑誌や、インターネットのニュースサイトなどで得られますが、本章では、まとまった期間の情報を確認できる情報源をご紹介します。

(1) 『中国年鑑』(中国研究所 年刊)【Z41-119】

中国に関する日本語の総合年鑑です。政治、経済、社会・文化・科学、対外関係、日中関係の観点から、毎月の主な出来事を各2ページで整理した「日誌」、音楽、暮らし、観光といった項目ごとに、1年間の動きを解説した「動向」などを掲載しています。

(2) 『現代中国を知るための50章』(明石書店 第3版 2008)【GE341-J100】

日本語資料です。政治、経済・社会、直面する課題などについて、50項目に分けて解説しています。ライフスタイルという観点からは、第22章「新社会階層の台頭」から第28章「「80後」が変える社会」が参考になります。

(3)『21世纪中国文化地图 = Review of the 21st century Chinese culture : 2007年卷』(商务印书馆 2008)【EC211-C27】

3部構成の年刊資料です。当館では2007年巻まで所蔵しています。「批评文选」には、文化・芸術に関する批評論文を収録しています。「文化关键词」では、各年のキーワードを、アルファベット順、中国語ピンイン順に排列して解説しています。「文化事件」では、映画、テレビ、建築、メディア、美術、流行、文学、演劇、音楽の9項目について、各年の主要な出来事を時系列順に掲載しています。

(4) 『チャイニーズカルチャーレビュー : 中国文化総覧. v.7』(好文出版 2010)【(GE341)】

(3)『21世纪中国文化地图』2008年巻の「文化事件」、「文化关键词」部分を日本語に翻訳した資料です。

2 流行語を調べる

(5) 2010年度中国媒体十大流行语
(http://www.moe.edu.cn/publicfiles/business/htmlfiles/moe/moe_814/201012/113648.html)

主要な新聞、テレビ局、ラジオ局、インターネット新聞の言語データをもとに各年の流行語を選定する「中国媒体年度流行语」の2010年版です。「一 综合类」から「十五 社会问题专题」までの15区分それぞれについて、10の流行語を掲載しており、例えば、「团购」(団購。インターネットでの共同購入)、「阿凡达」(映画「アバター」)などが挙げられています。

(6) 『中国语言生活状況报告 = Language situation in China』(商務印書館 年刊)【KK13-C44】

国家語言文字工作委員会編集の言語・文字に関する報告書です。上下二巻本で、上編は、言語・文字政策の動向や、国内外の現状を分析した論文集です。下編では、メディアでの頻出文字や、新語・流行語に関する調査結果を掲載しています。当館では2009年版まで所蔵しており、(5)でご紹介した「中国媒体年度流行语」の2009年版も掲載されています。

(7) 『中国流行语』(文匯出版社 年刊)【KK32-C97】

各年に流行した十大用語・十大人名のほか、21の分野ごとに、10語程度の流行語を挙げて、新聞などで実際に使用された文例を収録しています。当館では2010年版まで所蔵しています。

(8) 『最新网络交际用語辞典』(中國社会科学出版社 2008)【KK37-C18】

インターネットで用いられる俗語、略語、顔文字などをピンイン順、アルファベット順、数字順、記号順で掲載した辞書です。例えば、数字の「520」の項には、中国語での発音が似ている「我爱你」(I love you)の意味で用いられるとの解説が掲載されています。

このほか、関西館で利用できる最近の新語辞典として、以下の資料があります。いずれも中日辞典で、排列はピンイン順です。

(9) 『中国語現代用語実例辞典』(南雲堂フェニックス 2009)【KK12-J16】

語釈とともに、メディアで実際に使用された文例を掲載しています。

(10) 『中国語新語辞典』(同学社 五訂版 2008)【KK12-J7】

9,012語を収録しています。

(11) 『中日辞典. 新語・情報篇』(小学館 2008)【KK12-J4】

約20,000語を収録しています。

3 意識調査の事例を参照する

人々の意識や価値観を把握するために、様々な意識調査が実施されています。ここでは、社会・経済の幅広い分野を対象とした、総合的な調査事例をご紹介します。

(12) 中国消費者の生活実態
(http://whitepaper.searchina.net/)

サーチナ総合研究所が提供する日本語コンテンツです。景気、旅行、ファッション、対日感情、仕事意識など、幅広い調査項目について、単純集計結果を無償で利用できます。2004年分から公開されていますが、回答者属性ごとのクロス集計データなど、詳細なデータを利用するためには、アカウントの購入が必要です。

(13) 『中国消費者の生活実態』(サーチナ総合研究所 年刊)【Z71-P608】

資料(12)の紙媒体版です(現在は、オンライン版のみの提供となっています)。当館では、2007年発行分まで所蔵しており、2,000人を対象としたモニター調査について、性別、年齢、月収、地域別のクロス集計結果を確認できます。

(14) 『中国ライフスタイル白書 : 世界同時不況下の中国と都市生活者層の実態. 2010年版』(日本能率協会総合研究所 年刊)【(EF11)】

日本語資料です。統計に基づいた基礎データを掲載(第3章)した上で、「自由時間重視か、収入重視か」、「普段行っている娯楽活動」など、北京市・上海市・広州市の住民に対する調査結果39項目を収録しています(第4章)。また、中国の機関が実施したアンケート調査結果も収録しています(第5章)。

(15),(16)は、社会科学各分野の動向を分析する「皮書」シリーズの資料です(「皮書」シリーズの詳細については、前田直俊「皮書について--中国の社会科学報告書」『アジア情報室通報』5巻3号,2007.9, pp.2-5.(http://rnavi.ndl.go.jp/asia/entry/bulletin5-3-1.php) をご参照ください)。

(15) 『中国社会形势分析与预测』(社会科学文献出版社 年刊)【Z41-AC205】
(16) 『中国女性生活状况报告 = Report on Chinese women's state of life』(社会科学文献出版社 年刊)【Z41-AC356】

(15)は、収入・消費、就業、教育、環境、家族など、各年の社会状況を、幅広く論じています。報告論文のほか、「调查篇」として、社会調査の実例を収録しており、2010年版では、生活満足度や、家庭関係などに関する調査結果を掲載しています。

(16)は、女性の生活に着目したものです。调查篇(社会調査)、专题篇(論文)の2部構成で、2009/2010年版の调查篇では、女性の労働観、幸福感、消費動向などを取り上げています。

(17) 『2009-2010 IMI城市居民消费行为与媒体接触研究报告』(中国广播电视出版社 2009)【EF15-C7】

北京と上海で実施した社会調査をもとに、消費行動とライフスタイルの現状を分析する、「IMI消费行为与生活形态年鉴系列」の一冊です。消費(第1~7章)と、メディア利用(第8~11章)に大別し、飲食品、日用品、電化製品、金融商品、インターネット、携帯電話など、財・サービス別に調査結果を確認できます。

(18) 中国社会学网
(http://www.sociology2010.cass.cn/)

中国社会科学院社会学研究所が主催するウェブサイトです。「专题研究」では、社会学の分野別に、最近発表された論文の摘要や全文を確認できます。また、「学术资源导引」では、中国内外の社会学関係機関や、各種データベースへのリンク集を掲載しています。

台湾については、以下のウェブサイトが参考になります。

(19) 內政部統計處調查統計摘要
(http://www.moi.gov.tw/stat/survey.aspx)

内政部が実施した社会調査結果を掲載しています。例えば、「國民生活狀況調查摘要分析」では、生活全体、健康、家庭、経済、労働、社会参加、安全、環境、文化・レジャー、学習の10項目に関する満足度や、人々の関心事項が確認できます。

(20) 中央研究院社會學研究所
(http://www.ios.sinica.edu.tw/ios/index.php)

社会学研究を行う台湾の政府研究機関です。1984年から継続的に実施している「台灣社會變遷基本調查」など、大規模社会調査の専用ページを設けています。調査結果の利用にあたっては、多くの場合申請が必要ですが、「台灣社會變遷全記錄」では、過去20年程度の社会変遷に関するデータを、特別な手続なしで確認できます(不定期更新)。

おわりに

上記の情報源のほか、特定の分野や地域を対象とした研究論文や特集記事が数多く存在します。雑誌や新聞記事の詳しい調べ方を、当館ホームページの平成22年のアジア情報研修「中国関係資料の調べ方概論 講義資料編」 (http://rnavi.ndl.go.jp/asia/tmp/1_H22_kensyu_gairon_kougi.pdf)に掲載していますので、ぜひご覧ください。

  • 国立国会図書館
  • NDL-OPAC 国立国会図書館蔵書検索・申込システム
  • 国立国会図書館サーチ
  • 国立国会図書館デジタルコレクション
  • ひなぎく
  • レファレンス協同データベース
  • 本の万華鏡