昭和22年国勢調査施行の件

昭和22年3月1日 閣議決定

収載資料:総理府統計局百年史資料集成 第2巻 総記下 総理府統計局 1973.3 p.78 当館請求記号:AZ-333-7

左の要綱に依り昭和二十二年国勢調査を施行する

昭和二十二年国勢調査要綱
一、調査の目的
戦後産業の復興と民生の安定特に失業対策の確立の為には産業職業に関する人口統計の精確な資料が必要であるが、昭和十九年以降これに関する調査が存在しない。
よつてこれらの基本統計を整備し行政施策の基礎とすることを目的として国勢調査を行う。
二、調査の範囲
総て調査の時期に現在する者につき調査する。但し進駐軍の部隊艦船内にある日本人以外のものを除外する。
三、調査の時期
昭和二十二年十月一日午前零時現在による。
四、調査事項
1 氏名
2 男女の別
3 年齢(数へ年、出生年月日)
4 配偶関係
5 国籍
6 所属の産業
7 職業(職名及勤労の程度)
8 従業上の地位
9 失業
五、調査の方法
単記票を用い、世帯主又は世帯の管理人を申告義務者とし之に所定の事項を記入申告せしめる。但し、所属の産業職業及失業に付ては、調査員により質問記入せしめる。
六、調査の機関
市区町村を調査区に分割し各調査区に一名の調査員を置く。
右調査員は名誉職とし内閣に於て之を任命する。地方実査は市区町村長之を管掌し、地方長官之を指揮監督する。
七、結果の集計
緊急必要なる統計に付ては市区町村による地方分査の方法に依り、十二月末日迄に集計する。
右以外の統計に付ては内閣統計局に於て昭和二十三年末迄に集計する。集計事項の主なるものは男女別年齢別配偶関係別人口、男女別年齢別及産業人口、同職業人口、同失業人口等とする。
右の産業別及職業別は大分類、中分類程度とする。
八、結果の公表
市区町村別人口は十二月末迄に官報により其の他の集計結果は集計完了の都度之を公表し昭和二十三年末迄に全部完了する。
(附)昭和二十二年国勢調査の集計事務を促進せしめると共に将来内閣統計局の集計機能を強化敏速ならしめる為本年度中に九州、近畿及東北の三地方に内閣統計局の分局を設置する。