(政令第201号に関する)通達書

昭和23年8月11日 閣議了解

収載資料:国家公務員法沿革史 資料編1 人事院 1969.3 p.312 当館請求記号:AZ-341-44

去る七月三十一日政令第二百一号を以て「昭和二十三年七月二十二日附内閣総理大臣宛連合国最高司令官書簡に基く臨時措置に関する政令」が公布施行せられたことは御承知の通りである。
右政令の施行に伴い貴組合は左記事項を了知の上、至急所要の措置を講ぜられたい。

一、同盟罷業、怠業的行為等の脅威を裏付けとする拘束的性質を帯びたいわゆる対等の立場においての団体交渉権は認められない。しかし乍ら、公務員又はその団体はこの政令の線に沿うて勤務条件の改善を求めるために苦情、意見、希望又は不満を表明し、且つ、これについて十分な話合をなし、証拠を提出することができるという意味において交渉する自由は存在するのであるから、今後右の範囲内において、所轄当局の上司に対し申出でられたい。
二、従来の労働協約協定、申合せ等は無効となつた。従つて経営協議会の如きも当然消滅したものであることを承知せられたい。但し、この政令の趣旨に矛盾し又は違反しない限り、給与、服務のごとき公務員の身分に関する事項に関してとつた従前の措置は引続き効力を有するよう措置する。また、政府はこの際進んで福利厚生の適切を期する考えであることを申添える。
三、従来の労働協約等に基く組合事務専従者は認められないし、これに対し俸給を支給することも許されない。従つて、専従者は速かに職場に復帰するよう貴組合としても然るべき方途を講ぜられたい。なお、それぞれの職場復帰については当局としても出来る限り便宜を計りたいと考えている。
四、公務員には争議権は認められないことになつたのであるから、同盟罷業、怠業的行為は勿論、いやしくも業務の正常なる運営能率を阻害する如き行動は許されない。
万一かゝる行動に出ずる者があれば、本政令によつて厳重に処分せられることになるのであるから、貴組合においても十分留意せられたい。