連合国軍人等住宅公社に対する米国対日見返資金の融資について

昭和25年3月31日 閣議決定

収載資料:昭和財政史 終戦から講和まで 第18巻 大蔵省財政史室編 東洋経済新報社 1982 pp.371-372・p.92 当館請求記号:DG15-19

首題の件に関し、左記によって連合軍総司令部の許可あり次第許可条件に従い実行すること

一、業種 連合国軍最高司令官の命令に基き内閣総理大臣の定める計画及び指示に従い建設する連合国軍人用住宅の建設
二、事業主体 連合国軍人等住宅公社
三、金額 五、二五六、〇〇〇千円
昭和二十五年度四月以降八月末日までの間毎月資金繰り及び所要金額を勘案しつつ融資を実行すること
(備考)
一、資金の使途 札幌外三十二箇所において連合国軍人等に賃貸する住宅二、〇〇〇戸の建設資金
二、総予算五、二五六、〇〇〇千円
三、資金調達方法 全額見返資金から借入
四、建設完了予定時期  昭和二十五年八月一日
五、連合軍のための追加的従属的住宅の設置に関する命令 別紙の通り。
六、本件は連合国軍人等住宅公社が設立され昭和二十五年度予算が成立した場合にこれを実行する。
七、償還期限 昭和二十五年四月一日から十三ヶ年以内
八、元利金の償還方法
イ、元金は昭和二十五年十二月以降三ヶ月ごと
ロ、利息は毎年九月末及び十月末の年二回但し、昭和二十五年度に限り十二月末及び三月末とする。
九、利率年五分五厘

別紙
連合軍のための追加的従属的住宅の設置(一九五〇年一月二十七日SCAPIN二〇七六)
一、日本政府は占領国人に有料で貸し与うべき家屋二千戸を建築するための手段を直ちにとらなければならぬ。家屋(必要なる家屋を含む)は極東軍最高司令部技術局において指令された場所に、且つ同局において承認された計画及び仕様書に基いて建築されねばならない。これらの家屋はその目的のために設定された日本政府関係機関(公社)が建築し且つ貸しつけるものとする。
二、家屋建築のための資金は、米国対日援助見返資金の公社宛の貸付金を以てこれに充てる。造作を備付け、家屋を維持し、運用するための費用は、終戦処理費の負担とする。貸借料については、占有者が連合軍最高司令官の定める方法でその定める額を公社に納付するものとする。
三、日本政府は経済科学局に対し一九五〇年二月十五日迄に本指令の遂行に必要な行為についての計画を作成し提出しなければならない。
四、本指令を実施するための行為は次の如き順序に従ってなさねばならなぬ。
一九五〇年二月一日より三月一日まで―資金調達の調整、契約調整の開始
三月一日より四月一日まで―建設計画の完了、契約の締結
四月一日        ―建築の開始
八月一日        ―建築の完了
五、司令部当該部局との直接通信を許容する。