繭糸価格安定対策について

昭和33年6月3日 閣議了解

収載資料:農林行政史 第12巻 農林省大臣官房総務課編 1974.3 pp.614-615 当館請求記号:611.1-N955n4
最近における繭糸価格についての不安は、異常な需給事情に起因するものと認められるので、左記の要領による臨時応急対策をとることとし、これにより生糸の輸出の確保と農家経営の維持安定を期するものとする。
      記
1 当面の生糸及び繭の需給事情を改善するため、本年の生糸及び夏秋蚕繭の生産を抑制する方針をとる。
2 生糸及び繭市場の安定を図るため、日本輸出生糸保管株式会社及び農業協同組合連合会において生糸及び繭の棚上措置をとることとし、これがため必要な法律手続及び資金手当について所要の措置を講ずる。なお、三十三生糸年度における棚上数量は約五万俵と予定する。
3 繭生産の合理化を促進するための長期対策として低能率桑園の整理転換を図るものとし所要の助成措置を講ずる。
4 以上の供給面の制限措置とあわせて、生糸の新規用途の開拓等需要の増進策を推進する。