神田明神と祭礼

歳時記

天下祭といわれた神田祭は、江戸三大祭の一つで2年に一度行われます。神田祭は神田明神の祭礼で、神田明神は神田・日本橋・秋葉原・大手町・丸の内等の、縁結び・商売繁盛・病気平癒・開運招福の氏神として、現在も多くの人々に親しまれています。ここでは神田祭について簡単にご紹介します。


創建当時の記録が残されていないため定かではありませんが、現在のような賑やかで盛大な祭礼になったのは江戸時代からと考えられています。神輿をはじめ、各町々より出した山車や祭礼行列が江戸城内へ入り、将軍一家が上覧したほか、奥女中達も楽しみました。江戸幕府公認の祭礼として、神田祭は「天下祭」と呼ばれるようになりました。

江戸時代後期の写本『神田明神祭禮絵巻』には、各町々の山車や最も人気のあった附け祭(踊り屋台・仮装行列等のこと)の様子などが描かれています。

文化2(1805)年に行われた祭礼番付です。一番山車から三十六番山車までの各町名、山車の形態が記されています。旧暦の9月に開催されていることもわかります。


明治25年からは、神田祭は5月に行われるようになります。台風や疫病流行時期を避けること、神社の遷座が5月であったことが関係しています。

大正時代には、山車は姿を消し、神社の神輿しんよ(みこし)渡御とぎょする「神輿渡御祭」となりました。

参考文献

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