江戸名所百人美女
江戸後期に活躍した浮世絵師、歌川国貞(三代歌川豊国)による美人画の揃物『江戸名所百人美女』です。
大判の錦絵の中央に国貞が美人画を、画面内の四角い枠内に門人国久が江戸の名所を描いた共作であり、安政4(1857)年から5年にかけて制作されました。「百人」と銘打たれていますが、シリーズ全体では101枚確認されています。ここにあるのは「神楽坂」「するがだい」等を欠いた81枚です。
吉原の遊女や霞ヶ関の大名家の姫君をはじめ、あらゆる階級の女性を描いており、当時の女性の風俗を知る資料としても面白いシリーズです。また服をはだけさせて髪を洗う女性(「今川橋」)やぬか袋で顔を洗う女性(「御殿山」)等、色気のある表現も見られます。