<中国語>『中国企業のブランド国際化の方途に関する研究:国際M&Aの視点から』:アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介(2021年2月公開)

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アジア情報室 作成

谌飞龙 著『中国企业品牌国际化路径研究 : 跨国并购视角(中国企業のブランド国際化の方途に関する研究:国際M&Aの視点から)』北京 : 企业管理出版社, 2019.12, IV, VI, 225p. 【DH111-C14】

キーワード

中国、企業ブランド、国際M&A

編集者・著者

著者の諶飛龍は、江西財経大学工商管理学院[1]の教授を務める。起業のためのマーケティング、ブランド管理などを研究テーマとしている。

出版の背景・目的

本書は、中国の国家社会科学基金プロジェクト「中国企業の国際M&Aにおけるブランドの国際化の方途に関する研究[2]」の成果をまとめたものである。中国企業が行うM&Aは、市場において劣勢の企業が優勢企業のブランドや技術を求めて行い、相手方のブランドを自社のものとして活用するものが多い。一方、先進国型のM&Aは、市場において優勢の企業が劣勢の企業を合併・買収し、相手方のブランドを淘汰するものが多い。当プロジェクトは、先進国型と異なる中国企業のM&Aと、それによるブランド展開について、分析を行い理論化することで、その構造の理解に資することを目的として実施されたものである。

本書のポイント

本書では、ハイアールなど著名な中国ブランドの、国際M&Aの事例とその分析を通して、中国企業の自社ブランド国際化の戦略について知見を得ることができる。特に、著者が本書の主要な部分として挙げている第3章から第6章においては、メディア戦略やハイエンドブランドの買収による国際化、「中国M&A」ブランドのグローバル展開などについて、各々事例を挙げながら分析を施しており、中国のブランド戦略を理解するうえで有用である。

目次

第1章 緒論
第2章 ブランドの国際化についての新解釈
第3章 国際M&A事例におけるブランドの国際的な展開
第4章 国際M&Aによってブランドシリーズの国際的なレベルアップを実現させる
第5章 国際M&Aによる多ブランドのグローバル展開
第6章 「中国M&A[3]」ブランドの国際的な存在
第7章 研究の結論と展望

関連する調査及び立法考査局刊行物収載の文献

(アジア情報課 新谷 扶美子)


[1] http://business.jxufe.edu.cn/外部サイト

[2] 我国企业跨国并购中的品牌国际化路径研究(13CGL062)

[3] 【出版の背景・目的】で述べたような、中国企業に多いタイプのM&Aを指す。