<中国語>『インターネット利用に関する世代間差異:1970年代生まれ、80年代生まれ、90年代生まれの比較』:アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介(2021年4月公開)

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アジア情報室 作成

赵联飞 著『网络参与的代际差异 : 70后、80后、90后群体的比较 = Intergenerational differences in network participation : a comparative study on people born in 1970s, 1980s and 1990s(インターネット利用に関する世代間差異:1970年代生まれ、80年代生まれ、90年代生まれの比較)』 (当代中国社会变迁研究文库(当代中国社会変遷研究文庫)) 北京 : 社会科学文献出版社, 2020.2, 9, 10, 291 p【DK411-C155

【キーワード】

中国、インターネット、情報行動、世代間格差

【編集者・著者】

趙聯飛は中国社会科学院社会学研究所の副研究員であり、インターネットと社会の関係、社会統計学、青年研究等を研究領域としている[1]

【出版の背景・目的】

中国のインターネット利用者数は、2006年頃から急激に増加を続けており[2]、現在は10億人近くとなっている[3]。本書は、こうした利用増大の結果として生じる、世代ごとのインターネット利用実態の差異に対し関心を持つ著者が、実施した標本調査の結果や「中国インターネット発展状況統計報告」[4]のデータ等を元にまとめた研究書である。

【本書のポイント】

世代別のインターネットやSNS利用状況は、総務省の情報通信白書でも紹介されており[5]、状況に差はあるものの、各国共通で関心を持たれている問題と思われる。本書の第5章から第7章では、世代別のオンラインコミュニケーションの傾向、オンラインコミュニティへの参加状況、学歴やインターネットスキルとインターネット利用状況との相関関係等について分析が行われており、中国のインターネット利用の実情を具体的に窺い知ることができる。

【目次】

第一章 インターネットとインターネット利用
第二章 インターネット利用行為と世代間の差異
第三章 ライフコースと世代間の文化的差異
第四章 インターネット利用の光景のミクロ的視点の探索
第五章 オンラインコミュニケーションの世代間の差異
第六章 インターネット上の市民参加に関する世代間の差異
第七章 インターネット利用に関する世代内・世代間のギャップ
おわりに

(アジア情報課 丹治 美玲)


[1] 赵联飞(社会科学文献出版社「国内人文社科领域的人名标识与文献服务系统」)
https://id.ssap.com.cn/Z-3898-0391外部サイト

[2] 本書pp.5-6による。

[3] 第47次《中国互联网络发展状况统计报告》(中华人民共和国国家互联网信息办公室ウェブサイト)
http://www.cac.gov.cn/gzzt/ztzl/zt/cnic/A0920010802index_1.htm外部サイト

[4] 脚注3を参照。

[5] 情報通信白書 令和2年度版 第2部 第5章 第2節 インターネットの利用状況(総務省ウェブサイト)
https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r02/html/nd252120.html外部サイト