<朝鮮語>『参与予算 : 市民が政府を変える』:アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介(2021年6月公開)

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アジア情報室 作成

임성일, 송창석, 최인욱, 김상철 지음(イム・ソンイル, ソン・チャンソク, チェ・イヌク, キム・サンチョル 著)『참여예산 : 시민이 정부를 바꾼다 (参与予算 : 市民が政府を変える))』ソウル: 해남, 2018.7, xi, 384 p【DG291-K24

【キーワード】

参与予算、住民参加型予算、自治体財政

【著者情報】

イム・ソンイルは、韓国地方税研究院招請研究委員である。ソン・チャンソクは、水原市政研究院企画調整本部長である。チェ・イヌクは、ソウル市市民参与予算担当官市民協力チーム長である。キム・サンチョルは国家財政研究所非常勤研究委員である。

【出版の背景・目的】

「参与予算」とは、韓国の住民参加型予算の名称である。韓国では、2003年に光州広域市北区が住民参与予算制度を初めて導入し、2011年には地方財政法[1]が改正されて、地方自治体の長は同制度を設けて施行しなければならないことが規定された(第39条)。また、国レベルでも2018年に「国民参与予算制度」が導入される[2]など、自治体及び政府の予算編成過程への住民参加が拡大している。

【本書のポイント】

韓国の住民参与予算制度の概要、沿革、運営実態、課題等が整理された概説書である。第5部では「参与予算機構」「執行モニタリング」「参与予算教育」などの項目別に概要や手順等を解説し、第6部ではソウル特別市をはじめとする市・郡等の事例を詳細に紹介するなど、実務者にとって実用性の高い資料となっている[3]

【目次】

推薦文
序文
第1部 参与予算制度の概要
第2部 参与予算制度の世界的な導入と拡散
第3部 我が国の参与予算制度の現在地:導入と経験
第4部 住民参与予算制度の発展方向:転換と課題(参与予算 バージョン2.0)
第5部 参与予算 どうすれば?:ガイドブック
第6部 参与予算の優秀事例
参考文献

【関連する国立国会図書館刊行物収載の文献】

藤原夏人「韓国の国家財政法」『外国の立法』No.263(2015.3)
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9111092_po_02630009.pdf?contentNo=1

(アジア情報課 廣田 美和)


[1] 「지방재정법(地方財政法)」国家法令情報センターウェブサイト
https://law.go.kr/법령/지방재정법外部サイト

[2] 2017年の国家財政法施行令改正により、予算過程への国民参加に関する条項が新設された(第7条の2)。
「국가재정법 시행령(国家財政法施行令)」国家法令情報センターウェブサイト
https://www.law.go.kr/법령/국가재정법시행령外部サイト

[3] なお、政策的観点から見た同制度の課題及び解決策並びに国内外の事例分析に関しては、以下の資料も参考になる。
류영아 著『주민참여예산제도의 운영실태와 개선방안 (입법·정책보고서 ; Vol. 27)(住民参与予算制度の運営実態と改善方案(立法・政策報告書 ; Vol. 27))』(국회입법조사처, 2019)【DG291-K23】
https://www.nars.go.kr/report/view.do?cmsCode=CM0156&brdSeq=26070外部サイト