<中国語>『銀行のデジタルトランスフォーメーション:道筋と戦略』:アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介(2022年3月公開)

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アジア情報室 作成

王松奇 主编『银行数字化转型 : 路径与策略 = Digital transformation in banking : routes and strategies(銀行のデジタルトランスフォーメーション:道筋と戦略)』 北京 : 机械工业出版社, 2021.1, 7, 465 p【DF241-C106

キーワード

中国、銀行、デジタルトランスフォーメーション、フィンテック

著者情報

主編者の王松奇[1]は、中国社会科学院金融研究所副所長であり、中国金融学会常務理事と金融雑誌『銀行家』の編集長も兼任している。本書に収録されている48本の報告書は、『銀行家』雑誌の専門調査チームと、商業銀行、テクノロジー企業、大手調査会社などで実務を担当している専門家によって執筆されている。

出版の背景・目的[2]

中国の金融システムにおいて、銀行は主導的な立場から、国の経済発展に重要な役割を果たしてきた。近年、デジタル金融サービスが銀行業界のサービス形態などに大きな衝撃を与え、銀行業界も時代に合わせてデジタルトランスフォーメーション(以下DXとする)を導入し始めている。本書は、この導入過程を追跡するために、金融雑誌『銀行家』が企画を行い、業界の専門家の意見等を総括したものである。

本書のポイント

本書はフィンテックをはじめとする金融業界のDXの事例を紹介している。近年の中国のインターネット技術の発展は目覚ましく、先進技術と金融の融合も進んでいる。多数の専門家の分析をまとめた本書は、現在の中国金融業界の発展状況について知ることができ、日本の金融改革等の参考にもなりうる。

目次

まえがき
第一章 銀行のDXに関する調査研究報告
第二章 大型商業銀行[3]におけるDXの実例
第三章 株式制商業銀行[4]におけるDXの実例
第四章 都市商業銀行[5]におけるDXの実例
第五章 農村金融機構におけるDXの実例
第六章 民営銀行におけるデジタルバンクの実例
第七章 科学技術を用いて銀行のDXを促進する
第八章 銀行のDX戦略

関連する国立国会図書館刊行物収載の文献

高澤美有紀・大森健吾「キャッシュレス決済の動向―我が国と諸外国の現状―」『調査と情報―ISSUE BRIEF―』No. 1066, 2019. 9.26
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_11350017_po_1066.pdf?contentNo=1
雨宮卓史「海外のフィンテック促進に向けた取組―英国・シンガポール・EU―」『調査と情報―ISSUE BRIEF―』No. 955, 2017. 3.31
https://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_10317763_po_0955.pdf?contentNo=1

(アジア情報課 中山 正義)


注[1] http://ifb.cssn.cn/gywm/yjtd/200312/t20031223_2217674.shtml外部サイト
[2] 本書まえがきより
[3] 「国有商業銀行」から発展したメガバンク、中国工商銀行をはじめとする5行
[4] 改革で設立された民間の商業銀行で、かつ全国で展開するもの
[5] 特定の地域で営業する商業銀行