<中国語>『未来に活力を与える:科学技術人材政策の変遷とインセンティブ制度』:アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介(2022年11月公開)

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アジア情報室 作成

郭哲 著『赋能未来 : 科技人才政策变迁及激励机制 = Enabling the future : research on policy changes and motivate mechanism of science & technology talents(未来に活力を与える:科学技術人材政策の変遷とインセンティブ制度)』 北京 : 社会科学文献出版社, 2021.5, 2, 2, 207 p【AC9-441-C131

【キーワード】

中国 科学技術政策

【編集者・著者】

著者の郭哲は、教育政策、科学技術人材政策等の研究者であり、2022年11月現在は中国・南方科技大学の高等教育研究センターで助理教授を務める[1]

【出版の背景・目的】[2]

21世紀に入り、先進諸国は陸続と科学技術人材に関する政策を発表している。科学技術によるイノベーション能力と、経済水準の向上を効率的に行うためである。本書はこのような国際情勢を背景とし、中国の科学技術人材に適したインセンティブ(動機付け)制度構築のための検討を行っている。

【本書のポイント】

近年、科学技術分野における日本の研究力低下が指摘される[3]中で、科学技術人材の育成・確保はさらに重要度を増している。本書では、1978年の改革開放以降における中国の科学技術人材政策史を整理して示すとともに、中国の科学技術人材に対し実施したアンケート及びインタビューの結果を分析しており、研究力の伸長著しい中国の状況を通時的・共時的に知ることができる資料と言える。また、21世紀以降における米・英・独・日4か国の科学技術人材政策の調査・比較も行っているため、諸外国の事例を把握する上でも有用である。

【目次】

第1章 緒論
第2章 文献レビュー
第3章 改革開放後の中国における科学技術人材政策史の回顧と成果
第4章 中国における科学技術人材政策の焦点と変遷のメカニズム
第5章 中国の科学技術人材のインセンティブに関する混合型研究
第6章 21世紀以降の主要先進国による科学技術人材政策の概要及び特徴
第7章 新時代における中国の科学技術人材政策の発展戦略と進路選定
第8章 研究のまとめと展望
付録A 科学技術人材政策のインセンティブの現状及び制度の調査 アンケート票
付録B 科学技術人材のインセンティブに関するインタビュー調査 レジュメ
参考文献
後記

【関連する国立国会図書館刊行物収載の文献】

国立国会図書館調査及び立法考査局『「科学技術立国」を支えるこれからの研究者育成:科学技術に関する調査プロジェクト報告書』(調査資料. 2019-4)
https://dl.ndl.go.jp/pid/11457080
国立国会図書館調査及び立法考査局『ポスト2020の科学技術イノベーション政策:科学技術に関する調査プロジェクト報告書』(調査資料. 2019-6)
https://dl.ndl.go.jp/pid/11472877
湯野基生「【中国】科学技術進歩法の改正」『外国の立法 : 立法情報・翻訳・解説』No.291-1(2022.4)
https://dl.ndl.go.jp/pid/12213284
湯野基生「【台湾】国家重点領域産学協力及び人材育成革新条例の制定」『外国の立法. 月刊版 : 立法情報・翻訳・解説』No.288-2(2021.8)
https://dl.ndl.go.jp/pid/11708959

(アジア情報課 木下 雅弘)


[1] 「郭哲」南方科技大学
https://faculty.sustech.edu.cn/guoz6/外部サイト

[2]本書「摘要」より

[3]「日本の研究力低下 人材育成へ予算を手厚く」毎日新聞デジタル, 2022.9.18
https://mainichi.jp/articles/20220918/ddm/005/070/056000c外部サイト