<朝鮮語>『保健医療データ活用促進のための関連法・制度現況及び示唆点』:アジア情報室の社会科学分野の新着資料紹介(2023年1月公開)

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アジア情報室 作成

권오성, 최윤희(クォン・オソン, チェ・ユンヒ)『보건의료 데이터 활용 촉진을 위한 관련 법・제도 현황 및 시사점(保健医療データ活用促進のための関連法・制度現況及び示唆点)』世宗 : 산업연구원, 2021.10, 97 p【AK4-541-K115

キーワード

韓国、医療、ビッグデータ

著者情報

本書の発行者である産業研究院は、韓国国務総理傘下の経済・人文社会研究会が所管する研究機関で、国内外の産業と貿易通商分野を調査研究対象としている。著者のクォン・オソン、チェ・ユンヒは、それぞれ産業研究院の副研究委員、上級研究委員である。

出版の背景・目的

韓国では保健医療分野を含むデータ活用に関連して、2020年にデータ3法(個人情報保護法・情報通信網法・信用情報法)の改正が行われたが、法・制度的に曖昧な部分が残り、保健医療データの民間活用が進まない状況にあるとされる。本書は、保健医療データの民間活用を促進するため、海外事例との比較を通じて韓国国内法・制度の改善策を提示することを目的として出版された。

なお、本書は産業研究院ウェブサイトにて全文が公開されている[1]

本書のポイント

本書は、保健医療データに関する韓国の法・制度を対象として、現状と改善策を示したものであり、そのなかでアメリカ、EU、日本における関連法・制度との比較を行っている。特に第2章「2. 国内の法・制度の現況」では、韓国データ3法やその他法令のうち、保健医療データの利活用に関わる内容が整理されており、同国における関連法を概観することができる。

医療データの利活用に関しては、日本でも政府が次世代医療基盤法の改正を目指す方針を決める[2]など関心が高く、海外の動向を把握するのに参考になる。

目次

要約
第1章 序論
1. 研究の背景と必要性
(1)研究の背景
(2)研究の必要性
2. 研究の目的
第2章 国内外の保健医療データ活用に関連する法・制度の現況
1. 海外の法・制度の現況
(1)アメリカ
(2) EU
(3)日本
2. 国内の法・制度の現況
(1)韓国データ3法の改正事項
(2)保健医療データ関連の国内主要法規の現況
(3)保健医療データ活用ガイドラインの検討
3.小括及び示唆点
(1)国内外の法律の検討及び示唆点
(2)国内外のガイドラインの検討及び示唆点
第3章 保健医療データの活用促進のための法・制度改善策
1. 「産業的研究」利用目的の明示
2. データの二次的利用の明示
3. 保健医療データに関する特別法の制定
参考文献

関連する国立国会図書館刊行物収載の文献

岡林楠博「医療ビッグデータの利活用 : 医療情報の二次利用に向けた政府の取組」『調査と情報』(1005), 2018.5.
https://dl.ndl.go.jp/pid/11092418/1/1

(アジア情報課 河村真澄)


[1] 「정책자료(政策資料)」(産業研究院ウェブサイト)
https://www.kiet.re.kr/research/podataView?podata_no=319外部サイト

[2] 「「医療ビッグデータ」利用促進するため法改正へ...提供可能なデータを大幅拡充」読売新聞オンライン. 2023.1.4.
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20230104-OYT1T50162/外部サイト