国際子ども図書館で一番古い外国の本
【 】内は当館請求記号です。
1.国際子ども図書館所蔵の一番古い外国の本について
当館で一番古い外国の本は、1538年に発行された『イソップ寓話』です。
- "Aesopi Phrygis Fabulae graece et latine, cum aliis opusculis, quorum, index proxima referetur pagella."
Basileae Officina Heruagiana,1538 【Y8-B4820】文章は左側にギリシャ語、右側はラテン語の対になっており、簡潔な言葉で書かれ、語学を勉強するのに使われました。序文とイソップの生涯については Maximus Planudes (ca.1260-ca.1320)が書いています。巻末にはタイトルで引ける索引がついており、掲載頁が示されています。閲覧のみ可能です。複写、図書館間貸出はできません。
2.イソップとは
ギリシャ語ではアイソープス。イソップは「寓話の父」と呼ばれ、ヘロドトス『歴史』第2巻にサモスの奴隷で解放されデルフォイで不慮の死をとげたとされています。
3.イソップ寓話の起源や歴史
イソップ寓話は口伝で伝えられ、紀元前3世紀アテネの雄弁家デメトリウスがギリシャ語で10巻にまとめましたが、散逸しました。現存するものはラテン語のものです。
4.日本のイソップ寓話
日本に初めて伝えられたイソップ寓話は『ESOPONO FABLAS』(イソポ(エソポ)のハブラス)です。17世紀に入り古活字版『伊曽保物語』が数種刊行されます。1659(万治2)年に刊行されたものは「万治本」といわれ、初の絵入本となりました。
- 『伊曽保物語 3巻』
伊藤三右衛門 万治2 【WA8-3】
5.参考文献など
- 『イソップ寓話 : その伝承と変容』
小堀桂一郎著 中央公論社 1978.11 【KP25-9】
- 『イソップ寓話の世界』
中務哲郎著 筑摩書房 1996.3 【KP25-G2】
- 『伊曾保物語 : 万治絵入本』
武藤禎夫校注 岩波書店 2000.12 【KP25-G16】