検地
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1.徳川幕府県治要略
- 安藤博編『徳川幕府県治要略』
(赤城書店 大正4(1915)年 【322.15-A47 ウ】)(国立国会図書館デジタルコレクション)
※左上から田の周囲の検地、田の検地、中扉、徳川家達揮毫、徳川頼倫揮毫
日本史の教科書などで、検地の様子を伝える絵として参照されることがある図です。この図が掲載されている資料ですが、実は、大正時代の本です。法制史学者の滝川政次郎によると、編者の安藤博は江戸幕府の役人であり、明治政府によって江戸幕府の民政が不当な評価を受けていることを正す目的で、江戸時代の幕府直轄領の民政の状況を伝えるために本書を執筆したのだろうとされています。なお、本書の巻頭にある「知古」の揮毫は徳川宗家の徳川家達の、「文物多渉古」の揮毫は紀州徳川家の徳川頼倫の手によるものです。
上記のように、この図は江戸幕府期の幕府直轄地で行われた検地の様子を描いたものであり、全国的規模で統一的に実施された初めての検地として知られる、安土桃山時代の「太閤検地」の様子を描いたものではないことはご注意ください。
関連文献
- 安藤博編『縣治要略』
(新装版 青蛙房 2012年 【AZ-145-J48】)
本書を1965年に改版して発行したものを、2012年に再版したものです。
関連する当館ウェブページ
- 電子展示会 近代日本人の肖像
揮毫した徳川家達の肖像写真と略歴を見ることができます。